ファミラボ:プライマリ・ケア医のための家族支援研究所

医療者が家族支援について学び・深めているコミュニティです。家族と医療・健康に関わる情報…

ファミラボ:プライマリ・ケア医のための家族支援研究所

医療者が家族支援について学び・深めているコミュニティです。家族と医療・健康に関わる情報やイベントなどをお届けします。https://www.facebook.com/familabo113rd/ お問い合わせ:https://forms.gle/SoRrCeCswAqv4dxf6

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ファミラボとは

ファミラボは医療現場で働く医師が家族支援について学び・深めているコミュニティです。 家族と健康に関わる情報やイベント・活動などをお届けしていきます。 私たちがどんな団体なのか、簡単に紹介したいと思いますのでよろしければお付き合いください。 ファミラボ設立の理由医療現場ではたくさんの家族や家族問題と出会います。 病院・診療所では、外来・病棟・在宅といった状況問わずたくさんの家族と関わります。通院中の方のうち約30-45%が何かしらの家族問題を自覚しているとされます。

    • ファミドク「メディカルファミリーセラピー」9章

      2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。 それに先立ち、関連する書籍を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を行なっております。7月19日に第4回目を開催しました。 https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b514868.html 今回の輪読会には、医師8名と心理士1名が参加し、第9章「妊娠喪失と不妊

      • 『ラダーと事例から学ぶ家族志向のケア』会員向け発刊記念オンラインイベント開催

        7月11日に会員向けの書籍『ラダーと事例から学ぶ家族志向のケア』発刊記念オンラインイベントを開催しました。 前半は、編者による座談会を行い、書籍の工夫や苦労話に加え、日本で家族支援を学ぶリソースが少ない中でどのように家族志向のケアや家族療法を実践・教育するかについても深掘りしました。 田中道徳先生(岡山家庭医療センター) 家族志向のケアの目標を5段階のレベルに分け、必要な知識・技術・態度を書籍では明確にしました。これにより、医療現場での具体的な行動や教育の指針となることを

        • 【活動報告】第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会

          日本のプライマリ・ケアの学術団体を代表する「日本プライマリ・ケア学会(JPCA)」の第15回学術大会が6月7日から9日にかけてアクトシティ浜松(静岡県)で開催されました。 ファミラボ関係者も家族支援・家族志向のケアに関する企画・運営に携わりましたので、ここに報告致します。 学会ジョイントシンポジウム(日本家族療法学会)『家族療法/システミックな考え方と技法を、どのように高齢者診療に織り込むか?』昨年第14回JPCA学術大会でも日本家族療法学会(JAFT)との合同シンポジウ

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        • 活動報告
          18本
        • ファミクル『家族ライフサイクルを深める』
          5本
        • ファミカン(事例検討会)
          8本
        • ファミクル『共感について』
          5本

        記事

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第5回 子どもと歩む新たな一歩:思春期の子どもがいる家族の理解とサポート

          思春期とは、「子どもが自分の道を探し始める時期」であり、心身の成長が著しいダイナミックな時期です。しかし、この時期は子どもや家族がさまざまな葛藤を感じやすい時期でもあります。 この時期は子どもにおいては思春期危機、親においては中年期危機と表現されるように家族の危機に陥りやすいです。一方、うまく向き合うことで家族の絆はさらに深まります。 この大切な時期をどう支え、家族の調和を育てるか、一緒に考えてみましょう。 思春期の子どもがいる時期に求められる2つの役割 心身の成長が

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第5回 子どもと歩む新たな一歩:思春期の子どもがいる家族の理解とサポート

          ファミドク「メディカルファミリーセラピー」6・7・8章

          2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。 それにあたり、その著書を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を行なっております。第3回目の輪読会を6月21日に開催いたしました。 https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b514868.html 参加者は医師医師9名と心理職4名、計13名で、久保田医師から第

          ファミドク「メディカルファミリーセラピー」6・7・8章

          第17回ファミカン岡山(2024/6/12開催)

          今回のプレゼンターはさんむ医療センターの長谷部理佐です。事例は、アルコール性肝硬変の高齢者です。 ■ディスカッション ・本人のライフサイクルの不適応には介入すべきだったか。するとしたらどのようなアプローチが適切か? →家族ライフサイクルは「中年後期」の段階です。疎遠であった妻・娘が本人の身体的・精神的な衰えにより、介護や見守りが必要な状態となり、再度集合するようになりました(求心性)。関係性が再び凝集する中で、過去の関係性の問題が再燃していると考えられます。 とはいえ

          ファミドク「メディカルファミリーセラピー」3・4・5章

          2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。 それにあたり、その著書を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を行なっております。第2回目の輪読会を5月17日に開催いたしました。 https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b514868.html 参加者は医師医師13名と心理職3名、計16名で、河田医師から第

