【#13】“英語好き”を育てる教師のMindset❺ 〜「学びがい」を感じる言語活動の仕掛け〜【前編】
こんにちは!3連休の昼下がり、いかがお過ごしですか?
Sakaue Wataru | English Teacherです!
秋になり、学校現場は「研究授業シーズン」です。
この記事をご覧になっておられる先生の学校でも、
研究授業が盛んに行われているのではないでしょうか?
今回は、英語の授業には欠かせない「言語活動」について
私個人の葛藤や挑戦していることを言語化したいと思います。
「言語活動」を中軸に据えた授業づくり
「言語活動」は児童生徒の資質・能力を育む上で重要な役割を果たしています。本校では、言語活動の機会を保障し、その質を高めていくために、小中一貫9年間で行うパフォーマンス課題の共通理解を教員間で図り、実態に応じて毎年加筆・修正しています。
言語活動を中軸に据えて英語教育を考えることで、児童生徒の資質・能力や、英語に対する動機づけは確かに向上しています。これは、京都府の学力テストの結果にも表れています。
「言語活動」を通じて本当に力をつけられているのか?
しかし昨年度は、言語活動を行う上で必要な語彙や文法事項、語順理解等の定着が不十分であったことで、課題に対する満足度や学習内容の定着度が低い児童生徒も見受けられました。
例えば、9年生の授業で海外からの訪問者に向けて「英語版学校紹介」を作成する課題を実施したところ、ファストラーナーは目を輝かせて教科書の内容を活用しながら記事を書く姿が見受けられました。一方で、スローラーナーは、友だちのサポートを受けながらなんとか記事を書き上げました。虚な表情で授業に参加していた生徒も、ペアで協力してプロジェクト学習に取り組み出したことは、大きな成果です。
ただ、「ペアの助けを得なければできないままでいいのか?」という葛藤も常に頭にありました。最終ゴールが、「自律的学習者の育成」だとすれば、次の一手が必要になります。できることなら、全ての生徒が、本当の意味での「学びがい」を感じられるような授業がしたい。生徒の取り組む姿勢や振り返りの記述からは一定の成果が得られたと判断できましたが、改善の余地は大いにあると考えています。
3つの【方針】で言語活動をUpdateする
そこで、今年度は以下3つの【方針】を掲げて言語活動を行っています。
これまで言語活動を行う際は、児童生徒のオリジナリティーを尊重して、ナビゲートしすぎない指導を心がけてきました。しかしそれは、全ての学習者に対してベストな方法ではないと感じています。誤解がないように補足しますと、個人によって学習状況には「差」がありますので、最終的にナビゲートしすぎなくてもできるように指導することを目指しますが、最初から一律に同じ指導を行っていても効果が得られない児童生徒もいると考えている、ということです。
そこで、単元末に行うパフォーマンス課題では、3つのプロセスから学習者が自己選択するスタイルを導入しています。
また、知識・技能を定着させる「トレーニング」としてRetellingが有効だと感じています。これは、英文の構造(SVOや復文構造など)やまとまりのある論旨展開を意識しながら話す練習ができる、大変効果的な活動です。ただ、自分の授業ではRetellingの取組が「丸暗記」になってしまい、構造理解やintake活動として効果が薄くなってしまうという反省点がありました。そこで、今年度はマッピングやベン図などの「思考ツール」を活用して、子どもたちのintake活動を充実させる工夫について考えています。
これら実践については、11月17日(日)に行われます、関西英語授業研究学会秋季大会にて発表させていただく予定です。上記の取組の具体と、その授業を通じてみられた児童生徒の変容について、「学習者エンゲージメント」の視点から考察したことも踏まえてお伝えする予定です。
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次回は、研究大会でお話しした内容を中心にお伝えできればと思っています。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました☺️