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Open letter to anyone... 主に国内の旅行記や、展覧会、読んだ本・映画などの感想を書いています。特に北欧、イギリス、日本の大正時代推しです。

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    大好きな北欧&イギリスの旅行記

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    印象的だった映画の感想メモ。ジョナサン・プライス出演作多めです💕

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    お気に入りの音楽の話いろいろ。(ライヴの感想など)

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《博物館明治村》*1日散策記

初夏に愛知県犬山市の明治村へお出かけしました。(もう夏も終わろうとしていますが、書くタイミングを逃してしまい・・・) 幼い頃に親に連れられて来たときは「古い建物ばかりで何だかコワい。。。」という感覚に襲われてしまったのですが、30年以上経た大人の感覚で見ると、明治〜大正期の古き良き、そして当時の最高の技術を尽くして造られたものが、こうやって今でも大切に保存・維持されて見ることができるのは素晴らしいと思いました。1丁目から5丁目まであり、テーマパークとしては日本で3番目の広さ

    • 『りんだうとなでしこ』の舞台を訪ねる(後編) <福島・飯坂温泉旅行記 その3>

      単行本の『竜胆と撫子』(『鏡花全集 巻21』収録)では、その後三葉子は成長してお茶の水の女学校生になり、東京の美術学校へ通う雛吉の半生の物語が語られ、物語の舞台は一旦、東京に移ります、が・・・そこで事件が。三葉子はあわや暴漢に襲われかけ、雛吉は見世物小屋の蛇遣いの女(飛天夜叉)に酷い目に遭わされ自殺を考える身に。 そして運命の糸に導かれるように、二人は飯坂温泉へ。毛利先生に瓜ふたつな雛吉は、仙光院の和尚や居候先の花屋のお媼さんが仲を取り持ち、三葉子の養父・養母にも受け入れら

      • 『りんだうとなでしこ』の舞台を訪ねる(前編) <福島・飯坂温泉旅行記 その2>

        (📷↑こちらはマツバギク。自生しているのを、たくさん見かけました。残念ながらリンドウとナデシコは見つけられず。) <はじめに> 初めての場所へ旅行へ行く時は、たいてい読んで気に入った本がきっかけです。今回も、飯坂温泉を訪れることにしたきっかけは、泉鏡花の『飯坂ゆき』(大正10年)という紀行文と『竜胆と撫子』(大正11〜12年)という未完の小説(発表分は『鏡花全集』巻21、28(未定稿)に収録)を読んで、興味を持ったからでした。 泉鏡花記念館のオリジナル文庫で読んだ『竜胆と

        • 飯坂ゆき <福島・飯坂温泉旅行記 その1>

          7月半ばに猛暑の中、熱い湯で有名な福島の飯坂温泉に行ってきました。 連日35℃越えで、東北とは思えないほど暑かったです。 いつもより涼しいところで、まったり・のんびりリフレッシュのつもりが、猛暑の中を修行のような旅になってしまいましたが、たくさん汗をかいて温泉に浸かって、デトックス効果は抜群でした。そして想像以上に美味しく、楽しく、得るものも多かった、よき旅になりました。 <フルーツラインで桃狩り> まずは温泉へ行く前に、フルーツラインにある観光果樹園に立ち寄り、桃狩りへ

        《博物館明治村》*1日散策記

        • 『りんだうとなでしこ』の舞台を訪ねる(後編) <福島・飯坂温泉旅行記 その3>

        • 『りんだうとなでしこ』の舞台を訪ねる(前編) <福島・飯坂温泉旅行記 その2>

        • 飯坂ゆき <福島・飯坂温泉旅行記 その1>

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          東京<明治・大正文学と昭和モダンに浸る旅> /硯友社文庫・日本近代文学館・百段階段

          6月初旬に東京へ1日、弾丸旅行してきました。 ホテル雅叙園東京で開催されていた『昭和モダン×百段階段』展をメインに、昨年オープンした硯友社文庫の見学と、日本近代文学館での講座「小村雪岱と大正期〈九九九会〉」に参加してきました。 ゆっくりお買い物したり、ランチを食べる時間も無い慌ただしい旅でしたが、濃い有意義な時間が過ごせました。お土産の上野のうさぎやのどら焼きも、安定の美味しさでした🐇 <思いのほか長い記事になってしまったので、区切ってお読みいただくか、興味あるところへ、目

          東京<明治・大正文学と昭和モダンに浸る旅> /硯友社文庫・日本近代文学館・百段階段

          "Have you got it yet?"

