リスキリングって何で必要なの?のお話
最近、「リスキリング」なる言葉をよく耳にするでしょう。なにそれと思った方も、今やろうと思ってたのに!と思った方も、よろしければ読んでいってください。
リスキリングの定義
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
近年では、特にデジタル化と同時に生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキル習得を指すことが増えている。 (経済産業省 審議会資料より抜粋)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf
リスキリングがなぜ必要か?
最近、DXとかRPAとかAIとかchatGPTとかなんか色々ありますでしょう。色々新しい用語とか技術とかどんどん出てきていますが、それについておわかりになりますか?
ちなみにですがDXはデラックスじゃないんですよ。「デジタルトランスフォーメーション」と読みます。今さら聞けないと思っていた方もいるかもしれないので念のため。経済産業省が出してる定義は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」ということらしいです。つまり、「デジタル技術をもっとビジネスに使って発展していこうぜ!」ということですね。
「chatGPTによって奪われてしまう職業ランキング」とかいう記事も出ていて、あんまりよくわかってない私たちは戦々恐々の状態ですよね。え、この先、私の仕事どうなっちゃうの?って思っている方もいるのではないでしょうか。ちなみにRPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、事務作業の自動化しちゃうらしいです。機械にやられちゃったら事務作業やってる私の仕事はどうなるの?と思いません?
どんどん新しい技術が出てきて、自分が必要とされなくなるかもしれない。その新しい技術がなんなのかも理解できないし、どう対応したらいいのかわからない…これってこわくないですか?
スキルを獲得するということはどういうことか
ところで「こわい」という感情は何が生み出しているのでしょうか?そうですね、私たちの心が生み出しています。そしてなぜ生み出されるかというと「わからない」からこわいのです。暗闇がなぜこわいのかというと「何も見えない」からこわいのです。何も見えず、足元に何があるかもわからないし、この暗闇の出口もわからない、いつここから出られるのかもわからないし、一歩前に進んだらもしかしたら崖から落ちてしまうかもしれない、すぐ近くに何者かが潜んでいるかもしれない、目を開けていてもこわいし目を閉じていてもこわい、この先何があるかわからないのがこわい。
でも暗闇の中だったとしても、隣に親友(または恋人、頼りになる人)がいて、その人が手をつないで「こっちだよ」って言ってくれたら少し心が軽くなって勇気が出てきますよね。
「スキルを獲得する」ということは、この親友(または恋人、頼りになる人)を自分で獲得することに近いです。技術革新著しい、先の見えないこの世の中で、スキルと手をつなぎ、勇気を持つことです。
リスキリングで得られるもの
世界経済会議(ダボス会議)の「リスキル革命」というセッションで「第4次産業革命により、数年で8000万件の仕事が消失する一方で9700万件の新たな仕事が生まれる」と報告されました。
リスキリングによって、この「新たな仕事」を手にすることができるのです。一方、今後の社会で生き残れるスキルを持たない人は「仕事が消失」するおそれがあります。
さきほどお話したRPAで「自動化される作業」をしていた人は仕事がなくなるかもしれませんが、RPAを「操作する側」になったらどうでしょう?新たなスキルを手にすることで、新たに仕事が手に入りました!
自分の仕事がどういうもので、今後どうなっていくのか、この機会に向き合ってみてください。
どこでリスキリングできるの?
「必要なスキルを獲得する/させること」と定義されているように、自分で主体的に獲得すること、企業が従業員にスキル獲得させるための研修等を行うことが求められています。ご自身の所属している会社でリスキリングの機会があれば勇気を出して一歩踏み出してみましょう。新しい自分と明るい未来が見えてくるかもしれません。
会社でリスキリングの機会がない場合でもあきらめないで!独学でできることはたくさんあります。ネットで調べれば勉強サイトが出てきますし、スマホで勉強アプリが入手できます。本屋さんに行けば書籍が売っていますし、電子書籍もあなたの味方です。スマホがあればどこでも手軽に本が読めますね。
もし資格の学校に通われるとしたら教育訓練給付制度というものがあり、いくらか返金されますので利用したい方はご確認ください。ちなみに私はキャリアコンサルタントを取得するときに利用していますが、講座の受講で50%返金、試験に合格するとさらに20%返金で、合計70%の返金がありました。
何をリスキリングすればいいの?
デジタル中心にお話ししていましたが、デジタルじゃなくてもいいのです。先日、伝統工芸品のお店で、外国人のお客さんに英語で接客する店員さん(推定60代)をみましたが、そういったこともリスキリングにより可能になります。英語というスキルを手に入れたことで、外国人のお客さんを獲得することにつながります。もしかしたらその接客を気に入ってくれた外国人の方がリピーターになってくれるかもしれません。
DX、AI、プログラミング、データサイエンス、統計学、マーケティング、英語…現在の業務とかけ合わせると良さそうなものを選んでもいいですし、関係なさそうでも学んでみたら意外といいかけ合わせになるかもしれません。興味のあるものにチャレンジしてみてください。
抵抗がある方は、いきなり業務とかけ離れたことを勉強するのではなく、ExcelやWordが苦手な場合は、まずそこから勉強してみるとよいかと思います。業務効率化につながって自分の時間も増え、勉強する習慣もついていることだし、リスキリングにも着手しやすくなるのではないでしょうか。勉強は習慣なので、一度習慣がつくと他の勉強に対するハードルも下がります。
でもそれって自分にできるのかなと思ったら
最初から大きな目標を掲げるから「できないかも」と思うのかもしれません。毎日ひとつひとつ、少しずつ少しずつでもいいから新しいことを学んでいけばいいのです。毎日10分勉強すれば1週間で70分、1ヶ月で300分(5時間)、1年間で3650分(60時間50分)です。でも毎日0分だと1年でも0分。3650分勉強した人と0分の人、どちらのほうがスキルが身についているでしょうか?
まとめ
リスキリングとは暗闇に差し込む一筋の光であるということをお話ししました。暗闇に差し込むのは一筋でなくてもよく、光はいくつあっても良いですし、いくつかあるとより明るい未来が見えるかもしれません。雲間からは筋でしか見えない光も、雲の上に出ればそれはそれは明るい世界が待っています。努力次第で雲の上に出ることもできるし、雲をあやつることもできるかもしれませんね。それではまた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?