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君の愛

「そんなこと言うなよ」

私の体を引き寄せながら、君が強くそう言った。

「もう終わりにしよう」と言って唇を塞がれたことは一度や二度じゃなくて、その度に私を飲み込むほどの情熱を君は私にぶつけてくる。二人きりの部屋で誰にも遠慮することなく、私の心と体を揺さぶる。

ほんの少しの時間をきまぐれに楽しんだら、君の興味は若い子に移っていくものだと思っていたのに。こんなに君が私に溺れるなんて予想外だった。

私もそう。ちょっとした刺激を若い君に求めて、束の間の恋愛ごっこを味わうだけだと思っていたのに、君の言葉の一つ一つに心が乱れる。

逃げようとする私の手を掴み、唇を塞ぎ、吐息を奪う。

私のすべてを自分のものにしようとする君の独占欲が私のなかに突き刺さる。

君を手放せなくなってしまった私の愚かさにつけ込む君の欲望にあらがえない。

「もう終わりにしよう」を耳鳴りのように響かせながら、君の「愛してる」に抱かれる。熱を帯びたその声に、出口のない君との時間に、私は堕ちていく。



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