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【乳がん10年記⑨】手術後の治療の選択

前回、がん告知を受けたことをご報告しましたが、そのあと先生から検査結果の説明がありましたので、今回はそのことをお伝え致します。

【当時の私に一言】
・全てには陰と陽があるんやで。光の方ばかりを見て生きることはできへんねんで。
•『 病気』は『気の病』と書くけど、目に見えない『気』って大事やな。

病理検査結果

術後10年以上たち、私は初めて検査結果を普通に見ることができました。

乳がんは他のがんと違い10年は再発のリスクがあるとされています。10年間見なかった理由は、この検査結果を見ると、当時のことを思い出しますし、再発したらどうしようという不安もあったからだと思います。

•しこりの大きさ:2.1cm
•核異型度(がんの顔つき):グレード3
•リンパ節転移:あり ※但し、0.1mmなので生命予後には影響しない
•脈管浸潤:なし
•女性ホルモン受容体:あり
•HER2発現:なし
説明時、先生が記入してくれた内容

この結果を受けて、
どの治療を受けるかを選択します。

とりあえず、手術前からの説明にあったように、
乳房の部分切除と放射線治療はセットですので、それを5週間受けるのは決定事項。あとホルモン療法を受けるのも決定事項に。

未決定事項が、
抗がん剤治療を受けるか否か。

それを決める際の有用な検査として、遺伝子検査【オンコタイプDX】を紹介してくださいました。これが保険適用外なので、かなり高く、40万超とのこと。

先生の話を聞いてはいるものの、頭の中はぼーとしていました。

前回もお伝えしましたが、万が一、ガンであったとしても、手術だけで済むと思いこんでいましたので、抗がん剤治療やホルモン療法という話をされても、私の耳に全く入ってきませんでした。

「先生、のう胞内腫瘍の場合、手術だけで終わるのではないのでしょうか。」

その質問に対し、先生はこう答えられました。

「リンパ節転移が少しではありますがあったので、手術後の治療も必要になります。」

「えっ」

ようやく、私はここで事態の重さを理解したのです。

今までは、乳がんを他人事のように捉えていて、手術が終われば全て元通りになると思っていたのでした。

全てには陰と陽があるのに、陰が差し掛かってくると、私は光を追い求めて陰を見ることは決してしてこなかったのです。これは、病気に限ったことではなく、これまでの人生を通じて。
私は向日葵のように、太陽が向く方向にいつも向きを変えて生きていました。

ですが、この度は、私の四方八方どこにも光が差し込んできませんでした。

私は、自分が癌であると認識し、
私から笑顔が消えました。

私の人生は…。自然と涙が出てくる日が多くなっていました。

『 病気』は『気の病』と書きます。また『病は気から』という言葉もあります。『気』は目に見えないものですが、心の持ちようで、見え方考え方全てが変わっていきます。

私は病名を聞いた途端に、がん患者になっていました。
手術前の体内にがん細胞があった時は、自分がガンに罹患していると思ってないので、病人にはなっていなかったのです。
手術でがん細胞が全て取り除かれたのに、がん告知を受けた後は、病人になってしまい、周囲の人から気をつかわれていると感じました…。


抗がん剤治療をするか否かはすぐに決める必要はなかったので、まずは、行うことが確定している放射線治療を受けました。次回、「放射線治療を受ける」にて。


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