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「”今まで”と”これから”と・・・」

”プロローグ”


入院生活、病室には電波という必須のアイテムがなく、携帯がただの時間を見る道具になってしまった。

暇なせいか昔のことを思い出した。

2年前
「君はトーク力は流石だけど、それを文にするのは苦手でしょ?文章を書くことを始めたら?」とベテラン教員(57歳)に言われた私(25歳)。「時間がある時にやろう」と始める決意をした。4月9日PM9:07

3週間目がスタートするこの生活中に、読んだ本の数は、6冊を越えた。持ってきた本は読み終えた。

することもなくなり、
時計代わりとなった携帯を開き、LINEで友人とのトークを遡って読み出した。


・不器用だけど、仲間想いで大好きな公務員の彼

・「結婚?俺には無縁だなぁ」と呟く社会人2年目だった野球オタクの彼

・ボディービルダー並みのガタイを持つ救急救命士のイケメンの彼

・語尾に”み”をつけることが生き甲斐となっていた彼

・とても信頼できて、バレーに一生懸命だった公務員の彼女

・恋愛相談を受けずっと連絡を取っていた彼女

・ボランティアで勤務地に来て、深夜一緒にドライブをした後輩

・当時、とても好きだった彼女

・高校のマネージャーで試験合格を喜んでくれた彼女

・ものすごく怖かった恩師など


遡ると、LINEには高校生から現在までの自分がいることが、たまらなく嬉しくもあり、戻れない悲しみにも襲われた。
「じゃあね」と言っても次の日にはまた会える関係から、「次、いつになるかな」と考えるようになったこと、学校という空間がその関係性を支えてくれていたのだと知った。

時間を潰すどころか熱中していた。
最近では、連絡を取ることも圧倒的に減り、思い出として残るものが少なくなったが、改めて彼らが大好きだと再認識する有意義な時間となった。
10年後にまた遡りたいから、適当なメッセージを送っておこうかな、、、


入院生活もそろそろ終わり、これからの未来を進む子どもたちに大切なことを伝える仕事に戻る。
復帰をしたら、まずはこんなことを伝えよう。
「学校という空間があるから、仲間と会う理由ができて、この瞬間を懐かしく思う日が来るから、今を大切に生活するんだよ。」と、きっとこの言葉がわかるのは10年後だろう。

その後にはいつも通り、
「全身麻酔には勝てなかったわー、次勝負する時には、、」とか「看護師さんに怒られてね、、、」なんて話をしよう。
きっと彼らは、「先生、何してるんですか、、」と、いつも通り言ってくるが、そのどうでもいい話をできる関係性がちょうどいいのだろう。


”エピローグ”

今回で、私の文章力レベルも0.1上がり
”今まで”と”これから”をもっと大事にしようと思った。

“今まで”の前十字靭帯ありがとう。
新しい前十字靭帯”これから”よろしくね。

「もうとっくに消灯だから、パソコンもそろそろ終わりです!」とたった今、話題が一つ増えた。













「結婚?俺には無縁だなぁ」と言っていた社会人2年目だった彼はもうすぐ2児の父になる。

きっと、3年前の君は想像もしていなかっただろう。
何があるかわからないから人生って楽しいね。

素敵な人生になっていることが嬉しいよ。おめでとう。


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