          ファミドク「メディカルファミリーセラピー」3・4・5章

          【活動報告】日本家族カウンセリング協会にて医療者交流会を開催

          日本家族カウンセリング協会にて、家族相談士有資格者の医療者オンライン交流会に私(宮本)と久保田医師で携わらせていただきました。 日本家族カウンセリング協会は、家族カウンセリングを積極的に広める団体で、特に日本で数少ない家族支援の専門家「家族相談士」を養成しています。私も、久保田医師も家族相談士の資格を取得しましたが、体系立てて家族カウンセリングについて学ぶことができるのでオススメです。 開催のきっかけ 私が家族相談士の資格を取得したのが、2021年のことです。家族システ

          【活動報告】日本家族カウンセリング協会にて医療者交流会を開催

          ファミドク「メディカルファミリーセラピー」1・2章

          2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。それにあたり、著書を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を4月26日に開催いたしました。 参加者は医師医師12名と心理職4名、計16名でした。まず、担当者(今回は宮本医師)からまとめを共有し、その後グループに分かれてディスカッションを行いました。 「メディカルファミリーセラピー」は、1980年

          ファミドク「メディカルファミリーセラピー」1・2章

          第38回ファミカン東京(2024/3/27開催)

          今回のプレゼンターは、亀田ファミリークリニック館山の吉羽詩織先生です。事例は数年来にわたる疼痛を訴える前期高齢者でした。 ディスカッション ・困ってはいるが、アドバイスを受け入れられなかったり、何もしてくれないと支援者の気分を逆撫でする。困りながらも助けてもらうのではなく、差し伸べられた手を振りほどくことで、自分の中の無力感や不全感を相手に共有する。言語メッセージと非言語メッセージの不一致の反撃を受動攻撃性という。 ・受動攻撃性が強い場合、治療者が何かしようとすればする

          第10回ファミカン三重(2024/2/22開催)

          今回のプレゼンターは、津ファミリークリニックの向原千夏先生です。事例は、胃腸炎症状を主訴に来院し不登校が判明し、定期的に診療をした男児の事例です。 ディスカッション ・家族の過去の大変だった時期に家族がどんな様子だったのか。大変な時期では家族内のフォローがないため、子どもが自分の気持ちを言語化する機会が少なく、感情の学習が乏しい可能性がある。 ・親の心理的ケア役割を担わざるを得なかった親化した子どものため、家族関係に揉まれることも少なかった。そのため、中学校の上下関係に

          第15回ファミカン岡山(2024/3/6開催) 

          今回のプレゼンターは、鳥取大学医学部地域医療医療講座の大塚裕眞先生です。事例は、自閉症スペクトラム障害が疑われる中年女性です。パートナーと同居されており、喧嘩を繰り返したり、精神的に不安定となると医療機関に受診することを繰り返されておりました。 ディスカッション ・この方の目標(ゴール)は何か?それを見えないとどうすべきか見えない(この人はどうなったら幸せなのか?本人を軸に「どうしたいの?」が大きな筋としては重要) ・関わる側として時間を決める、接触する頻度を決めるなどの

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第4回 子どもとともに変わっていく家族の形:小さい子どもがいる家族の理解とサポート

          「小さい子どもがいる時期」の家族は、どのような支援を必要とするのでしょうか?  新たな家族と出会い、幸せな気持ちに満たされる一方、さまざまな不安や葛藤を目の当たりにしたことがある方も多いのではないでしょうか。この記事では、この時期の家族が直面する課題と対処法について解説します。 新たな家族を迎えた家族への支援を、一緒に考えてみませんか? 小さい子どもがいる時期に求められる姿勢とは 「小さい子どもがいる時期」というのは、家族にとって新たな章の始まりです。この時期は、今ま

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第4回 子どもとともに変わっていく家族の形:小さい子どもがいる家族の理解とサポート

          【活動報告】マルモカンファレンスに登壇@JPCA冬セミ

          2024年2月10日、ファミラボメンバー数名で、第19回若手医師のための家庭医療学冬期セミナーにてセッション講師を務めてきました。 「マルチモビディティをバランスよく見るための妄想力を鍛えるカンファレンス(通称マルモカンファレンス)をやってみよう!(ファミラボコラボ編)」というタイトルで、南砺市民病院の大浦誠先生が中心にされている多職種を交えたマルモカンファレンスとファミラボがコラボいたしました。 講師はなんと総勢25名。医師、看護師、薬剤師、歯科医、看護師、歯科衛生士、

          【活動報告】マルモカンファレンスに登壇@JPCA冬セミ

          第37回ファミカン東京(2024/1/24開催)

          今回のプレゼンターは、南砺家庭・地域医療センターの清水洋介先生です。重度認知症高齢者の介護をめぐる、子どものきょうだい葛藤がある事例でした。 ディスカッション ・長女のこだわりの強さ、言葉をそのまま受けとるコミュニケーション、これまでの生活歴からは、ASDの可能性もある。 ・葛藤の背後に次女は両親を取られた、という不公平感があったとかもしれない。 ・堅実的な原家族の中で、堅実的な道を歩んだ次女に対して、異質だが自由奔放に生きた長女に対する次女の反発もあるかもしれない。 ・き