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誰にでも書ける大学の志望理由書の書き方

はじめに

 私が高校教師として働いた11年間で多くの生徒の受験指導を行ってきました。特に私が在籍した高校は、一般受験で大学を受験するよりも圧倒的に推薦入試や総合選抜で大学受験をする生徒の方が多い高校であり、本当に大量の志望理由書や面接の指導を行いました。


 そういった高校であっても志望理由書や面接についての対策ノウハウは一切無く、各教員に指導方針が一任されている状況であり、私が指導した生徒と、推薦入試や総合選抜の対策に不慣れな教員が指導した生徒の作成した志望理由書には大きな差がありました。


 そうした状況が少しでも打破できればと思いこの記事を作成します。私が高校教師として働いた11年間で導き出した推薦入試・総合選抜に対応した、志望理由書の書き方を紹介したいと思う。
 ただしこの方法は、誰よりも優れた素晴らしい志望理由書を作成するものではなく、「誰にでも」「どの大学でも」「どの学部でも」「一定レベルのもの」を書く方法になります。

志望大学の選び方

 理想的な大学の選び方は、

  1. 自分の経験から将来の夢(目標)を見つける

  2. その夢を叶えられそうな大学を探す

  3. 受験校を決定する

という流れになると思います。
しかし、実際このような方法で大学を選べる人というのはほとんどいません。3年間の高校生活だけで、自分の将来を決定するような出会いや経験をすることは非常に難しいことであり、そこから進学したい大学を決めるということはより困難です。

実際に私が高校教師のときに見てきた多くの生徒の大学の選び方は、

  1. 自分の好きな教科や興味関心から行きたい学部を決める

  2. 行きたい(行ける)地域を決める

  3. 決めた地域の中で自分の学力にあった大学学部をいくつか探す

  4. 候補の大学のオープンキャンパスなどに参加して志望先を決定する

という流れになります。

今回の記事は行きたい大学は決まっているけれど将来の夢がまだ決まっていないという人、行きたい大学と将来の夢がなんとなく決まっている人向けの志望理由書の書き方となります。

志望理由書に必要な3つのポリシー

志望理由書を作成するために必ずやっていただきたいことは志望校の3つのポリシーを確認してください。3つのポリシーとは、

  • アドミッションポリシー

  • ディプロマポリシー

  • カリキュラムポリシー

の3つです。
この3つのポリシーは必ず各大学のホームページやパンフレットに載っていますので、そちらで確認してください。この3つのポリシーを活用しながら志望理由書を書きあげていきます。

アドミッションポリシー

アドミッションポリシーとは、大学が定める「入学者の受け入れ方針」です。もっとわかりやすくいうのであれば「求める生徒像」です。

つまり、受験生はこのアドミッションポリシーに適合した人物でなければならないわけです。このことから面接や志望理由書を通して、アドミッションポリシーに自分が合っているということをアピールできれば合格に近づけるわけです。

ディプロマポリシー


ディプロマポリシーとは、大学が定める「卒業認定・学位授与の方針」です。つまり入学生が大学生活を通して成長し、卒業時にどのようになっていてほしいのかを示したものです。

志望理由書に自分の将来像を書くのですが、その将来像がこのディプロマポリシーに照らし合わせてずれがないようにしなければなりません。このディプロマポリシーも志望理由書にとって非常に重要なポリシーとなりますので、しっかりと押さえてください。

カリキュラムポリシー


カリキュラムポリシーとは、大学が定める「教育課程編成・実施の方針」です。上記のディプロマポリシーに合った人材を教育していくためにどのようなカリキュラムを組めばよいのかを大学が示したもので、簡単にいえば「教育方針」です。

このカリキュラムポリシーの志望理由書においての重要度は他の2つよりは低くなりますが、大学生活の送り方を記述する際に参考になることもありますので、一応押さえておきます。

全体の骨組みを考える

志望理由書をスムーズに書くにあたって次の5つを挙げます。

  1. 将来の夢

  2. 大学を選んだ理由

  3. 大学生活

  4. 将来のきかっけ

  5. 自分の長所

この5点をしっかりと書き上げることができれば、志望理由書を完成させるだけでなく面接の対策も可能になります。この5点の書き方について順に説明していきます。

①将来の夢

まず最初に将来の夢を決めます。そのために、まず大学のホームページやパンフレット、カリキュラムポリシーやディプロマポリシーをよく読んでください。※アドミッションポリシーはまだ軽くで大丈夫です。

それらをよく読む中で、その大学で「身に付けられそうな力や経験」を書き出してください。いくつでもいいので出せるだけ出してください。そしてその力や経験を持った人はどういう社会人になれるのかを想像します。もちろん書き出した力や経験を全て使う必要はありません。

ここで想像した社会人をあなたの将来の夢としてください。当然ですが、ここで作った夢はディプロマポリシーに照らし合わせてズレの無いものにする必要があります。さらにアドミッションポリシーも確認します。アドミッションポリシーには「○○を志す人物」という文言が入ることが非常に多いのでそこも確認しましょう。

