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【雪と家】屋根に出来る雪庇

●雪庇は自然現象

雪庇とは「せっぴ」と読み、

①降雪が続くことで
②屋根の軒先や端に
③雪がはみだして
④ひさしのように出来る
現象の事です.


冬になり、まとまった雪が降る
地域で見られます.
あまり降らない、めったに降らない
地域では見られません.
雪か多ければ多いほど比例して、
雪庇も大きくなる傾向があります.

さまざまな雪庇例


●雪庇が出来やすい屋根の特徴

降った雪がすぐ滑り落ちてしまうような
急角度の屋根ではほとんど見られません.
屋根から雪が落ちずにたまっていく場合
において、雪庇が出来やすくなります.
具体的には
・角度が緩く、雪がなかなか落ちない屋根
・雪止め金具が付いた屋根
・雪が落ちない屋根
 (陸屋根・無落雪屋根・スノーストッパー等)
で出来やすくなります.

雪止め金具が付いた屋根の例
無落雪屋根の例
スノーストッパー屋根の例



●雪庇は何故できる?

雪は落ちなければだんだん積もります.
積もった雪にまた雪が降ると
垂直に積もるだけでなく、
きのこ状上にどんどん広がって
積もります。
だから屋根からはみ出していくのです.

雪の積もりかた



●雪庇が出来やすい方角

雪庇は、東西南北全ての方角に
できるわけではありません。
立地場所の風向きが影響するからです.

西から東に風が多く吹く地域では
雪も西から東に流れて降りやすくなる為、
風下側である東側に
雪庇が出来やすくなります.

西から東へ風が走る地域での、雪庇発生イメージ


●雪庇を放っておくと···

屋根雪が積もったまま、
その雪庇をそのまま放っておくと
日々の天気や気温でいずれ
自重で落下します.

屋根からはみ出した雪庇の部分だけ
ドスン!と落ちます.

その威力はあなどれず、
真下の人、建物の設備、塀、樹木などに
直撃すると事故や破損が起きるほどです。

雪庇落下で破損した木製フェンス

また、雪庇が出来る側の屋根周辺において
電線やアンテナがあると、破損や
断線に繋がった事例もあります。

雪庇落下でアンテナが折れた事例

雪庇が大きくなる前に落としておく
などの注意が必要です。


●雪庇を落とすには?

自然現象を防ぐことは出来ません。
方法は大きく2つ.


まずは、人力で道具を使って落とす方法.
ホームセンターなどで
「雪庇切り」などの名称で売られています.
伸縮できる棒上の先に、部品がついていて
地上から手作業することができますが、
男性でないと難しいと思います.
一方で、屋根に上って雪下ろしする際は
雪庇ができている屋根方向の作業は
特に気を付けてください.
屋根に上がってしまうと「雪庇がどこから
出来ているのか」全くわからなくなるからです.

道具を使って人力で雪庇を落とした様子


もうひとつは、装置を付ける方法
・雪庇ができにくい部材を屋根に付ける
・雪庇ができる軒先に電気ヒーターを付ける
どちらも
前もって、及び、後付けでも建築的に設置
することができます。

但し、装置を付けたい場合でも
雪庇ができる屋根の位置、形状などによって
装置設置が勧められないケースがあります.

前もって専門業者に問い合わせ、
設置する効果があるかどうか
検討する必要があります.
ご注意ください.

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