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3年前に植えたものを収穫する90歳から学ぶ

87歳で山椒を植える

知り合いのおばぁちゃんが、今年、山椒を初収穫した。御年90歳。3年前に植えたのだそうだ。
山椒の実は収穫したあと透明のフードパックに詰めて市場に出す。
一度に約200パックほど出荷して3万円~4万円ほどになる。週2回出荷するので1カ月24~30万円の収入になる計算だ。
90歳、1カ月でこの売上を立てる!ご立派である。
貯えも年金もおありなのでお金目的ではないのだが、とにかく「楽しい」とおっしゃる。動いてないと具合が悪くなる、と(笑)
日の出とともに起きて収穫をする。早く起きなきゃというのではなく、遠足に行く前の子どものようにワクワクして早くから目が覚めるのだそうだ。
山椒の実は小さくて軽く、木もそれほど高さがないので、収穫作業自体はさほど力仕事ではない。が、しかし、200パック分20kgである。おそらくまる1日もしくは2日にわたって収穫されている。さらに、そのあと等級分別、パック詰めだ。根気の必要な作業。とにかく感心するのみである。

新事業、起業マインドのヒント

ご主人が存命の頃は一時期農業もしていて、もともと野菜づくりは好きだったおばぁちゃん。九州ではお馴染みの高菜を自分で栽培し、今でも年間100キロ近く漬物を作っている。これは商売ではなく身内や友人知人にあげているそうだ。
そんな日々を送っていたが、87歳の時に、「山椒が市場でそこそこの値段で取引されている」ことを知り、近隣地域で山椒を栽培している人に苗のことや育て方などを聞き、自分の意志で植えた。
もちろん収穫できるのは3年後だと知りつつ。
すごいな、と思った。3年後自分が生きているという確信が(^ ^;
それにしても、選んだ山椒は、鹿やイノシシの被害が少なく(香りの強いものは嫌いのようだ)、日頃の手入れが楽で、小さくて軽くて、市場価格が高め。
狙いが素晴らしい。
綿密な事業計画を練らずとも、無理な資金調達をせずとも、人員を抱えなくても、出来ることからすぐに始めて成果を出す。
独り起業、個人事業主、フリーランス。最近増加中だけど、ここに優れたお手本がありましたぞ。
時代の変化が速く激しく、弊社としても何か新規事業をと考えていた矢先、このことは大変参考になりました。おばぁちゃん、ありがとう。

人生初「山椒の佃煮」を作ってみた。3回ゆでこぼししたけど辛い。しみる、いろんな意味で(笑)



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