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ファミドク「メディカルファミリーセラピー」6・7・8章

2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。

それにあたり、その著書を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を行なっております。第3回目の輪読会を6月21日に開催いたしました。

https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b514868.html

参加者は医師医師9名と心理職4名、計13名で、久保田医師から第6章「コミュニティへの参加」、第7章「有害な健康行動」、第8章「カップルと病気」についてのまとめを共有しました。

その後、グループに分かれてディスカッションを行いました。

特に印象的だったのは、家族療法/メディカルファミリーセラピーのスキルは市民とのコミュニティ活動にも有用である点が強調されていることです。

その基本となるシステム理論は患者・家族・支援者の協働を強調するものであるが、その協働のためのスキルはそのまま、コミュティと支援者の協働まで活用することができます。

グループディスカッションでは、以下のような話題が挙がりました。

・コンサルテーションとしての関わる際の距離感。コンサルテーションとして、コンサルティの主体性を奪わないように関わる。それにはエンパワーが大事だが、エンパワーの方法も大切である。

・アドラー心理学とシステム理論の共通点。どちらも対人関係の重要性を認識しており、アドラー心理学では、すべての人間の悩みが対人関係に関連していると考える。同様に、システム理論も各システム(例えば家族や社会)内での相互作用が重要であり、対人関係を重視しする。

また、アドラー心理学は自己効力感や自信を育むために励ましの方法を重要視し、システムコンサルテーションでも患者家族のレジリエンスに焦点を当てたエンパワーメントを重視している。

・肥満を治療しようとする治療者の姿勢は、患者のスティグマを助長しうる。スティグマを助長せずに関わるコツとして、例えば、肥満ではなく、血糖値・肝機能といったスティグマを生みにくい客観的指標の改善を目標にする。

・患者が変化できないことを一旦受け入れることの重要性。変化できないことへの受容に関してはleapという介入技法(詳細は書籍『病気じゃないからほっといて』)があり、参考となる。

この本は2014年に出版されましたが、今の日本においても医療の断片化や一般医療における心理職との協働の重要性が指摘される中、非常に有用な本だと感じました。読み進めていくことが大変楽しみです。

最後までお読みくださりありがとうございます!

輪読会は毎月開催予定です。毎回本を題材に日々の考えや疑問を気軽に共有できる場にしていきたいと考えています。

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執筆:宮本侑達(ひまわりクリニック)
編集:河田祥吾(亀田ファミリークリニック館山)田中道徳(岡山家庭医療センター)


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