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【おうちで漬物】#6 外側しょっぱく中フレッシュ、ちょっと不思議な置賜名物「りんご漬け」

年末、両方の実家から前後して届いたりんごが余っていた。
品種や産地は違うがさすがに多過ぎて、なんとか美味しいうちに消費すべくジャム以外の加工法を探した。すると「置賜名物・りんご漬け」というのを発見。手元にあるりんごも山形産(父の実家近くで採れたらしい)、これはやってみるしかないのでは!

という訳で早速漬け方を調べた。ネット上には情報があまりなく、特に漬け方に関する情報はほぼ皆無。道の駅やアンテナショップの商品情報や、食べた方の感想から察するにどうやら「丸ごと塩漬けにする」ものらしい。

そうは言ってもいったいどんな方法で塩漬けするのだろう?塩の中に埋め込むのか塩水に浸すのか、塩分はどれぐらいか、とにかく取れるだけの情報をと探しまくったところ、山形ではなく青森のレシピが見付かった。

りんごを洗って水気をふき取り漬物袋(厚手のビニール袋)に入れ、分量の塩を溶いて沸かした塩水を上から注ぎ入れ、押し蓋と重石をして袋の口を結び、漬かるまで数ヶ月待つというもの。――かなりアバウト。でも野菜や果実の塩漬けって元来そういうものかも知れない。
できあがりを食べたことがないので、どれぐらいまで漬ければよいのか謎のままではあったが、とりあえず着手した。

《置賜名物・りんご漬け(りんごの丸ごと塩漬け)》
①りんごを洗い、きれいに水気をふき取って重量を計る。今回は約1.6kg。計り終えたら漬物袋または厚手のビニール袋に入れて漬物樽または体積の合う容器に入れる。

やや小ぶりのりんご6個分です

②りんごの重量に対し3.5%の塩(=56g)、9%の水(=144cc)を用意し、りんごのへたと底のくぼみに塩をまぶしつけ、残った塩を水で溶いて沸かし、粗熱がとれたら袋に注ぎ入れ、空気を抜き袋の口を縛って重石をする。

途中カビないか不安で、梅干しを作る時と同じようにヘタと底(菌が入りそうな箇所)に塩をまぶしつけてみた

◆手持ちの重石では軽過ぎたのと、均等に重さをかけるためホーローのバットの上にりんごの袋を置き、買い置きの水1ケース(500ml×20本程度)をのせて重石とした。これぐらい重くないと塩が浸って行かない(元レシピは大量に漬けているので周りのりんごたちも重石になる)
③時々様子を見、週1回くらい上下を返す。
◆今回の場合、12/27に漬けて10日ほど経った頃から表面に少し皴が寄り、皮の色が変わって漬かり始めて来た印象。

12/27に塩漬け⇒2週間と2日経った1/12はこんな感じ。表面はシナシナというほどではないが、当初よりも水の量がいくらか増え、皮の色がややしみ出ている

食べ時がわからないので、おそるおそる実食。表面がややしなっとして、中はフレッシュな感じが残るのは商品ページにかなり近いが、どうだろう。

一見美味しそうではある

おお・・・なんだか不思議な感じ。外側は確かに少ししょっぱいけれど、中はりんごのままだ。ちゃんと甘くてサクっとした食感も残っている。それだけに、「甘い&しょっぱい」がこれ一つで完結するので案外美味しく、箸休めにぴったり。切って冷蔵庫に入れておくと夫はどんどん食べていた。

「漬物」と言うにはやや果物寄り(ごはんのおかずにはならない)なので、最も合うのは福神漬同様カレーのお供や、洋風メニューの口直しや箸休め。ピクルスに近いような感覚だと思う。ポテトサラダに入れても美味しそう。

その週の週末ランチ。我が家はカレーをハーフ&ハーフにすることが多いです
辛いカレーにしょっぱくて甘くてサクサクしたりんご漬けはかなり合う

そして、おそらくこの時点(半月程度で浅く漬かった頃合)で冷蔵庫に入れればよかったのだが、そのまま常温で様子を見続けたところ、直後の一週間でやや漬かり過ぎてしまった。1/20時点で一部発酵臭みたいな匂いが出始めた。食べ頃は前週だったのだろう。

1/20時点。表面がだいぶシナシナになり、塩味も増している。食べ頃は前週だった・・・

食べ時の判断に加え、今回の反省点として、もっと全体に塩水がたっぷり浸った状態&より低温で漬ければさらに美味しく漬かったのかな、という気がする。
それと、もともとの商品はシナノゴールドで漬けられていた。JA長野のサイトによるとシナノゴールドは「パリッとした食感で甘味と酸味のバランスがよく、果汁が多いのが特徴です。貯蔵性に優れており長期保存が可能です」とのこと。貯蔵性に優れた品種で漬けるのもコツかも知れない。

とは言え今回はあくまで余ったりんごの活用。初回にしてはまあまあの出来だったかなと思う。りんごが余るというシチュエーションはあまりないかも知れないが、また機会があれば今回よりも美味しく漬けてあげたい。

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