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朝の10分作文✏️異様に惹かれるもの

 それは、小さい時に母親に読んでもらった
『はらぺこあおむし』や、
今やミッフィーちゃんの愛称で呼ばれているが
タイトルは『うさこちゃん』のシリーズに出てくる
洋梨だ。

🍏

 洋梨。食べると、
べったりとか
まったりとかの形容詞かできないので
良さがうまく伝わらず心苦しいのであるが、
前述の鴨肉に似た舌触りとは裏腹に、
シャリシャリ感ともサクサク感とも言い難い
爽やかな歯応えがある洋梨。

 小さい頃はこの青果に縁がなかった。
 最近は新潟などが、生産に力を入れていて
ナマモノとして目につくことが多くなった、
気がする。
 単にウン十年前から、
親が選ばなかっただけかもしれないが。

🍏

 私にとって洋梨は、
絵本や静物画の中だけの、
遠い異国の果物だった。
 そして、別段
食べたいとも、
なんとも、思わなかった。

 切りにくい洋梨。
食べると美味しい洋梨。
 何に惹かれるかと言えば
味以上に、その切りにくい形に惹かれる。

 なに、あのあのへんちくなかたち!
見慣れないのでそのように思ってしまう。

マグリットの洋梨さん 「ルネ・マグリット 不思議の国のアリス 1946年」

 洋梨がお家にあるだけで
自分がオサレなヒトになった
気分になってしまう。
 ぼんやりした憧れの、
滑らかなゴツゴツ感と
手のひらに感じるずっしり感。
 見ても楽しいし触れてもいい。
香りも味も食感も全部好き。

 花より団子。
もしかしたら私は、
切花を飾るよりも、
ずんぐり、むっくりした洋梨を飾った方が
心持ちが晴れる特殊タイプかも
わからない。
 もうすぐ洋梨の季節である。

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