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映画鑑賞note

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印象的だった映画の感想メモ。ジョナサン・プライス出演作多めです💕
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映画鑑賞note: 英国的な映画・その2

note 随分とご無沙汰してしまいましたが、やっと更新を。 エリザベス女王のPlatinum Jubileeに乗じて(?)イギリス映画の感想です。 ★『ハワーズ・エンド」"Howards End" (1992) 随分前から気になっていましたが、なかなかレンタルできず、このGWにやっと見ることができました。(と思いきや、いつの間にかレストア版公開&Amazonプライムでも見れるようになってたんですね。。。!) 原作も読み終わったので、感想を✏️ ブルームズベリー・グループ

★映画鑑賞note:"未来世紀ブラジル"

楽しみにしていた、午前十時の映画祭の「未来世紀ブラジル」、今週末から始まったので、早速見ました! 未だの人も、DVD等で見たことある人も、映画館のスクリーンで見るのは格別なので、ぜひ。内容は、クライテリオンからリリースされているディレクターズカット版と同じでした。(オープニングが雲の映像)*Group Aの映画館では10/15〜10/28、Group Bは10/29〜11/11まで。 ギリアム作品は何度見ても、新しい発見が幾つかあるので、飽きません😊(※私は) 特にサムライ

ヴァネッサ・ベルとブルームズベリー・グループ/"Bloomsbury at Home" & "Life in Squares"感想

"they lived in squares, painted in circles and loved in triangles". ブルームズベリー・グループについての本や作品、はまって色々と鑑賞しているのですが、やっとBBCの三時間ものドラマのDVDを見終わったので、お気に入りの本と合わせて感想を✏️  ★"Life in Squares" (BBC drama, 2015) タイトルから連想されるような、ブルームズベリー・グループの物語、というよりは、画家ヴァネッ

★映画鑑賞note:"The Ploughman's Lunch" (1983)

ジョナサン・プライス出演作品、日本版リリースがされていないものを、幾つかDVD購入しました。(アメリカのAmazonだとPrime Videoで見れるのが多いのが何とも。。。日本でも見れるようにしてほしい)その中から紹介します。 おそらくジョナサンのフィルモグラフィの中でもマイナーな作品ですが、若いころ、テレビの社会派ドラマに多数出演していたようで、その流れを汲む作品のようです。『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリーと共演しています。フォークランド紛争当時のイギリスを

★映画鑑賞note:「エイジ・オブ・イノセンス」&「摩天楼を夢みて」

★「エイジ・オブ・イノセンス」"The Age of Innocence" (1993) マーティン・スコセッシ監督の「エイジ・オブ・イノセンス」(1993)を見ました。花びらがレースへと変化するオープニングの映像が素敵。マフィアもののイメージが強い監督さんなので、ロマンチックな映画で意外でした。 19世紀末のNYの上流階級の男女の、叶わない恋愛を描いたドラマ。。。と思わせつつ、若者が上流社会の規範や欺瞞の中で段々と押し潰されていく姿を描いていて、保守的で閉塞的な社会に対す

★「キャリントン」 その2

以前感想を書いた映画「キャリントン」、日本版のDVDがリリースされていなくてがっかりしていましたが、結局海外版のDVD(英語字幕付きの米版)を購入して、もう何度も見ています。登場人物のキャラクターだったり、キャリントンによる、カラフルでいかにもブルームズベリー・グループらしいインテリア(資料が少ないので、殆どはイメージを駆使して作り出したとか)だったり、細かい描写が本当に素敵です。主役二人とも、見た目は凄くそっくりというわけではないのに、原作のイメージぴったりになりきっていま

★映画鑑賞note:「2人のローマ教皇」(2019)

「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」に続き、昨年1月に映画館で2回見て、主演のジョナサン・プライスの演技に、すっかり魅了されてしまった映画です。Netflix作品で、アカデミー賞候補にもなっていて、あらすじや概略は方々で語られていてよく知られていると思うので、割愛します。(詳しいあらすじはWikipediaをご参照ください) 前から感想を書こうと思っていたのですが、もう一回見てから。。。と思っていたら、Netflixの無料視聴キャンペーンで公開されていて、このお正月休みに、