もし、自分の将来の夢がぼんやりと決まっているという人は、大学のホームページやパンフレット、カリキュラムポリシーやディプロマポリシーをよく読み、参考にしながら将来の夢につながりそうな力を探し、将来の夢を明確なものにしてください。

この「①将来の夢」は非常に重要で、志望理由書や面接の核になるものです。しっかりと考え、明確なものにしてください。

”明確に”と言いましたが、これはあなたが進学したい大学の学部学科を志望する人の中で、”自分だけ”がもつ将来像にしてください。

もし、将来国語の教師になりたい人であれば、大学の教育学部の国語科を志望する人が多いと思います。そこで、ただ単に「国語の教師」を自分の将来像にしてしまうと、教育学部国語科を志望する人は当然全員が「国語の教師」を目指しているわけなので、ほかの受験生と差別化ができません。さらに、ただの「国語の教師」であれば、他の大学の教育学部や文学部でも目指すことができます。

そうした意味であなたの将来の目標を”自分だけ”が持つものにしてもらいたいのです。

例えば、大学のパンフレットに「豊富な蔵書数の図書館がある」や「学生同士で模擬授業をする機会が非常に多い」という記載があった場合、付けられそうな力として図書館からは「豊富な知識や広い視野」、模擬授業からは「他者とのコミュニケーション力や授業力」などを身に付けることができると考えられます。そうした力をもつことができれば、

国語の教科指導に優れた教師

という将来像を作り上げることができるのです。そしてこの将来像がディプロマポリシー、アドミッションポリシーと合っていることを確認するのも忘れずにしてください。

ホームページやパンフレットなどをしっかりと読み、明確で具体的な”自分だけの”将来の夢を決めてください。ここで書いた将来の夢が志望理由書のすべてにつながってきますので、十分に時間をかけて考えるようにしましょう。

②大学を選んだ理由

「①将来の夢」を決めるときに大学のホームページやパンフレットから「身に付けられそうな力や経験」をいくつか挙げたと思います。その力や経験を身に付けられそうだと感じた大学独自の設備やカリキュラムなどを書き出します。

将来の夢を「国語の教科指導に優れた教師」として考えてみます。

もしも、大学のパンフレットやホームページに「豊富な蔵書数の図書館がある」や「学生同士で模擬授業をする機会が非常に多い」という記載があり、「豊富な知識や広い視野」や「他者とのコミュニケーション力や授業力」などの力がつけられると感じたのであれば、「②大学を選んだ理由」として、「豊富な蔵書数の図書館がある」や「学生同士で模擬授業をする機会が非常に多い」をそのまま挙げてください。

③大学生活

これは「②大学を選んだ理由」と重なるところが非常に多いです。

②で挙げた大学の取り組みや、施設を具体的にどのように活用し、どういった力を付けたいのかという内容を挙げてください。

将来の夢を「国語の教科指導に優れた教師」とし、大学を選んだ理由を「豊富な蔵書数の図書館がある」、「模擬授業をする機会が豊富にある」としたときの例文を示します。

貴学には豊富な蔵書数を誇る図書館があります。普段授業のときだけでなく、教育実習や模擬授業さらに国語の知識についても不明な点があった際には図書館を活用し、自らの国語や教育に関する知識や視野を広めていきたいと考えています。

貴学には2年次から4年次までの授業の中で模擬授業をする機会が十分にあります。そこで周囲の友人たちと共に意見を出し合いながら、より良い授業について考え、将来生徒たちの力になれるような教授法を見つけていきたいと思います。

というように、「②大学を選んだ理由」+「③大学生活」という形で書いてあげれば書きやすいと思います。

さらに、「①将来の夢」で挙げた「身に付けられそうな力や経験」のうち、大学独自のものでない取り組みも「③大学生活」の中に入れてもよいと思います。大学独自のものでない取り組みはボランティアや実習、サークル活動、留学などです。こうしたものは大体どの大学でもできるものです。

将来の夢を「教科指導に優れた国語教師」として例を挙げます。

当然教師になるならばどの大学でも教育実習に行きますので教育実習は大学独自の取り組みとは言えません。ですが、教育実習では、実践力や教育現場での生きた知識など多くの力や経験を得ることができる取り組みです。以下の様にまとめるとよいのではないでしょうか。

1,2年次は事前に十分に学習を進め、教育に関する理論を身に付けたいです。そして教育実習に行った際には、それまでに身に付けた理論を実践するだけでなく、実際の教育現場でしか得ることのできない知識を実習先の先生方から学ばせていただきたいと考えています。
また留学に行くことができる大学も非常に多いです。以下のようなまとめ方もできると思います。

中国へ留学したいと考えています。そこで、現代中国語を学ぶとともに、日本の授業で学ぶ漢文との相違点についての見識を深めたいと考えています。こうした知識が将来教壇に立った際に生徒の興味関心を高められるよう活用していきたいです。

