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日本全国魅惑のローカル梅たち

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ひとくちに「梅(梅干し)」と言ってもその個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多様。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べた…
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#梅干

JA岩手ふるさと産直来夢くんで「正法寺梅」の梅干しを買う

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事+現在(2024年6月)の追記です。(もともとの更新日付:2023年7月20日) 先日一関へ行った際、市街地から少し北に位置するJA直売所「JA岩手ふるさと産直来夢くん」に立ち寄った。 昼過ぎに着いたので、残念ながら生梅は売り切れていたが、その代わり美味しそうな梅干しを発見。通常直売所で見掛ける梅干しよりもやや高額ではあるが、しっかりとしたパッケージや「正法寺梅」という名称にも興味を引かれて購入。 塩をしっかり

中粒で果肉たっぷり、梅干しに最適!新潟産越の梅来る&2023年6月27日現在の梅仕事一覧

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月27日) 昨日届いて約一日追熟させた新たな品種「越の梅」。 皮が薄いので追熟させすぎないようにと予め売り手の方からアドバイスを頂き、仮に色が変わらなくても今日中に漬けるつもりでいた。 しかし昼には全体が黄色くなり、あたりいちめん良い香り!やはり待ってみてよかった。 漬ける前の重量は1,239g、購入時は箱込み1.5kgだった。 この梅は元々梅干しにしたくて買った。 越の

JA紀州「みかんこい梅」試食と梅酢の活用法

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年8月1日) ある日、観劇前に日比谷シャンテに立ち寄ると、出入口付近のイベントスペースが梅干しでいっぱいだった。梅専門店のポップアップショップらしく、全国の梅製品がある。欲しい品種や商品がないかチェックしていると、試食品をいただいた。それがこちら。 「みかんこい梅」。 黄色のテトラパッケージのみかん味、赤のトマト味の2種類があり、私がいただいたのはみかん味。JA紀州の商品のよう

有楽町のアンテナショップで4県4品種の梅干し購入

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月28日) この日は日比谷に所用があり、少し早めに有楽町駅に着いて各県アンテナショップ巡りをした。目的は梅干し探し。 買ったのは右上から時計回りに ①紅さし梅(福井県):まろやかな酸っぱさが特徴。無印良品のねり梅にも使われている品種。 ②氷見いなづみ梅(富山県):氷見のローカル梅。富山県でローカル梅はあまり聞かないので、是非とも手にしてみたかった品種。うれしい。 ③越の

山形のブランド梅・谷沢梅(やさわうめ)の梅干しをアンテナショップで購入

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月26日) 谷沢梅の梅干しを買った。 谷沢梅の概要についてはこちらの過去記事で(おばこ梅の記事ですがそもそも谷沢梅が欲しかった)。 谷沢梅の生梅が買えないので(※後に収穫時期にはまだ早過ぎることに気付いた)おばこ梅を買って漬けているとは言え、その梅干しが美味しくなるにはまだまだ日数がかかる。 それにやはり谷沢梅の味に興味があったので、銀座にある山形県アンテナショップ「おいし

あの豊橋の梅がなんと美味しく…!(豊橋の梅その5・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月17日) 天日干しした豊橋の梅(強制追熟)を紫蘇漬けしてから3週間ほど経過した。ちなみに記事にしていなかったが、同じ梅をカリカリ梅にした方も、少し前から紫蘇漬けにしていた(えぐみが強いのでその方が美味しくなるかと思って)。その際の様子がこちら。 それをこの連休中、おそるおそる味見してみた。 右側が梅漬け(5/30にカリカリ梅として漬けた後、卵殻を除いた6/16に紫蘇と共

豊橋の梅の梅干しをさらに紫蘇漬けに(豊橋の梅その4)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月26日) 土曜日から天日干ししていた豊橋の梅が大分乾いたので引き揚げ、紫蘇漬けにすることにした。干した後の梅とあく抜きした赤紫蘇を段々に重ね、梅酢を全体が浸かるまで注いでひと月ほど待つ。 干し終わり画像がないのは諸々疲れ果てたからで、この天日干しはやたらと大変だった。というのは、初日の夜に網が壊れてしまったから。 使っていたのはホームセンター等で売っている800円弱の三

