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閑話休題「卵油の話し」

いきなりですが「卵油(らんゆ)」ってご存知でしょうか?

見た目は真っ黒なドロドロとした液体です。更に匂いも最悪で味もひどいもんです。

でも体にはとても良い伝統的な健康食品です。

私の実家は田舎で養鶏に関わる仕事をしていたのですが、その関係で卵がいつでも沢山ありました。関係する養鶏農家さんからどっさりいただく事が多かったからです。

卵という食品は常温保存が効きますので、多めにいただいてもそこら辺に積み上げておいて冷蔵庫が空になればそこから補充する感じでいつも消費していたのですが、食べ盛りの子供が居なくなるとその消費量といただく卵の量が釣り合わなくなり、どんどん溜まっていく様になりました。

それで父と母がある日突然卵油を作り始めたわけです。

ご存知の方も多いと思いますが、卵油は昔から心臓の薬と言われていますし、精力剤としても抜群だと言われています。

主な成分はレシチンとビタミンEですので、抗酸化作用と血液の循環の改善については効果があると言えるでしょうね。

サントリーのセサミンEでしたっけ。そんな名前のサプリメントがありましたが、個人的には卵油の方が若返りや精力剤としては優れているのではと思います。これは両方試してみた実感です。

ただですね。この卵油を「手作り」するという事は、都会では絶対にやってはいけません。

マンションなどでやろうものならしばらくは匂いが抜けないですし、異臭騒ぎで通報されかねません。それくらい強烈な匂いが辺りに充満します。

匂いだけではありません。出来上がる寸前の最後の方では煙がもうもうと立ちのぼります。

いくら換気扇を回しても屋内では絶対にやらない方がいいですね。

そんなわけで、私の父母も卵油を作る時は必ず外にガスコンロを持ち出して、風通しを良くした中でやっていました。

作り方はいたって簡単で、まず卵の白身と黄身を分けます。使うのは黄身の方だけです。

分けた黄身を中華鍋などに入れ、火を付けたらあとはひたすら炒りつけ続けます。

最初は普通に炒り卵みたいになるのですが、そのまま加熱し続けると段々と黒く変色してきてそのうち煙が立ち始めます。

そうして最後に少しの液体と炭の様な固体に分離します。この液体が卵油です。

そうですね。卵30個使ったとしてコップ一杯の卵油はとれないでしょうね。コップ半分くらいが精一杯かもしれません。

これをティースプーン1杯程度オブラートに包むなど工夫して飲むのですが、そのまま直接ぐいっといく強者もいました。冒頭に書いたようにとても臭くて不味いので私には無理でしたが。

ただ、ありがたい事にソフトカプセルに包んだ状態で健康食品としてネットやお店に売っていますので、それでしたら味も匂いも気にせずに飲めます。

どうしてこんな記事を書いたかというと、最近心臓の辺りに時々うっすら痛みを感じる事があり、久しぶりに卵油を飲んでみようかと思ったからですが、そのついでに昔母と卵油を作った時の記憶が蘇ったというわけです。

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