★映画観賞note:「Breaking Glass」(1980)

日本ではあまり有名ではないと思いますが、1970年代終わり〜80年代初めにかけての、ロンドンのパンク/ニューウェーヴ・シーンの雰囲気を味わえる貴重な作品。ストーリー的にはよくある、Rise and fall of〜ものの音楽映画で、真新しさはありませんが、レコード会社やライヴ会場、オーディエンスの若者たちの姿(パンクス、モッズ、グラム、スキンズ、ネオナチ、etc) は当時の雰囲気をそのままパックした感があって、後追い世代(1980年代生まれ)としては凄く興味深いです。 パブ

Fahrenheit 451 (華氏451)①

レイ・ブラッドベリ「何かか道をやってくる」の感想の記事に、次はこちらの作品の感想を・・・、と書いたので、映画版と原作の両方の感想を。まずは映画から。 ★映画観賞note 「華氏451」 フランソワ・トリュフォー監督の1966年版です。(2018年にリメイクされています)小説を読むと未来の話に思えますが、こちらの映画はほぼ当時風で、フューチャリステックな演出は少ないので、今見るとレトロ感ばっちり。おしゃれなインテリアのセットは、1960年代のインテリア雑誌を眺めているよう

★映画鑑賞note:The Man who Invented Christmas🌟

🎄「Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男」("The Man Who Invented Christmas") (2017年) チャールズ・ディケンズが名作「クリスマス・キャロル」を完成させるまでのストーリーを、作品の登場人物であるスクルージがガイド役となって導いていく、史実(原作は同名のディケンズの伝記本)をベースにしたファンタジー。19世紀のイギリスではクリスマスを祝う習慣は廃れていて、この本のヒットで、現在のように再びクリスマスを祝うようになっ

★映画鑑賞note: Jonathan Pryce主演作品いろいろ(日本未公開作品)

Jonathanおじいちゃんに嵌りすぎて、片っ端から出演作のDVD借りて見ていたのですが、日本版が出ているものは、脇役で出ているもの以外は大体攻略したし、IMDbを見ると、他にもたくさん出演作があることに気がついたので、主演のものを幾つか、米のamazonやeBayで購入してみました☺️(ついでに「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」も米版で購入。。。)B級ものかと思いきや、どれも意外と良い作品でした! 🔎 ★「Sherlock Holmes and the Baker S

★映画鑑賞note:"Brazil" the Criterion Collection

『未来世紀ブラジル』アメリカ公開を巡る、監督と配給会社の戦いは有名ですが、そのルポルタージュ本『バトル・オブ・ブラジル』に、94分の"Love Conquers All"版(ユニバーサルが編集した短縮&ハッピーエンド版。のちに米テレビ放映用に使われたとのこと)のことが詳しく書かれていました。なんだかテリー・ギリアム監督では絶対ありえない内容だったので、どんなものか興味があったのですが、米クライテリオン盤に収録されているとのことで。。。勝手に廃盤だと思っていたら、先日たまた

★映画鑑賞note: "Voyage of the Damned"

「さすらいの航海」"Voyage of the Damned" (1976) 渋い一本を。船長役のマックス・フォン・シドーを始め、豪華キャスト競演のイギリス映画。ジョナサン・プライスの映画デビュー作とのことで、借りてみました。(ちなみにtop画はドイツ旅行時に撮った、ハンブルグの港です) 「第二次世界大戦前夜、ドイツ(ハンブルグ)から亡命するユダヤ人を乗せた客船SSセントルイス号が各国から受け入れを拒否されて大西洋上をさまよった実話の映画化」(Wikipediaより)との

映画鑑賞note:英国的な映画

<Top画は:https://en.wikipedia.org/wiki/River_Camより引用> 🇬🇧「アナザー・カントリー」"Another Country" (1984) 図書館で借りた『スクリーンの中に英国が見える』という本に、「キャリントン」と同じ枠(「イギリスは暗い」/同性愛映画)で紹介されていて、「夢見る頃を過ぎても」の渋いイケメン、ルパート・エヴェレットの若い頃も見てみたかったので、レンタルで借りてみました。コリン・ファースも少し前に「ロイヤル・セブ