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従業員サーベイの活用方法①1on1ミーティング

「従業員サーベイを導入したものの上手く活用できない」という声をよく聞きます。従業員サーベイはあくまで組織・従業員のコンディションを見える化するツールですので、従業員サーベイを導入しただけで会社が良くなるわけではありません。むしろ、従業員は会社の良い変化に期待してサーベイに回答するため、サーベイ後に適切なフォロー(活用)をしないと、逆に従業員のモチベーションが下がってしまうことにも繋がりかねません。

従業員サーベイの活用方法について、今回は1on1ミーティングとの相乗効果の視点からご紹介します。

1.従業員サーベイとは

組織や従業員の状態を様々な視点(エンゲージメント、モチベーション、幸福度、従業員満足度など)から調べるアンケートツールです。従業員サーベイを上手に活用することで、従業員のことを理解し、組織の課題を発見し、解決策を講じることができます。

2.1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、短いサイクル(週1~月1)で実施する、上司と部下が1対1で行う面談のことです。従来から目標や成果の確認を目的として行われている評価面談とは異なり、人材育成を目的としています。

上司には、一方的に部下に対してアドバイスしたり業務指示をするのではなく、部下が自ら答えを考え出すサポートをすることが求められます。このサポートによって、部下自身が業務やキャリアに対して主体的に取組み、問題解決に向けた行動を実行できるようになります。

また、コロナ禍でリモートワークが続く中、上司と部下が顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が減ったこともあり、1on1ミーティングを導入する企業が増えています。

3.1on1ミーティングの課題

1on1ミーティングの意義や得られる効果については多くの方が賛同していると思いますが、実際に取り組むとなると様々な課題があります。

<人事視点>
・会社全体で1on1の質を担保するのが難しい
・個々の面談内容まで手を入れられず運用が上司任せになってしまう
<上司視点>
・何を話せばよいのか分からない
・1on1ミーティングの結果、部下がどう変わったのか分かりにくい
<部下視点>
・何を話せばよいのか分からない
・1on1の結果、自身がどう変わったのか分かりにくい

4.従業員サーベイの活用による効果的な1on1ミーティングの実現

1on1ミーティングを導入したものの上手くいかない理由の多くは、「目的が人事⇔上司⇔部下間で明確になっていない」「効果がはっきりと分からない」ことによるものです。

一方、従業員サーベイは会社として大切にする項目をアンケートにより見える化するものですが、「サーベイのやりっぱなしになって事後フォローをしない」と十分に効果が発揮できません。

そこで、従業員サーベイ(中でも短いサイクルでサーベイを繰り返すパルスサーベイ)と1on1ミーティングを組み合わせて運用することで、双方の効果を高めることができます。

サーベイの結果を基に1on1ミーティングで改善に向けたコミュニケーションを行い、また翌月に1on1ミーティングで話したことが良いサーベイ結果に繋がったのかを振り返ることで、上司・部下は共通のテーマ/目標に向けて行動することができます。また人事としても、1on1ミーティングの質の向上とサーベイ結果のフォローアップが期待できます。(もちろんサーベイ以外の話題も大切です。一方で、1on1の中で全社共通の内容を1つ話すということで会社全体で見てより均質的な運営に繋がると考えています。)

なお、1on1ミーティングでサーベイを活用する場合には「サーベイ結果の閲覧範囲」の設定に注意してください。サーベイは利用目的に応じて個人結果の閲覧範囲を設定(人事労務のみ/役員まで/上司までなど)できるようになっています。

従業員サーベイを導入する際は、事前に導入目的に沿った閲覧範囲の設定および従業員への事前周知が不可欠です。1on1ミーティングと組み合わせて利用する場合は、部下の回答結果が上司まで閲覧可能となっていることを従業員全員に確りと説明することが大切です。

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