ステマの法規制、そして塾業界の震撼

どうやらWebクチコミで、消費者を先導する行為が違法になるようだ。
かなりよい傾向だ。とりわけTwitterを用いた晒し屋を活用していたパチンコ業界には激震だろう。
一方で、少子化が加速する塾業界にもそれなりの激震が走っている。

学習塾の中には保護者を装い、Googleのクチコミレビューで「最高の塾でした」や「教え方が素晴らしい」などの書き込みをし、星5をつけるといった行為をオーナー始め、社員が業務として行っているところがある。自分が実際に勤めた塾もそうだった。
姑息な手段だが、顧客確保のために仕方なく、業務をこなしている社員の背中がどうもみっともなかった。

一方で、近隣のライバル塾のクチコミレビューで、「ひどかった」や「教え方が下手」「テキトー」などのコメントを残し、星1にするといった行為も塾ぐるみでやっているところも多い。

自分がいま住んでいる地域はまさに上記の行為が乱発するところであり、とても稚拙でおぞましい怨念が渦巻く、虎狼の城なのだ。

近くの塾のオーナー(フランチャイズ)が、Googleアカウントで女性を装い、コメントを記入しながら

「これがきくんだよー」

と、笑顔で話す姿がいかにも気持ち悪かった。

そういう教育サービスの学習支援業にとっては今までの業務が違法になる可能性が出てきたわけである。


まぁマーケティングは必要ではあるが、実績や積み重ねを時間をかけて構築していくのが本来の信用・信頼の築き方である。

Webを使って架空の話をでっち上げ、消費者を欺く行為はもっと以前から規制されるべきであった。
私が住んでいる近くの塾は少なくとも4つあり、その中の3つがWebにも載っていない小さい個人塾である。

教室長に話を聞くと、「ネットを使った嫌がらせが酷くてね、できた当初も星1『酷かった』と書かれてさ。まだ生徒が一人も入っていないときだよ。アカウント調べてみると、某チェーンの塾だけ星5にしてあるの。明らかにそいつらやってるじゃん。気持ち悪いよね……」

そう語った個人塾の塾長のところには20人くらいの生徒が集まる。全て一人で見ているそうだ。


やはり消費者もバカではない。しっかりと見ているのだ。Webの情報だけで信用するのはもはや皆無と言ってよい。
本当に力のある塾、親身になってくれる塾はゆっくりとそして確実に周りにその噂が広がっていく。


そうした一方で消費者センターには学習塾の授業料トラブル、退会トラブルが後をたたない。

今回の法規制で行きすぎた学習支援業のクチコミ合戦も終焉を迎えるのではないだろうか。

というか、学習支援業のみなさんは本来力を入れるべき、「授業テクニック」「コミュニケーション能力」「コーチング」をしっかりと研究してほしい。

消費者もステマを鵜呑みにするほどバカではないのだから。


福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》