トロミ付けのテクニックあれこれ
介護食を意識した献立を考える時に、料理にトロミ付けをすることはとても大事な要素になってきます。元々トロミを付けて仕上げるタイプの料理なら特にテクニックは必要ありませんが、普段はそのまま提供する様な料理でも、ちょっとしたテクニックを知っていれば、介護食っぽくなくトロミ付けして提供出来ます。
そこで今日はトロミについてあまりメジャーではない方法や情報も含めてお伝えしようと思います。
一番ポピュラーなものは片栗粉や小麦粉などの粉類ですね。これは料理をする方なら誰でもご存知ですし特に説明の必要もないと思います。
次に澱粉を含む野菜です。ジャガイモや蓮根などがこれにあたります。ジャガイモも蓮根も摺り下ろして液体に加えれば水溶き片栗粉を使ったのと同じ様にトロミ付けが出来ます。
これは知っていても実際の料理の中で使っている人は少ないかもしれません。
例えばトマトベースのシチューなどを作ったときに、最後にトロミ付けしたい場合などは便利に使えます。
洋風の煮込み料理の場合、最初に玉ネギなど野菜を炒める時に小麦粉も一緒に炒めて作る方法がポピュラーですが、これだと最初からトロミが付いた状態のスープで煮込むことになるので焦げ付きやすくなるのと、後からトロミを調整することが出来ません。洋食屋さんではブールマニエと言って小麦粉とバターを練ったものが用意されていて、これでトロミの濃度を調整するのですが家庭ではそうもいきませんね。
そんな時にジャガイモを摺り下ろして加えることでトロミ付けするテクニックを覚えておくと便利です。ジャガイモですから味の邪魔もしません。
次に卵を使うパターンです。一般的に卵とトロミを結びつけて考える事は少ないと思いますが、介護食を意識した献立を考える場合、卵は料理全体を上手にしっとりとまとめてくれる食材として頭の中に入れておきます。
例えばかき玉汁を作るときには軽く片栗粉でトロミを付けてから卵を入れますが、卵がトロミを強化してくれるので事前に付けるトロミはごく軽くにします。
また、ハンバーグの様に口の中で散らばり安い料理に半熟のスクランブルエッグを添えて一緒に食べてもらうと、トロミ液を使わなくても口の中で食べ物がまとまってくれます。
ご飯ものに温泉卵なども同じ考え方で使えます。
最後に「ネバネバ食材を使う」です。
例えばオクラ、メカブ、モロヘイヤ、山芋などの野菜や納豆などの加工食品も頭に入れておきます。加熱して使うならチーズもここに入れていいかもしれません。
こうしたネバネバ食品を入れて和え物にしたり、山芋ならトロミ液の代わりにそのまま料理に掛けてしまってもいいですし、お魚ならたっぷりチーズを載せてチーズ焼きにしてもいいですね。チーズが溶けてトロミ液の代わりになってくれますし、カルシウムも摂ることが出来ます。
以前別のコラムでも紹介しましたが、トロミ調整剤を使ったトロミ付けはいくら誤嚥を防止する目的であっても料理の食感を悪くしますのでなるべく使いたくありません。
今日ご紹介した事を覚えておくと色々な場面に応用がききますので是非お試し下さい。
(元記事は食べごろclub)
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