          先頃公開されたドキュメンタリー、『シド・バレット 独りぼっちの狂気』を観てきました。なかなか良かったです! 前売り券2枚買ってあったので、お出掛けついでに、それぞれ別の映画館で観ました。入場者特典(先着)でポストカードをいただけました😊 内容は以前作られたBBCのドキュメンタリーや、本などで見知ったことと大体同じで、新発見の事実や見たことのない映像!というのは余り無かったですが、PVやTVの映像はレストア(リマスター)されてて、とても綺麗でした。所々ストーム・トーガソンがP

          "Have you got it yet?"

          文豪の足あとを巡る旅・その3 <逗子> 鏡花ゆかりの岩殿寺と文学碑を訪ねて

          3日目は午前中いっぱい、バス&徒歩で逗子の街を巡りました。 逗子は、泉鏡花が胃腸病の療養のため、32〜36歳の間の4年間暮らした街で、『婦系図』『草迷宮』『春昼・春昼後刻』といった名作は、逗子時代に書かれています。 さすが日本有数の別荘地、古くから人々を惹きつけてきただけある、風光明媚な街でした。 とにかく海が碧くて綺麗で、白い波、柔らかな黄色の砂浜、青い空に、富士山が見えるのが素晴らしかったです。海沿いの景色など、泉鏡花作品に描かれたままの風景には感動でした。 <大

          文豪の足あとを巡る旅・その3 <逗子> 鏡花ゆかりの岩殿寺と文学碑を訪ねて

          文豪の足あとを巡る旅・その2 <葉山・横須賀・逗子> 『芥川龍之介と美の世界』展&『草迷宮』の魔所

          2日目は葉山・横須賀・逗子の海辺を巡りました。 とても良いお天気だったので、朝から夕方まで移り変わる太陽と海の景色を満喫。まだ2月だというのに、春のような陽気で、日差しが目に痛かったです。海面に、まっすぐの光を写して沈んでいく夕日が素敵でした。 (*少し長めの投稿ですので、区切って読んでいただければ幸いです。写真だけでも楽しんでいただけると思います。) <神奈川近代美術館・葉山> 朝は早めにチェックアウトして、神奈川県立近代美術館・葉山へ。美術館の建物を裏へ抜けて散策路を

          文豪の足あとを巡る旅・その2 <葉山・横須賀・逗子> 『芥川龍之介と美の世界』展&『草迷宮』の魔所

          文豪の足あとを巡る旅・その1<鎌倉・西御門サローネ>

          2月中旬に、鎌倉と葉山・逗子を旅してきました。 今回の旅のテーマは、文学ゆかりの地めぐり。土地柄たくさんの作家・作品にちなむ場所がありますが、ここ数年興味がある白樺派や、泉鏡花ゆかりの地を中心に巡りました。 1. 西御門サローネ(旧・里見弴邸) 1日目は鎌倉へ。駅前から鶴岡八幡宮あたりまで続く雑踏を眺めながら、バスで10分ほど揺られて、大学前のバス停で下車。そこから山の方へ10分弱歩いて、西御門サローネという、大正〜昭和初期建築のお屋敷へ。こちらは白樺派の里見弴の旧邸で、建

          文豪の足あとを巡る旅・その1<鎌倉・西御門サローネ>

          大正モダンめぐり in 大阪<阿波座&中之島>

          話は前後しますが、前回の旅行記に書いた、城崎温泉へ出発する前に、半日大阪の街をぶらぶらしました。 まずは前から気になってた、阿波座駅近くのクラブコスメチックス文化資料室に伺い、その後、中之島の明治・大正レトロ建築めぐりをしました。 ♣︎クラブコスメチックス文化資料室<阿波座> 1903年(明治36年)創業の老舗、クラブコスメチックスさん。(→沿革) 私にはマリー・クヮントの親会社のイメージが強いですが、明治〜昭和初期にかけて、有名な「クラブ洗粉」や「美身クリーム」「ホルモ

