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【日本全国ローカル梅】#2 おばこ梅(山形県酒田市)~種離れよくすっきり味の山形色白美人梅

「おばこ」という方言をご存知だろうか。秋田育ちの私は民謡「秋田おばこ」をはじめ地元で聞き慣れた言葉だが、元々山形の庄内地方から来たらしい。未婚の娘、だいたいは十五~十八歳くらいの娘を指して使うことが多いようだ。
その「おばこ」を名に冠したローカル梅が、山形県酒田市にある。メルカリのとある店舗で見付けて購入してみた。

もぎたての青梅

すべすべの果実肌が真っ先に目に入る。まだ青梅だが「色白美人」という言葉が瞬時に頭に浮かんだ。日照時間が短い山形や秋田でよく見る、色白のきめ細かなもっちりお肌の娘さんみたい。確かに「おばこ梅」である。

加えてオリーブのような中粒でやや細長い形も特徴的。やはり梅干しにはやや青すぎる気がしたので数日追熟させてみた…のだが、経験の浅い私はここで判断を誤った。水分量の多いみずみずしい梅を、新聞紙等できちんと覆わずざるに広げて放置したため、黄色くはなったが乾燥がどんどん進んだ。せっかくのすべすべお肌に細かなちりめん皴が…。もったいない。

届いた時点では900g弱。その分乾燥してしまった

重量も乾燥分だけ目減りしてし、しょんぼりしつつ梅干しにするため塩漬けした。2つに分けて塩分8%と10%を試す。

少し赤いのは呼び梅酢を使ったから

約一ヶ月塩漬けした後天日干しに進んだが、やはりここでも十郎梅と同じ事態が…。低塩で漬けたためか、一部白い糸のようなものが発生。カビではなさそうだ。もしかして酸膜酵母??とりあえずホワイトリカーで洗ったが、天日干し後もなんとなーく目立つ、皴に沈んだ白い跡。

干し始め
三日間干した後。白いのが気になる

心配だったので白さが目立つ8%の方は天日干し後にしそ漬け(市販の赤梅酢と自分であく抜きした赤紫蘇使用)し、比較的きれいな10%の方は梅酢(この梅から出た白梅酢)を少量加えて寝かせることにした。

赤梅酢とあく抜きした赤紫蘇を加えたところ

それから半年近く経ち、現在のおばこ梅(白干し)の見た目はこんな感じ。大分色も落ち着き、梅干しらしいルックスになった。

お弁当やおむすび、外出のお供に愛用中

追熟下手で皴っぽい見た目になってしまったが、しかし!私は声を大にして言いたい。おばこ梅の梅干しは美味しい。驚くほど種離れがよく、すっきりと濁りのない味わいで美味しいのだ。「味が良い」という感じの美味しさ。酸味もまろやかだし、とにかくこのすっきり感は他に類を見ない。梅干しがこれだけクリアなので、本来おそらく梅酢も濁りなくきらきらと美しくできたはず。つくづく私が下手でごめんよおばこ梅…。また入手する機会があれば、次こそは美人のまま漬けてあげたい。

調べた限り、おばこ梅は生産量が少なく、山形県内でもあまり見ることはないようだ。生産地近辺へ行けば梅干し買えるのかな?
今度酒田へ行ったら探してみたいところだが、酒田ってローカル梅の産地なんですよね…(今後扱う予定のローカル梅が複数)。もしかして梅の収穫期に直売所等へ行けばいろんな品種が買い放題だったりするのだろうか。考えただけで夢のよう…
ですのでもし、おばこ梅に出会ったらそれは幸運🍀ぜひ手に取って、味わってみてください。

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