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値下げしないで自分の時間を守ることの大切さ

この記事では、値下げに応じてはいけない理由と、値下げしないためのアイデアを紹介します。


そもそも新規のお客さんから久しぶりにしつこい値下げを要求されました。
「安くしてください。」
「簡単だからいいでしょう。」
「今後も付き合いをするからいいでしょう。」 と言われました。

ゴリゴリの値下げ要求をされるのは、私が若い時に放送関係の企業から仕事を受けて以来。
そのときは、広告バナーの制作だったかな?
納品した後で、同じようなトーク内容で値切りを要求されました。あれから20年。なつかしい。

値下げ要求は、美容師に「ちょっとだけ髪を切るだけだから、少し安くして」と言っているようなものです。しかし、髪の長さは違っても、予約に応じて席を確保して、ヒアリングして、時間を使って対応をする手間は変わりませんよね。
また、美容師に蓄積した技術や知識を使って対応する必要があります。

もちろん、あらかじめ値下げのプランを用意しているのなら、プラン通りに値下げするのは問題ありません。

しかし、値下げ要求については、経営者としては絶対に応じるべきではありません。それはなぜでしょうか。

経営者の最大の資本は、時間

値下げに応じてはいけない理由は3つあります。

どの事業でも毎月の売上げ目標額があるはずです。
値切り交渉に応じてしまうことは、余計に売り上げをあげる必要が出てきます。

単純に考えて忙しくなってしまうのです。

「私は職人となって神がかり的なレベルに近づきたいので、食えるくらいあれば報酬はいくらでも構いません」と言うのなら、それも人生戦略ですのでとめません。

しかし、仕事以外にも様々な経験を積み楽しみたいと考える経営者であれば、値切ることは、そうした時間を削ってしまうことになるのです。

「じゃあどうすればいいんですか?」という問いには、この記事の後半で答えます。

やる気がそがれてしまう弊害

値下げに応じたことで、その仕事に対する熱意が冷めてしまうことがあります。
これも値切りに応じてはいけない理由です。

値切り交渉は、取引先から「その仕事は値段相応の価値がない」と言われることでもあります。

価値がないというなら、他のところに行ってもらいましょう。

「1円でも払ってもらったのであれば、仕事をやり切るのがプロだ」という声もあります。
私は、行き過ぎた曲論であると考えます。
そもそも経営者としては、1円しかもらわない契約をしてはいけません。

経営者には、事業が成り立たないような無理な仕事の仕方をしてほしくありません。

マイビジネス経済圏に入ってほしくない人と仕事をしてはいけない

3つ目も大事なことです。

「PayPay経済圏」、「楽天経済圏」という言葉があります。
その言い方には好き嫌いがあるかもしれませんが、これはお客さんに繰り返しサービスを利用してもらう仕組みです。

小さな経営でも、一度買ったお客さんにファンになってもらって、繰り返しサービスを買ってもらえる仕組みを作ると、事業は安定します。

よくある方法は、メルマガや、LINE公式を通じて新サービスの案内をしたり、コミュニケーションを図るという方法です。

いわば、「マイビジネス経済圏」です。

マイビジネス経済圏では、案内もコミュニケーションも楽しいものにしたい。するべきです。
それであれば、そこに入ってほしくない人と事業をやってはいけません。

「そうはいっても値切りに応じないとやっていけない」という人へのヒント

「仕事が不安定なので、きた仕事は安くてもなるべく受けたい。」
という気持ちも分かります。

経営は、経営者自身のメンタルとの戦いでもあります。

対策としては、長期戦とはなりますが、値下げに応じない、むしろ値上げしていけるように自分の事業を持っていきます。

あなたでないと頼めないと言われるビジネスに成長させていく必要があります。

良い指針として、石原明氏が『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』という書籍に書いていた内容を紹介します。

石原明氏の教え: 「値上げ」の秘密

値段の付け方に困っているなら、『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』からは学ぶことがたくさんあります。
どうやって値上げをすればいいかを指南する書籍ですが、その中から一つ紹介しましょう。

一般的に「価値」というものは14の項目に分けられています。
その項目をは次のとおり。
1:手間暇をかけている
2:数が少ない、めったにない、作れる人がほかにいない、育つまで時間がかかる
3:専門家がいる、選んでいる
4:長い歴史を持つ、代々続いている、それを保証している文献や歴史上の根拠がある
5:上位の人、歴史上の人や有名人、著名人が愛用している
6:ネットで流通していない
7:実際に行ってきた、見てきた、世界の裏側など遠くまで行って取ってきた、持ってきた
8:特許がある
9:開発の秘話があり誰もが驚く
10:裏付けを「○○」がしている、世界を代表する研究機関「○○」が認めている
11:長年使っても劣化しない
12:何万回もテストしている
13:メンテナンスの保証がすごい
14:緊急時の対応が突出している、ほかでは決して真似できない

このどれか1つ、もしくは複数のことができれば、差別化ができます。

14の特徴は、簡単ではないこと、時間がかかることが共通しています。専門性は勉強でも身につけられますが、根気がいることばかりです。
だからこそ、経営者は時間を大切にするべきで、受託業務ばっかりで1年を過ごすわけにはいきません。
普段の事業から距離を置いて、ゆっくりアイデアを考える時間も大事な経営活動です。

その時間を作るために、値切りに応じないことが重要です。

自分の時間を守ることが成長への鍵

もちろん生活と事業を続けていく売上を確保する必要がありますが、簡単に値切りに応じないことが、将来の成長への投資になります。

値切りに応じることは、短期的な利益かもしれませんが、長期的には自分のビジネスを犠牲にすることになってしまいます。
事業の価値を高めるためには、時には「いいえ」と言う勇気が必要です。


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