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君の名はチャリンコ

高校生の三好君たちは放課後、自分の自転車と二人乗り自転車で歩道を走っていました。


すると、歩道沿いの定食屋の前で、定食屋から出てきた在日中国人の大人と彼らが運転する自転車が衝突してしまいました。驚いた定食屋から、同じく在日中国人の大人数名が出てきて、三人の同級生を囲んだそうです。

その在日中国人の大人たちは少し酔っていたのか、運転していた三人に激怒し始めました。

ますます激高してきた彼らに恐怖を感じた三好君たちは、なんと「私たちも同じ在日中国人です」と言ってしまいました。その言葉に対して、在日中国人の大人から「じゃあ名前を順番に言っていけ」と返されました。
焦った三人の同級生のうち一人は、定食屋の入口に掛けてある「営業中」の札を見て、なんと「ボクの本名はエイギョウチュウです」と名乗りました。



次に二人目の同級生も機転を利かせ、「営業中の反対は準備中」と瞬時に考え、口に出た名前は「ジュンビーチュウです」と答えました。

しかし、三人目の三好君は思いつかず、片言の日本語で「チャーリンコー」と答えてしまいました。

すると在日中国人の大人たちは激怒し、「なめてんのかぁ」と怒り出しました。結果、三人はボコボコに叩きのめされたのです。

翌日、顔が腫れた三好君が教室にやってきて、この一部始終を話してくれました。この話は笑いを誘うドラマチックなエピソードでした。

大阪では自転車を「チャリコ」と言いますが、三好君たちが悪いのは自転車で歩いている人にぶつかったことです。でも彼らがボコボコにされたのは、真面目にふざけたことを名乗ったからに違いありません。

そんな三好君とは小学生の時から同じ学校でした。
確かに小学校の先生から漢字の「音読み」と「訓読み」を学びましたが、まさかこのようなシーンでつかうとは思いもしませんでした。

漢字の音読みと訓読みを使うどころか、漢字の言い回しを変えただけだったのです。このことにすら三好君が気づいていないことが少し恥ずかしくなりました。
しかし、こんなに面白い三好君は私にとって大切な友達の一人です。

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