コラム:通貨に関する3月のニュースのまとめ

=FRB(米国中央銀行)の動き=

【FRBが1.5兆ドル供給 国債購入も、量的緩和に近づく】 
【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は12日、短期金融市場に2日間で1兆5千億ドル(約158兆円)規模の追加の資金供給を実施すると決めた。短期債に限っていた米国債の買い入れも対象を拡大し、事実上の量的緩和政策の復活に近づく。新型コロナウイルスによる景気不安の高まりでドル資金の逼迫感が強まっており、異例の大量の資金供給で市場の安定を急ぐ。(引用:日経新聞  2020/3/13)


【FRB資産、5兆ドル突破 国債など連日1000億ドル購入】
【ニューヨーク=後藤達也】米連邦準備理事会(FRB)の総資産が史上初めて5兆ドル(約550兆円)を突破した。新型コロナウイルスの大流行に伴う金融市場の混乱を抑えるため、量的緩和を加速している。国債などの資産の購入額は連日で1000億ドルを超える。他の中央銀行を含め空前の規模で、金融システムの安定確保を進める。(引用:日経新聞 3月27日)

【FRB、海外中銀にドル供給 世界的なドル不足を緩和】
【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は31日、海外の中央銀行にドルを供給する緊急措置を発動すると決めた。米国債を一時的に買い入れて基軸通貨ドルを提供する仕組みで、ニューヨーク連銀に口座を持つ200以上の中央銀行や国際機関などが対象となる。世界的なドル不足を解消する狙いで、米国債の利回り低下にもつながるとみている。

FRBは日銀や欧州中央銀行(ECB)など14中銀とともに、海外の民間銀行にドルを供給する仕組みを持つ。今回は世界中の中銀を対象にドルを一時的に貸し出し、国際的なドルの供給体制を拡充する。FRBは国内外の取引窓口であるニューヨーク連銀を通じて米国債を一時的に買い入れ、翌日物のドル資金を供給する。当面は6カ月間の時限措置とする。(引用:日経新聞 3月31日)
=金(GOLD)=

【ロシア、金購入を4月1日から停止-世界最大の買い手】
 ロシア中央銀行は30日、金の購入を4月1日から停止すると発表した。同国はこの5年間、400億ドル(約4兆3400億円)余りを投じ、金保有を積み上げてきた。ロシア中銀は購入停止の理由に言及していないが、アナリストらによると、ロシアは既に大量の金を保有し、さらに買い増す必要はない可能性が高い。(引用 2020/03/31:ブルームバーグ)

わざわざ発表するところが、不自然な感じがします。

3月のニュースではないですが、以下、調べる過程で見つけたニュースです。

=デジタル通貨=

【日欧中銀など、デジタル通貨発行へ共同研究】
日銀や欧州中央銀行(ECB)など6つの中央銀行は21日、中銀によるデジタル通貨(CBDC)の発行を視野に新しい組織をつくると発表した。
CBDCの技術的な課題についてノウハウを踏み込んで共有する。米フェイスブック(FB)がデジタル通貨「リブラ」の発行を計画し、中国もデジタル通貨の発行を検討している。決済をめぐる国際的な環境が激変していることに対応し、安全で利便性の高い決済手段の確立をめざす。(引用:日経新聞 2020/1/21)

【デジタル通貨、「ドル防衛」へFRBも独自研究】
【ダボス(スイス東部)=河浪武史】日欧中央銀行がデジタル通貨の発行を視野に共同研究に乗り出す。中国も「デジタル人民元」で基軸通貨ドルに揺さぶりをかける。フェイスブックの「リブラ」は、官民の枠を超えてデジタル通貨の覇権争いに火をつけた。サイバー攻撃を懸念して「現状維持が最善」としていた米連邦準備理事会(FRB)も外堀を埋められ、独自研究に乗り出す。

「中央銀行デジタル通貨(CBDC)の知見を共有するためグループを設立した」。日欧やカナダなど6中銀は21日、国際決済銀行(BIS)とともにデジタル通貨研究に乗り出すと表明した。

欧州中央銀行(ECB)は既に「デジタルユーロ」の研究に着手しており、ラガルド新総裁は「取り組みを加速する」と表明してきた。英中銀や日銀を巻き込んで動き始めたのは、フェイスブックのデジタル通貨「リブラ」計画を封じ込め、さらには世界の準備通貨としてのドル覇権も切り崩す2つの狙いがある。(中略)

もっとも、20億人を超すフェイスブックの利用者が法定通貨からリブラに流れれば、中銀は紙幣発行で得る「通貨発行益(シニョレッジ)」の一部を失い、金融システムの維持コストをまかなえなくなる。信用力の乏しい小国は、経済政策の手段である自国通貨の流通がしぼみかねない。(中略)

CBDCの普及が進めば、家計が中銀に預金口座を直接持つような仕組みになる。中銀には「デジタル通貨上で金利を直接操作でき、マイナス金利政策などの効果も高まる」(ケネス・ロゴフ米ハーバード大教授)。ただ、民間銀行が預金を受け入れて貸し出しに回す「信用創造」は損なわれ、金融システムは激変が避けられない。FRBがデジタル通貨に後ろ向きなのは、ドル覇権だけでなく、世界の金融秩序を主導するウォール街の弱体化につながるためだ。(以下略)(引用:日経新聞 2020/1/22)

新聞もはっきり書くようになったのか、という印象です。

以下、3年前の記事です。

【特別リポート:米FRBに「裏の顔」、外国の極秘情報を提供】
米国の中央銀行制度には、海外中銀の資産を預かるという、あまり知られていない役割がある。その役割は米国に特異な恩恵を与えている。つまり、外国に関する情報源として機能しているのだ。

米財務省など米政府機関は年に数回、ロシアや中国、イラク、トルコ、イエメン、リビアなどの中銀の保有資産を分析するため、通常は機密扱いとなっている、これらの海外中銀口座を調べている、と米連邦準備理事会(FRB)や米財務省の現旧高官10人以上が明らかにした。

米FRBは、このような口座に含まれる情報を厳重に管理している。だが複数の当局者によれば、米当局は、海外の中銀と交わしたサービス契約に含まれる「知る必要」のある機密例外条項を定期的に適用しているという。

この例外条項によって、財務省や国務省、FRBの当局者は、正規アクセスがなくても、口座から出し入れされる資金の動きについて情報を集めることが可能になるという。こうした情報は、米国政府が経済制裁措置を監視したり、テロリストによる資金調達や資金洗浄(マネーロンダリング)を阻止、あるいは世界市場の「ホットスポット」の全体像を把握したりするのに役立っている。

約250の海外中銀や政府機関が、全体で3.3兆ドル(約368兆円)に上る資産をニューヨーク(NY)連邦準備銀行に預けている。これは世界のドル準備高の約半分に相当する。このサービスは「安全かつ極秘」だと、2015年のプレゼンテーションで宣伝されていた。(引用:ロイター 2017年7月1日)

以上、ここ数週間で見つけた新聞記事です。

次に、上記の件が新型コロナウイルスの流行に伴う社会の変化を挙げてみたいと思います。

*今回の新型コロナウイルスに伴う「世界的な外出制限、人との接触制限」で起こった社会の変化

・経営難に陥ると予想される業種

地方銀行、中小企業、フリーランス

・生き残ると予想される業種

大企業

・成長すると予想される企業

オンラインをベースにしたグローバル企業

・加速している動き

オンライン化、キャッシュレス化、位置情報、行動履歴の管理

ニュースと現在起こっている現象のまとめなので、解釈はあえて書きません。皆様がご自身で考えて頂ければと思います。


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