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『成功体験』か『失敗体験』か

「成功体験が大切」という言葉の裏には「子どもたちの自己肯定感を高める」というのがあります。

自己肯定感を高める?

ではどうやってその自己肯定感を高めていけばよいのでしょうか。

  • 日頃の生活で良かったことを褒めてあげましょう!

  • テストで点が取れるように分かりやすい授業をしましょう!

  • クラスでワークをやりましょう!

  • 地域学習を増やして、地域の方と交流しましょう!

などなど、いろいろありました。
でもこれらは一つの手段(方法)であって、自己肯定感を高める目的ってそもそもなんでしたっけ?ということがあります。

自己肯定感という言葉は何だかふわっとしたところがあり、さらには個人の心の中にあるものなのでなかなか数値化して見えません。
数値化して見えないものは言語化するのも難しく、関わる大人で共通認識を図るのにネックになります。
まして、自己肯定感を高めて幸せな人生を送れるようになる、なんて言われると、「??」となりませんか?

では、どうすればいいでしょうか。
一つの方法として、最上位の目的について関わる大人たちで定義づけをしてみることです。
それぞれに考えや意見があるので、一緒になってワークしてみると楽しいですよ。

挑戦する人になる

例えば、「挑戦する人になる」というのはどうでしょうか。

日本は他国と比べて、物理的にも心理的にも「安全・安心な国」です。
極端な変革を好まない国民性、周囲に配慮した行動、そういったものも見られます。
一方で、これらがイノベーションを阻むことや、起業家が少ないこと、若い人や女性が活躍できる社会になかなかならないこと、に繋がっているとも言われています。

「昔は何もなかったからいろいろ自分で作ったり、仕事を始めたりした。何でもやってみるもんだわ。」と、高齢者の方のお話を興味深く感じました。
まさに挑戦者ですね。
そうやって頑張ってこられた方でも、自分の土地や家など財産を持つようになるとなぜか不安を抱えて生活しておられたり。
自分の生活や財産が脅かされることが心配で、周囲の人に対しても挑戦することを拒んだり…。
そんな自分を否定したくないために、挑戦しようとする人を否定してしまったり。
ついやってしまっていませんか?

でもそれは仕方ないことです。
心理学や行動経済学の分野で、ネガティビティバイアスとか損失回避という言葉で定義されています。

そうなっている自分をまずは認知しておきましょう。(メタ認知)

常に社会は変わってきている

この30年間ずっと経済が停滞している、とも言われていますが、あらためて5年前、10年前を考えてみると、そこからずいぶん生活環境が変化していることに気づくと思います。
特に近年はITの進化と普及に伴って、数年前には存在し得なかったサービスを一般的に享受しています。
5年先、10年先、あるいは今年生まれた子どもが社会で活躍するようになる20年先、どう変わっているでしょうか?

と、いう表現は間違えましたね。
正しくは、「20年先に向けて、どう変えていきたいですか?」ですね。
私たちや子どもたちが自分たちの力でどう変えていくのか、そんなふうに考えてみたらどうでしょう。
おもしろくなってきませんか?

子どもたちに何をしたらよいのか

そんな私たちが子どもに対して何がしたらよいのか、ってところですよね。一つは、大人と一緒に失敗する経験をさせてみることです。
子どもたちは本来、すすんで失敗するものだと思います。
親がダメっていうことからどんどんやってしまう経験、ありますよね。
それぐらい好奇心旺盛で、チャレンジスピリッツに長けてるんです。

ところがそこに変化が訪れます。
小学校の参観日に行くと、低学年のころは積極的に手を挙げて発言したり、⚪︎⚪︎くんのお父さんみて〜と他の子が話しかけたり、でした。
その後学年が上がるにつれてだんだんとかしこまった雰囲気になり、中学校でだいたい固まるのかな、と感じます。
「相手の嫌なことはやめましょう」という全体指示が「もしかしたら嫌だと思われているかもしれない」になり、「目立つことはやめよう」にもつながっていないかな。
「もし嫌だったら言ってね」「他にいい方法があったら教えてね」ということが自然に言える雰囲気だといい感じです。

自分一人で失敗を抱えてしまうと辛くなります。
でも仲間と一緒にチャレンジし、失敗を失敗で終えなければ、また次に挑戦していこうとするのでは?
それがほんとの「おもしろい社会を作る」ことにつながるのではないかなと思います。

大人の方はぜひ子どもたちの「おもしろい」を継続させる工夫をお願いします。
大人も一緒に「おもしろい」ことをやってみませんか。

紹介

私がこういうことを考えるきっかけを与えてくれた、二人の方を紹介しておきます。植松努さん、工藤勇一さんのお二人です。
お二人とも何冊か書籍を出版されていますので、ぜひ読んでいただけるといいかなと思います。
教育や子育てに関心がある方には、たぶん目からうろこだと思います。

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