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【#7】 英語教師として "Update"するためにしたい10のこと⑥ -「校内研修」での協働・探究-

こんにちは!
Sakaue Wataru | English Teacherです。
今年で教職12年目となりました。
英語教師である自分を"Update"するために、
以下、「10のこと」を意識して挑戦しています。

⑴ noteによる「指導観・授業観」の振り返り ✅
⑵ ICTを活用した「授業実践」の振り返り ✅
⑶ 授業「健康診断」with 授業評価アンケート ✅
⑷ 「目的・場面・状況」のUpdate ✅
⑸ 「即興のやり取り」のUpdate ✅
⑹ 児童生徒が行う「振り返り」のUpdate ✅
⑺ 英語を学ぶ「意義」のUpdate ✅
⑻ 教師が夢中で学び合う「校内研修」の推進
⑼ 学校全体を巻き込んだ「英語プロジェクト
⑽ 学校外への「実践発信

今回は、⑻「校内研修」について言語化します。
皆さんの学校では、どのような「校内研修」が行われていますか?
中には、あまり校内研修に前向きになれない方もおられるかもしれません。
ですが、そんな方にこそ、今回の記事には目を通していただきたいと思っています。

1.はじめに


今年度、研究主任として年4回の校内研修を開きました。
有難いことに、管理職・スタッフの皆さんがとても前向きに参画してくださり、他府県の教育委員会の方々や他校の先生もたくさん視察に来られました。

皆さん、異口同音におっしゃったのは、
「先生たちがこんなに明るく、前向きに参加している姿に驚いた」
という内容でした。

私は現任校に赴任して2年目です。
単純に、スタッフの方々がすごいのです。
職員室の雰囲気もとてもいいです。
ただ、回を重ねるごとに活気が増していったのも事実です。

2.学びが「自分ごと」になる校内研修の三要素


先生方が校内研修を「自分ごと」として捉えやすいように、研究推進部のメンバーで協議し、次の3つの点を大切にしてきました。

⑴「個人テーマ」に基づいて探究のサイクルを回す

用意された内容を一方的に話され、感想を書いて終わる。このような研修がワクワクするでしょうか。教師の課題意識や興味関心は様々です。そこで、教師が1年間で深めたいテーマを自己決定し、年間を通じて授業研究を進められるようにします。

【H5 校内研修 個人テーマの例】
🔵思考を働かせるICT活用
🔵実生活とつながる授業
🔵「わかる!」「知りたい!」を引き出す単元計画
🔵子どもの個性を活かす「個別最適指導」のあり方
🔵意見をつなぐ学級づくり
🔵「こだわり」を引き出す言語活動の仕掛け
🔵思考を揺さぶる発問

⑵ ユニットによる「協働学習」を習慣化する

ただ、「個人テーマ」を設定しても、一人ではなかなか研究が深まらないこともあります。これは、授業と同じです。そこで、テーマや経験年数に多様性が生まれるように「ユニット」(4〜5人)を組み、協働的に授業作りを進めるシステムを導入しました。

「ユニット内の全員が公開授業をする」のがルールです。
事前にユニット内で指導案を検討。修正を経て、当日の授業をユニット内で参観します。その後、事後研を開き、実践の成果や今後の修正点について討議します。

最近では、協働学習を取り入れていない授業の方が珍しくなりました。
それだけ、協働学習の必要性や効果が認知されているということです。
ですが、ここである疑問が浮かびます。

私たち ”教師” は「協働する力」が備わっているのでしょうか?
「協働学習の意義」を本当に理解しているのでしょうか?

ユニット研修をすることの利点は、「授業力向上」のみならず、教師の「協働する力」を高められる点にもあると考えています。このユニット研修を進めているせいか、本校(小中一貫校)の職員室では、校種関係なく授業や児童生徒について相談したり、協議したりする「井戸端会議」が自然発生します。

子どもたちにとって、大人である教師が親和的な関係を築いている姿を見せることは、とても大事なことだと感じています。

⑶ 責任のある "Output" を設定する

本校では、実践の履歴を「個人レポート」として言語化しています。
なぜでしょうか?

