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#2 あこがれ

ちょっとはまってること

 最近、テレビドラマや映画のBlu-rayを買うようになった。以前だったら、録画で十分、買うなんて贅沢すぎる!と思っていたのに、禁断の扉を開いてしまったような気分だ。
 と言っても、買ったBlu-rayはまだ少しだ。3か月ぐらい買うか、止めておこいうかと悩んだうえ買った。

 今で言うと「推し」なのかな。やっぱり好きな俳優さんのドラマや映画を見ると、力が湧き出る気がする。かなりめんどくさいことも我慢して頑張った後、好きなドラマや映画を見る時間はこのうえない至福だ。特にそれが自分が好きなストーリー設定や展開だと、何回も見てパワーを貰っている。

 今まではテレビ録画を見ていたけど、録画を消去した後で見たくなったり、バラバラに録画した番組を再生するのも、編集するのも手間で時間もかかる。Blu-rayを買うのはかなり散財感があると思ったけど、特典映像も魅力的で、エイッと思い切った次第だ。


あこがれ

 先日買ったBlu-rayの一つは、かなり古いけど『ストロベリーナイト スペシャルドラマ版』。

 古って言われそう。それぐらい好きってことなんだけど。
 私は、女優の竹内結子さんの大ファンで、『ストロベリーナイト』連続ドラマ版5話から11話まで(1話~4話までは不本意にも消してしまった~)と、劇場版を録画して保存している。
 竹内結子さんの鋭くて優しい目がすきだった。歩く姿もカッコいいし、男性の部下たちをまとめ上げる姿にも憧れてしまう。見ていると元気が湧いてきて、私も強くなりたいなと思ってしまう。
 『ストロベリーナイト』の続編もみたかった。楽しみにしていた。『ミス・シャーロック』の続編も見たかったし、もちろん新作のドラマも見たかった。唯一ドラマ出演を楽しみにしていた人だった。
 でも、竹内結子さんが亡くなられてから、過去出演されていたドラマ・映画が辛くて見られなくなってしまった。


おとうと

  竹内さんのドラマが見られなくなった理由は、自分なりに想像がつく。事故死した弟のことや、昔働いていた会社のことなどを思い出すからだ。
  弟は、8年ほど前に亡くなった。崖から車ごと転落した。カーブを曲がり切れずに事故死と警察では処理されたけど、本当に事故だったか分からない。崖に向ってそのまま飛んだ可能性もある。今となっては何も分からない。分からないから、いつも心の片隅にある。なぜ?、残念、どうして、そんな言葉たちと一緒に忘れられないでいる。


魔が差す

  自死は、遠い存在じゃない。誰の周りでも、突然起こりうることだし、自分自身だって分からない。妙な気持ちがほんの少し、弱った心の隙間に入り込んで、おおわれて一瞬ですべてが終わる。そうなると自分では止められないから怖い。それが病気なんだと思う。
  竹内結子さんもドラマでは強い女性に見えたけど、実際は人間らしい人間だったんだじゃないかと思う。
  なぜ死んだの?と問いかけても、もう誰にも真実はわからない。ただ、あるのは残念な想いだけ。どんなに待っても、新しいドラマも映画もないと思うと、この事実を忘れたくて、辛すぎて、録画したドラマをそれ以降見てなかった。


今もいきてる

  コロナまん延がピークになっていた頃、録画していたドラマや映画を整理した。その時、たまたま録画していた『ストロベリーナイト』をふと見てしまった。というか、無性に竹内結子さんのあの目を見たくなったから。
  やっぱり、かっこよかった。ドラマの中で生き生きとしゃべって、怒って、笑っていた。ドラマを見た後、恒例のように元気を貰っている私がいた。
  彼女の未来はなくても、過去は変わらずある。過去の中でいきてる。変わらず素敵でかっこいい。そう思うと、過去の作品が見られるようになっていた。Blu-rayに収まっているメイキングの竹内結子さんも見たくなって、買ったしまったのだ。彼女はやっぱり素敵だった。
  弟も、過去で生きてる。それでいいと思えた。



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