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住育つぶやき30 家を小さくする技術(げんちく)

皆さんは、減築という言葉をご存知でしょうか。

家の「増築や改築」を聞いたことがある方は多いでしょう…平屋を2階建てにしたり、一階に部屋をふやしたり。それの逆をする建築です。2階建てを平屋にする、一部解体して小さくするといった方法です。

どんな場合に選択肢として検討できるでしょうか?


●第二の人生(社会背景)を考えた減築

家族構成が変わり…部屋が余ってくる。子どもたちが進学や就職をきっかけに一緒に住まなくなる…そして独立し夫婦二人だけになる…よくある話ですね。

少子高齢化社会と一緒に増えてくるのが、一人暮らし=単独世帯、高齢単独世帯ではないでしょうか。

人生100年時代と言われますが、家族構成が常に変化し社会背景からも…広すぎる家の掃除や維持管理は、住む人にとって大きな負担となります。

かなり広すぎる家では、先々メンテナンスにかかる維持管理費と、減築してスリムに暮らす維持管理費に差がでてくるかもしれませんね。

また…先々の家の処分、解体更地、売買や賃貸などをどうしていくかについても、御子息や相続人を含めての現実的課題ですね。

ライフスタイルや人生計画にあわせて「減らして暮らす」という選択肢も、専門家と一緒に検討可能ではないでしょうか。


●居住や避難の安全を高めるための減築

自然災害…特に地震では、2階建ての家は過去にどんな壊れかたをしたでしょうか?

過去発生起きた地震で壊れた家は、2階部分が1階部分を押しつぶして壊れる建物被害や人的被害が見られています。実物を実際に揺らす各種実験においても、上と下の階の中間が破損し、2階が1階をつぶすような壊れ方を学んできました。

一度避難をした家に戻ってきたらなるべく…
平屋部分か2階部分に居たほうが、
余震で家が揺れ動くことを考えれば、
危険性が少ない…
のような表現される方もいます。
2階を減らして平屋にするという施工も可能です。


●居室環境を改善するための減築

細長い敷地に建つ家では、減築で一部を壊し「中庭をつくる」ことで、風通しや日当たりを改善しながら、湿気対策をはかることもできます。

例えば…町家などは、表通りに面した間口が狭く、奥行きが長いため、中庭がよく作られていますね。風通しを良くして涼しさを得たり暮らしの知恵です。



●構造は気にして下さいね…

急に専門的なお話しをします!
増築でも減築でも、足す減らすに伴う構造の検討や裏付けは重要です。
ともすれば…新築の構造検討よりも大変なことを私は経験済みです!下記でどうぞ!


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