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本は遠くの場所と未知の冒険への案内者

数日前の「クレタ島の偶然」という投稿に、村上春樹さんの「東京奇譚集」という本が登場しました。
この「クレタ島の偶然」という投稿は、昔書き留めていたエッセイのような日記のようなものがあったので、それを肉付けして書きました。

東京奇譚集を読んだのは随分と昔で、物語の内容は忘れていました。久しぶりに読んでみよう、そう思い立って本日久しぶりに読みました。

読み始めると、あ〜こんな感じだったな、物語のあらすじは忘れてるけど、全体の雰囲気というか、空気感は覚えていました。

数ページ読んだところで、私の頭の中に、ある景色が鮮明に現れたのです。

そこは、東京都町田市のカフェ。同じビルにディスクユニオンが入っており、私はそのカフェで本を読んでいるのです。テーブルの上にはコーヒー、テーブルの脇にはディスクユニオンの袋が置いてあります。
私は村上春樹さんの「東京奇譚集」を読みながら、ジャズの世界も覗いてみようかな、まだ早いかな、なんて自問自答しているところでした。

このカフェは特に思い入れのあったわけではなく、よくディスクユニオンにCDやレコードを買いに行っていた関係で、このカフェは何度か利用したこととがあったくらいでした。

大学生の頃の記憶なのか、卒業後町田に遊びに行った時の記憶なのか、そこは曖昧ですが、12〜16年前の記憶ということは間違いありません。

今まで一度も思い出すことはありませんでしたが、「東京奇譚集」を読んで私の頭の中に、この記憶の風景が鮮明に思い出されたのです。

そういえば、そこで読んだのが東京奇譚集だったな、そう思うとなんだか懐かしい気持ちになりました。

本は私たちを遠くの場所や未知の冒険へ連れて行ってくれます。
物語の世界、そして、本を読んでいた時の心地よい時間と場所へ。

そして、その瞬間瞬間が、私たちの心に深く刻まれるのですね。




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