          大正モダンめぐり in 大阪<阿波座&中之島>

          読書note: 2023年振り返り<泉鏡花編②>

          📘『草迷宮』 『草迷宮』は明治41年発表。『婦系図』『歌行灯』と同時期の30代後半〜の作品です。神奈川県・三浦半島の魔所が舞台。村の庄屋のお屋敷で次々と起こる怪奇現象を描く怪談、神隠しや手毬唄(「通りゃんせ」)をモチーフに繰り広げられるノスタルジックで幻想的な雰囲気や、母親・女性思慕のイメージなど、とても鏡花らしい作品だと思います。幻想的な言葉が紡ぐイメージを繋いだ、色鮮やかな万華鏡のような白日夢の世界に、ふわふわと漂っていくようなラストが気に入っています。 さまざまな

          読書note: 2023年振り返り<泉鏡花編②>

          読書note: 2023年振り返り<泉鏡花編①>

          2023年後半は、夏にたまたま訪れた金沢の泉鏡花記念館がきっかけで、すっかり泉鏡花にはまってしまいました。お隣の柳宗理記念デザイン研究所に行ったついでだったのですが、中庭を進むとウサギの穴に落ちていくように、記念館の入口に吸い込まれていきました🐰  📖『露宿』 ちょうど関東大震災に被災した時のルポ『露宿』の企画展示中で、当時の新聞・資料、被災した地域の地図などが展示されていたのですが、『露宿』に描かれた人々や街の様子、公園で不安な一夜を過ごした時のことなど、克明かつ鏡花

          読書note: 2023年振り返り<泉鏡花編①>

          読書note : 2023年振り返り<民藝編>

          2023年はあちこち頻繁に旅行に出かけましたが、本もたくさん(自分比)読んだ一年でした。 何かに興味を持つと、一通り本や雑誌を読み漁らないと気がすまないので、いつも積読だらけ。。。 中でも気に入った本、よく読んだ本はこんな感じです。 📗『リーチ先生』/原田マハ 棟方志功にはまった流れで、民藝運動に興味を持って、『もっと知りたい 柳宗悦と民藝運動』のようなムックや、ガイド本で勉強していたのですが、原田マハさんのこちらの小説が、フィクションでありながら、バーナード・リーチを中

          読書note : 2023年振り返り<民藝編>

          湯島詣

          大晦日ですが、2023年旅の振り返り、まだ(笑)続きます。 もうしばらくお付き合いくださいませ。 10月に東京へ行きました。 1泊2日で、美術館巡り(東京国立近代美術館、日本民藝館、アーティゾン美術館、東京ステーションギャラリー)に、コロナ以来久々に会う友人と渋谷のFuglen Coffeeでお茶&ライヴ鑑賞(Nick Lowe @ Billboard Live Tokyo)と、なかなか充実した旅になりました。 11月には昨年の3級に引き続き、美術検定2級を受けることにし

          湯島詣

          城崎にて・後編♨️

          外湯は朝7時オープンなので、早起きして朝風呂へ。日の出直後で、まだうっすら月が見える、ほの白い空でした。 旅館からほど近くの「鴻の湯」は日本庭園が望める露天風呂で、静かでとても気持ちよかったです😊 冷えた身体が一気にあったまって、浸かりながら思わずウトウト。。。 出た後もぼんやりしていて、適当に浴衣の前を合わせて帯を結んで、さあ帰ろうとしたら、「裾引きずってるよ」と地元の人っぽいおばあちゃんが、わざわざ着付け直してくれました💦 (しかもお風呂入る前で裸だったのに) そのまま

          城崎にて・後編♨️

          城崎にて・前編♨️

          今年はたくさん本を読んだ1年でしたが、特に泉鏡花と志賀直哉にはまって、旅行も自ずとゆかりの場所へ。。。 奈良の旧居、我孫子の白樺文学館に続いて、「山手線の電車に跳飛ばされて怪我をした」その後養生に、1人で出かけた、という但馬の城崎温泉へ行ってきました。(『城崎にて』だけでなく、『暗夜行路』にも登場) 12月半ばの暖かい午後、大阪駅から特急こうのとりに乗り、城崎温泉へ。他線の遅れの影響で、本来2時間40分ほどのところ、3時間かかって到着。車窓から見えるかと思った玄武洞は、すっ

          城崎にて・前編♨️