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ファミドク「メディカルファミリーセラピー」3・4・5章

2024年9月に開催される日本家族療法学会第41回金沢大会(https://jaft2024.site/)に米国家族療法家William Doherty氏が来日されます。

それにあたり、その著書を学ぼうと「メディカルファミリーセラピー」の輪読会を行なっております。第2回目の輪読会を5月17日に開催いたしました。

https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b514868.html

参加者は医師医師13名と心理職3名、計16名で、河田医師から第3章「医療専門間の協働」、第4章「共有される病気の情緒的テーマ」、第5章「メディカルファミリーセラピーにおける自己」についてのまとめを共有しました。

その後、グループに分かれてディスカッションを行いました。

特に印象的だったのは、医療者と心理職の文化の相違です。

例えば、医療者は積極的に助言をしますが、心理職は助言を控えます。また、医療者は身体的問題を扱うために受診を促しますが、心理職は心理社会的問題を重視し、受診しなかったことも重要視します。医療者は、身近な人の相談にも気軽に乗りますが、心理職は近い人の相談は極力乗らないようにします。

この違いは、それぞれのプロフェッショナリズムに深く関わる内容であり、その根底にある違いを理解しないと、誤解やすれ違いが生じやすいことを感じました。

グループディスカッションでは、以下のような話題が挙がりました。

・医療職では情報共有を積極的に行うが、心理職では過去には、職種間の情報共有がセラピーに影響することを考慮し、積極的に行わないことがある。しかし、現在は多職種との協働を促進するために情報共有が増えている。

・情報共有を行う際、特にセンシティブな内容を他の職種と共有する際には、患者さんやご家族からの許可を取ることがより良い。

・患者さんやご家族は医師だからこそ言えないことがある場合がある。そのため、心理職や他の職種の役割としてそれを理解し、受け止めることが重要。医師は指導が重要であり、時には患者さんと意見が対立することもある。心理職としてそのフォローアップも重要。

・医師と心理職の面接の違い。医師は患者さんの「受容」や「指導」を行うことができるが、患者さん自身の主体性を引き出し、動機づけをする「誘導」は難しく、外来診療の時間的制約もある。その役割を心理職に委ねることが望まれる。

・医師と心理職の連携を図る上での困難さ。医師は忙しそうで、適切なコミュニケーションのタイミングを見極めることが難しい。

この本は2014年に出版されましたが、今の日本においても医療の断片化や一般医療における心理職との協働の重要性が指摘される中、非常に有用な本だと感じました。読み進めていくことが大変楽しみです。

最後までお読みくださりありがとうございます!

輪読会は毎月開催予定です。毎回本を題材に日々の考えや疑問を気軽に共有できる場にしていきたいと考えています。

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執筆:宮本侑達(ひまわりクリニック)
編集:河田祥吾(亀田ファミリークリニック館山)田中道徳(岡山家庭医療センター)

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