整形外科医の考える新人セラピスト教育


新人教育について考えています。

今のところの新人セラピスト教育環境の問題点は、【施設によって教育方法がばらばらである】点だと思います。その施設の特徴によって、決まった方法であったり、疾患に偏りがあったり、できること、できないことができてしまいます。

『それは仕方のないことだ』と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。一つのやり方しかできないのは、その場で方法のみを学んで、その原理原則を学んでこなかった場合です。

整形外科の新人教育の場合

整形外科の世界でもやったことのない手術を『自分はできない』と投げ出す後輩を見たことがありますが、せっかくのチャンスを棒に振っています。

ここでは、『できないことをやれ』と思っているのではなく、「そのための準備をどうするか?」が大切です。

ここでは骨折の手術を例に挙げて考えます。

骨折手術における原理原則
・解剖を熟知すること
・皮膚から深部までの層構造をイメージすること
・組織の正常を知ること
・骨の整復操作を知ること
・固定方法のバリエーションとその特徴を知ること
・術後ダメージの少ない止血と閉創方法を知ること

これくらいは常識的に覚えておくことです。

どこの手術であってもこれらのことは変わりません。あるとすれば解剖くらい。ここを自覚しているかで、その後の成長スピードが変わってきます。

整形外科医の考えるセラピスト教育

セラピストの教育に直接関わることはありませんでしたが、根本となる考えは同じ様です。

Physio365というオンラインマガジンを見ているとよくわかります。

と言うか、これを見て理解するだけである程度なんでもできます。だって毎日新しいことを知れるから。

ほんとすごい。毎日だって。。。自分も頑張ろう。

知識に関しての準備はここでできます。
全部読むかもわからない余計な本は買う必要はありません。そんなもの箪笥の肥やしです。だって毎日少しずつだもん。

あとは実践です。

実際のところ施設の特徴、偏りはどうしても存在します。大きな総合病院であれば、ある程度の症例は回ってきますが、忙しすぎてそれどころでないこともあります。

医師の場合は【ローテーション&屋根瓦式】というシステムが一般的です。

・ローテーション
様々な診療科を移動しながら学ぶ。整形外科では関節、脊椎、手などの各専門チームのところを移動する。病院も1年ごとくらいで移動する。

・屋根瓦式
指導医、担当医、研修医など3人ほどでチームを組み、同じ患者さんの治療にあたる。実質対応するのは研修医であり、経験が詰めるし、相談もしやすい。

このような仕組みがつくれないかと考えると、やはり単位制度という診療報酬の仕組みが邪魔をしていると感じます。

一人で対応しないと収益がでない。。。。

この問題を何とかするため、Twitterを駆使して、いろいろな専門施設の方ととりあえずつながっておこうと考えています。そうです。プロ集団です。

自分が経験してきた道を知っている人は、その道を歩くプロであり、医師が考えるよりもより良い道を提示してあげられる気がします。

いくつかの施設間で、交換留学のような仕組みが作れればなお良し。
交流が盛んになれば、自分の合う合わないをもっと考えることもできるし、適材適所で人材配置ができるようになる。

将来的には、産後の復帰や育休明け、病気などの理由でフルで働けないセラピストの働き方改革にも役立てればなと思っています。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター


おまけ

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