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ファミドク「メディカルファミリーセラピー」1・2章

2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。それにあたり、著書を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を4月26日に開催いたしました。

参加者は医師医師12名と心理職4名、計16名でした。まず、担当者(今回は宮本医師)からまとめを共有し、その後グループに分かれてディスカッションを行いました。

「メディカルファミリーセラピー」は、1980年代に米国でシステム論的アプローチを得意とするファミリーセラピストがプライマリケア医と協働する中で発展した手法です。生物・心理・社会といったさまざまな階層のシステムの中で、「メディカル(疾患・障害・行動)」と「ファミリーセラピー(家族システム)」と二つに重点を置いてアプローチします。

この手法は、専門家と患者・家族との良好なコミュニケーションを築くための戦略を提示するだけでなく、臨床の中で分断されがちなケアをいかに統合するという壮大なプロジェクトでもあると述べています。

また、統合的ケアを実践するためには、多職種協働が重要性であるとも述べられています。特に心理学者や行動科学者を中心としたメンタルヘルス専門家との協働について、その溝を埋めるためにどのようにしたら良いのかも多く触れられております。

グループディスカッションでは、以下のような話題が挙がりました。

・医療者としての目線を持つ中で、どのような分断を日々感じるか。
・家族や集団を扱うのはどこまでが予測可能で、どこから予測不可能なのか。模索と妥協のバランスの保ち方。
・家族相談の動機づけが少ない臨床現場において、どのように家族に焦点を当て、どのような距離感で関わっているか。
・ファミリーセラピストが少ない日本で、どのように支援者システムの中に組み込めるか。家族まで関わるのは時間や労力がとてもかかることだが、実際どのようにマネジメントするのか。
・医療(医師)と心理士の視点や役割の共通点と違いはどこにあるのか。

どのグループも活発な議論が行われ、一般医療分野における心理職との協働の未来をみたように思います。

この本は2014年に出版されましたが、今の日本においても医療の断片化や一般医療における心理職との協働の重要性が指摘される中、非常に有用な本だと感じました。読み進めていくことが大変楽しみです。

輪読会は9月まで毎月開催予定です。毎回本を題材に日々の考えや疑問を気軽に共有できる場にしていきたいと考えています。

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執筆:宮本侑達(ひまわりクリニック)
編集:河田祥吾(亀田ファミリークリニック館山)田中道徳(岡山家庭医療センター)

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