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Mr.Children/LOST

大好きなミスチルの最新アルバム「miss you」。
このアルバムは全体的に暗めの曲たちが集まっていると感じる。
その中でも私の心に響く曲。「LOST」。

アルバム発売前のCM等でも使われていた曲で、メロディ(特にサビ)は明るく爽やかなものとなっており、よく歌詞を聞くまで暗い内容とは気づかなかった。
この明るめのメロディと対照的に出口のない絶望感を一貫して突き通した歌詞のギャップが、この世の無情を憂い人生を諦めた者の悲壮感をリアルに訴えかけてくる。きっとこういう感じて生きている人は多いのであろう。

「くたびれた顔してるな」って
顔を洗う度思うんだ
鏡なんて無くていいや
こんな自分を もう見たくない

掴んだ光さえ
歪んで闇に消えてった
取り返せもしないで
また今日も立ち尽くしている

良いことがきっとあるよって
前を向いて歩いて来たっけ
子供達になんて話そう
生きる意味や未来を

願いや祈りだって
腐って床に飛び散った
誰かを傷付けたり
その度 怖くなってった

Mr.Children/LOST


大体ミスチルの歌詞は2番まで暗い内容だが、そこから盛り上げていき、最後の大サビで「まあ色々あるけど、足元に目を向ければ幸せがあるはずさ」的な救いを見出してくれるものが多い気がする。しかし、この「LOST」は最後まで救いは見えない。最後まで絶望。絶望を抱えたまんま、生きていくしかないのさ。そんな世界です。っと言わんばかり。なのにとにかくサビメロが爽やかで明るい。ここが気味が悪いというか、諦めの境地を見事に表現していると思う。そして「食らったあああ・・・」と思ったのが、大サビに入る前の歌詞。特に「年老いた2匹の犬」。ただの犬ではなく、年老いた犬。この犬だって、そう長くは一緒にいてくれない。そこにも絶望を漂わせる歌詞に、やられてしまった。

尖った分 その痛みが
走った分 その衝撃が
自分に返って来るから
星でも眺めて暮らしていたい
仕事終わりに飲むビールと
年老いた2匹の犬が
僕の帰りを待っている
それだけで良い
それだけで良い

放った光さえ
歪んで闇に消えてった
取り返せもしないで
また今日も立ち尽くしている

真っ直ぐな想いだって
捻じ曲がって伝わっていった
やり直せもしないで
また今日も立ち尽くしている

立ち尽くしている

Mr.Children/LOST


絶望しかない世界をどう生きるか。
それは、その事実を受け入れ諦めること以外にないのかもしれない。
そんなことを思った。

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