それは、書いたものは残り、共有できるからです。ユニット研究で知恵を出し合って共創した実践は、本校の貴重な知的財産となっています。

1つ例を挙げます。4年生と8年生合同で『ごんぎつね』の朗読会を行いました。
8年生(中2)の英語の教科書には、”Gon, the Little Fox” として英訳された教材があったので、それぞれ目標を設定して、朗読会を行いました。

●4年生の目標: 
8年生が驚くほど豊かな表現で教科書を朗読する。
●8年生の目標: 
4年生にも分かりやすく、情景が伝わるように英語で朗読する。

朗読会の後には、お互いにコメントを書いてプレゼントし合います。
朗読をする相手が明確になったことで、練習にも力が入ります。
8年生は、「先生、場面がわかりやすいように、小道具を作っていいですか?」と申し出てきました。その姿を見て、他のグループも、「私たちもいいですか?」と素敵な連鎖が続いていきました。

このような「異年齢交流授業」は、ここ数年で様々な教科、学年で研修されてきて、いつでも追試が可能になっています。

5・7年生 ・・・ 英語の自己紹介の交流
7・8年生 ・・・   自学交流会、職場体験プレゼン
6・9年生 ・・・   平和学習の発表・交流会     
                                                           など

記録に残っていれば、スタートはゼロからではありません。
よい取組は、児童生徒の「実態」や「授業のねらい」に応じてアレンジすることができます。また、レポートには成果と課題が明記されているので、実践を改善してアップデートすることも可能です。

「個人レポート」を3月に一気に仕上げようとすると負担感が大きくなります。
そこで、8月に中間発表会2月に報告会を設定し、ユニット研修でコメントし合い、加筆・修正をする時間を確保します。年度末に慌てて書き上げると「やっつけ仕事」になります。しかし、最初に見通しが示されていれば、安心して探究することができます。これも、授業と同じであるように思います。

3.教師も「学びの主体者」であることを忘れない


「何かいい実践はないか」と、外界に授業改善の「答え」を見つけようとしても、大抵その答えは見つかりません。私もそうでした。
ですが、自分の悩みや課題を、同僚と話し合っていくと、不思議とやるべきことが見えてきます。狭くなっていた自分の視野が、靄がかかっていた視界が、みるみるうちに晴れていくようです。これこそ、「協働学習」の威力なのだと思います。

人は、自分で決めたこと、自分が納得したことに対しては前向きになれます。
「学習指導要領」という大枠がある中で、自分がこだわりたいことを見つけられた時、「もっとこうしたい!」という展望が生まれた時、教師の心は弾んでいます。

もっと心が弾むのは、「誰かの役に立てた」(他者貢献)と実感した時です。
ユニット研で意見を出し合っているとき(事前研)のことです。
「確かにそうですね!そうしてみます!ありがとうございます!!」と、若手の先生が嬉しそうに感謝の念を述べてくれました。私も心がほっこりして、ユニットの先生を見渡すと、一番嬉しそうなのは、助言をした先生だったように見えました。

これと同じこと、つまり、「学びの共同体・集団づくり」を、私たち教師は「教室」で起こそうとしているのではないでしょうか?私たち教師は、授業者であるとともに、「学習者」としての立場も大切にしていくべきだと考えています。

授業改善に向けて学び続ける。
教師自身が「学びの主体者」であり続けることで、話し合いが停滞しやすいときの対処法嬉しくなるフィードバックの仕方などを体験的に学ぶことができます。

4.おわりに


「働き方改革」について言及されることが多くなりました。
これには、私も大賛成ですし、基本的に定時で帰宅できるように心がけています(なかなかそうはいきませんが・・・苦笑)

ただ、教師の本分は、やはり「授業」です。
いつまでも謙虚に授業力を磨き続ける教師でありたいと強く思います。
校内研修には様々なご意見があります。
それぞれの教師が抱える個別のバックグラウンドに配慮しながら、全ての教師が前向きに学ぶことができる「校内研修のあり方」をこれからも考え続けていきます。

少し英語教育からは逸れたかもしれませんが、大切なことだと感じているので、ここに書き記しておきます。

追記:

2月23日(金)に、教師が協働的に学べる「英語研修会」を企画しています!
京都駅近くで行います。オンラインとのハイフレックス開催なので、ぜひお越しください😊
京都大学の田中容子特任教授と、京都市内の先生とともに、「パフォーマンス評価」について考える会です。お申し込みは下記URLよりお願いします!


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