杉田梅まつりと杉田梅コラボグルメ

「杉田梅」という横浜(磯子区杉田)在来種の梅がある。ものすごく酸味は強いが(数ある実梅品種の中でも一、二を争うらしい)独特の旨味と芳香を持つ魅力的な品種で、一度食べるとあのパンチのある酸味が癖になる梅干しはもちろん、香りと味が良いのでジャムや梅菓子等の加工にも向く。私も大好きな品種だ。 杉田梅は現在では希少で、主に小田原の曽我梅林で栽培され、杉田でその姿は殆ど見ることができない。元々千葉方面から杉田・小田原にほぼ同時に伝わったとされるが、当時の領主が農地に向かない杉田の産業

【日本全国ローカル梅】#3 香りにうっとり!そのままで美しい御菓子のような京都の梅「城州白」(京都府城陽市)

今年漬けた中でも特に「我が家のお気に入り」となった梅の品種がいくつかある。中でも圧倒的だったのが「城州白」。箱を開けた時点で他の梅とは全く違っていた。 とにかく香りが良い。段違いに良い。 十郎梅の香りに関して蝋梅やかりんを例えに出したが、その種の香りが非常に濃い。更に桃や杏にも近いような香りをも含み、複雑だがあくまで自然なものすごく良い香り。箱から香りが廊下中に漂い、それを嗅いだ夫が「ああいい匂い」とうっとりしていた。 城州白は十分熟した状態で入手したため香りが強かったのも

【日本全国ローカル梅】#2 おばこ梅(山形県酒田市)~種離れよくすっきり味の山形色白美人梅

「おばこ」という方言をご存知だろうか。秋田育ちの私は民謡「秋田おばこ」をはじめ地元で聞き慣れた言葉だが、元々山形の庄内地方から来たらしい。未婚の娘、だいたいは十五~十八歳くらいの娘を指して使うことが多いようだ。 その「おばこ」を名に冠したローカル梅が、山形県酒田市にある。メルカリのとある店舗で見付けて購入してみた。 すべすべの果実肌が真っ先に目に入る。まだ青梅だが「色白美人」という言葉が瞬時に頭に浮かんだ。日照時間が短い山形や秋田でよく見る、色白のきめ細かなもっちりお肌の娘

【日本全国ローカル梅】#1 十郎梅(神奈川県小田原市)〜神奈川が誇る美人梅

初めて「ローカル梅」を意識して漬けたのは小田原産の十郎梅。近所のスーパーでも生梅は買えるが、その殆どが和歌山や長野、群馬等県外産。せっかくなら住んでいる神奈川県産の梅も入手したくなり、探して買えたのが十郎梅だった。 十郎梅の特徴は、まず何よりもその美しさだ。箱を開け、冒頭写真の艶やかでまんまるな実を目にして思わず「美人ちゃん…」とつぶやいてしまった。それほどつるつるで綺麗。香りも上品だ。どこか平安貴族を思わせる、重ねの衣に焚き染めたお香のような、古風で奥ゆかしい香り。 梅干

日本全国ローカル梅の魅惑

今年私が入手し漬けた(梅干しまたは梅漬け)梅の品種と産地を、入手順に書き出してみる。 ①豊橋の梅(品種不明、豊橋の道の駅にて購入) ②信州産小梅(品種不明、横浜市内のスーパーAで購入) ③フルーツ梅(正式名称不明、横浜市内のスーパーBで購入) ④十郎梅(神奈川県小田原市産) ⑤高田梅(福島県産) ⑥おばこ梅(山形県産) ⑦竜峡小梅(長野県産) ⑧群馬の梅(品種不明、横浜市内のスーパーCで購入) ⑨橙高梅(和歌山県田辺市産) ⑩越の梅(新潟県産) ⑪城州白(京都府産) ⑫谷沢

梅としば漬け

2023年5月、突如として梅干し沼にはまり込んだ。何の前触れもなしに。 それまで梅干しは好きだが毎日食べる程でもなく、常備はしても特に拘りはなかった。敢えて言うなら甘くなく塩分の高過ぎないものを選び、品種も和歌山の南高梅なら間違いないだろう、程度のものだった。 ――が。 食べることと作ることで頭の8割〜9割が埋め尽くされている私がいつものようにネットで料理レシピや動画を漁っていると、ある日京都在住の方が自宅でしば漬けを漬ける動画に行き当たった。しかも乳酸発酵させている。 な