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二人の店員さん

先日、子供たちと出かけたときに、なんだかおもしろいことがあった。

あぁ、そういえば外食とかはいつも夫が留守の日に行くのでうちは母子家庭かと近所の人に思われていたっけな。

この日も子供2人と私の3人での外食。

近所のハンバーグ屋さんに行った。

でもその前に、上の子が夏服がほしいというから二人でモールに出かけていた。そこからまず話そうと思う。

その服屋で出会った店員さんに、何がどうと説明しにくいが、応対に違和感を覚えた。

レジは2箇所。1つは男性の店員さんが別のお客さんの支払いを対応中だった。

もう1つのレジはあいている。すぐ横に女性の店員さんがいた。私からいうと「女の子」の店員さん。若い子だ。

何か別の作業をしている。私たちが待っているのを見ても何も言わず、何も気にせず違う作業をしている。

あ、この人は今、レジには入ってくれないんだな。「お待ちください」とかもないけど、この人はレジに入るつもりはないんだな。何か別の用事、あるいは急ぎのことをしているんだろうなと思っていた。

しばらくして男性の店員さんが接客を終えて、彼女に私たちのレジに対応するように促した。

すると彼女はレジに入って、私たちの対応を始めた。

かわいい素朴な感じの子でまじめな感じ。手つきがたどたどしい。

たどたどしいんだよな。

新人さんなんだろうな。

たどたどしい・・・

うーん、なんていうかすごく違和感を覚えた。

彼女はなんだろう、まったくこれっぽっちも1ミリも動じる気配がない。

ただたどたどしく丁寧に、順を追って作業をしている。分からないときは手が止まる。それを男性の店員さんがフォローする。「ありがとうございます」という言葉もなく、私たちに「少々お待ちください」という言葉もなく、とにもかくにもたどたどしくゆっくりと作業をする。

動じなさすぎだろ。

これが違和感の正体だった。

なんともじれったかった。なんだろう。新人さんが時間がかかるのは当たり前で、私はどちらかというと穏やかにそういうのを眺めるタイプだ。うんうん、がんばってね、って思うタイプで、なんなら「新人さんですか? がんばってね」とか気さくに言っちゃうタイプだ。

新人さんというのは一生懸命で、そこにちょっとした焦りみたいなものが垣間見える。それが見えるから応援する気持ちが生まれる。「大丈夫、慌てなくていいよ、うん。ゆっくりね」と自然と思ってしまうものだ。

だけど彼女には言いようもない違和感を感じてしまった。

新人類を見たくらいの違和感。

レジ後に、上の子とすぐに顔を見合わせた。

さすが親子だ。この微妙な違和感を互いに感じ取っていたらしく、二人で盛り上がった。「なんなんやろう。あの動じなさ!」とすぐに言い合った。「そうそう、思った、思った!」と、フィーリングぴったりやんの心地よさを感じながら。


そのあとはハンバーグ屋さん。

ここでの店員さんも最高だった。

なんていうか、元気なんですよ。

「いらっしゃいませ!! どうのこうの、ああだこうだ!!」

とにかく異常に元気に滑舌よく、声の大きなロボットのようにお決まりの覚えこんだセリフを精一杯、顔にベタッと貼り付けた作り笑顔で一気に吐き出すようなおそろしく元気な店員さん。

彼女が去った瞬間に、また上の子と目を合わせた。

我々が感じたことは同じだ。

なんだ、この店員さんの異様なまでの元気さは・・・。

おもしろかった。


#エッセイ #店員 #ハンバーグ屋 #服屋 #新人 #違和感

こういう違和感を瞬時に感じるのは私と上の子です。感性が似てる。下の子は説明されるまで特に何も気づかない。上の子は瞬時に人を観察するようなアンテナの高さを持ち合わせているんですが下の子は天然というかとぼけてるんです。同じように育ててるのに性格って全然違いますね。

お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