High Fidelity [Nick Hornby]
私の推薦図書はHigh Fidelity である。イギリスでは著名な作家Nick Hornbyの作品で、映画化もされている。しかし、本当に面白い。ヒューマンであり、コメディでもある。30代の中古レコードショップオーナーのロブが過去の恋愛遍歴と恋愛観。音楽オタク独特の表現法でつづっている。
なぜ僕はフラれるのか。
他の女性に手を出すのはなぜなのか。
本当にダメ男なのだが、彼なりの言い分の中には誰もが持っている葛藤と不安が赤裸々に表現されている。弁護士の彼女との関係は破たんするが、徐々に関係を戻していく様子は男女関係の奇妙さもあいまって、魅力的なストーリーになっている。映画ではその部分が少し簡潔化してしまっているが、大まかな流れはそのままである。登場人物の会話そのものを心に打ち付けたいなら、小説を読むべきだろう。
人は誰しもが孤独と闘うが、その中で出会う人物がいかに音楽的であろうとなかろうと、その人生は一枚のテープのようなものだ。彼女のためにそんなテープを作っている。
素晴らしいではないか。オリジナルの楽曲の組み合わせが最高のプレゼントになりうる。人生は音楽の一部分。
皆さんもぜひ最高のメロディを奏でる音楽の一部分であってほしい。
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福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》