「①将来の夢」を作るために最初に出した力や経験を大学のカリキュラムや取り組みへつないであげましょう。

④将来のきっかけ

これは「①将来の夢」を持ったきっかけを書きます。

このきっかけは2パターン考えられます。

  • 自分の経験から生まれるきっかけ

  • 社会がもつ問題を解決するためのきっかけ

の2パターンです。それぞれについて説明します。

・自分の経験から生まれるきっかけ
こちらのほうが一般的かと思います。

あなたが、子どもの時から高校生までに経験したことから、きっかけを作りましょう

これを書くために必要なのはとにかく”経験”です。

①~③などは何も持たない人でもいくらでも創作することができますが、実際の経験だけは嘘がつけません。高校生活の間にできる限り様々な経験をしてください。その経験の中から将来のきっかけとして使えるものができるはずです。

ここで勘違いしないでもらいたいのは、何か経験するだけで十分です。細かい部分・エピソードは創作してください。
理想を言えば、きっかけが生まれるような経験を実際してもらいたいのですがそうした経験をすることは、難しいかと思いますので、自分の経験からきっかけとなるエピソードを創作しましょう。

少しわかりにくいと思いますので、例を挙げて説明します。

文芸部に所属しており、多くの文学作品を読み、心を大きく動かされた。正しい現代文の読み方を生徒に伝えることで、文学の良さをより広く伝えたいと思うようになったから。

というきっかけがあるとします。この時に必ずやっておかなければならない経験は、文芸部に所属することのみです。別に心を動かされたことや、文学の良さを広めたいというエピソードは創作で大丈夫です。
とにかく何かやっておけば、きっかけを作ることができます。

高校生活でできる経験として最も一般的なものは部活動です。
部活動は努力、失敗、協力、協働、挑戦、成功など多くの要素を含んでいます。部活動をやっておくことで将来のきっかけを容易に作ることができるでしょう。入部する部活は、決して強い部活に入る必要はありません。なんでもよいですが、一般的な部活よりも少し特殊な部活のほうが面白いかもしれませんね。

他には、生徒会やボランティア、最近なら高校で行われている総合的な探究の時間で行われている取り組みなどもあるのではないかと思います。

もちろん日常生活で得られた経験でも構いませんが、様々な経験はしておいたほうが良いと思います。

では実際の例を挙げます。「①将来の夢」を「国語の教科指導に優れた教師」とします。

国語が嫌いだったが、高校の国語の先生の授業が魅力的で国語が好きになったから

文芸部に所属しており、多くの文学作品を読み、心を大きく動かされた。正しい現代文の読み方を生徒に伝えることで、文学の良さをより広く伝えたいと思うようになったから。

など、普段の授業や、部活動などの経験を用いてきっかけを創作しましょう

・社会がもつ問題を解決するためのきっかけ
きっかけのもう一つの書き方ですが、社会問題を解決するためのきっかけです。

仕事というのはそもそも人のために行うものです。
そのため社会の抱える問題を解決し、人のためになることを自らの夢を設定すればよいのです。

これを考えるにあたっても何かしらの経験はしておいたほうが良いです。ボランティアや探究学習などを通して社会と触れ合ったり、様々な調査をすることで社会の抱える問題を知ることができますので、きっかけ作りには非常に有効です。

社会の抱える問題というと非常に重く感じるかもしれませんが、あまり難しく考えずに何気ない問題で構いません。

では例を挙げます。「①将来の夢」を「国語の教科指導に優れた教師」とします。

「人々の生活を取り巻く環境がこれまで以上に急速に変化していくことが予想される「これからの時代」を考えると国語力はより一層重要になる」と、文部科学省の文化審議会答申によってまとめられているように、これからの社会に対応する高い国語力を持った人材を育成するためには高いレベルの国語教師が必要だから

地域のボランティアで小学生に対する学習サポートを行った際に、小学生の段階で国語力には大きな差があると感じた。このような国語力に大きな差をもったまま進学した生徒全員が理解できるような授業をするためには、高いレベルの国語力や指導力、広い視野が必要になると感じたから

など、社会としての動きや、自分の経験から感じた問題を挙げるとよいでしょう。

⑤自分の長所

「⑤自分の長所」は志望理由書には書く必要はありません。ですが、推薦入試や総合選抜に利用する書類として活動報告書や自己PR書などをあげる大学もありますし、面接の際にも必要となりますので、そのためにも自分の長所もしっかりと挙げておきましょう。

この長所については、正直嘘でも構いません。ただし、その長所を証明する事実・経験が必要です。

この長所は「①将来の夢」につながる長所にしてください。「国語の教科指導に優れた教師」が夢であるとき、自分の長所を「明るい」や「友人が多い」などにしてしまうとつながりが薄いわけです。

最も重要なのは長所とアドミッションポリシーを合わせることです。大学のアドミッションポリシーは求める生徒像です。つまり、自分がアドミッションポリシーに合っているんだということをここでアピールしなければなりません。

そのためアドミッションポリシーに「国語に強い興味を持ち、深く学び他者に伝えたいという強い意志を持つ人物」というような文言があるならば、自分の長所を「読解力がある」や「人に伝える能力がある」など、教科指導に優れた教師になるためのものにしてください。

さらに、その長所を証明するための経験も用意たほうがよいです。

「私は○○という経験をしたので、△△という長所がある。」

というように表しましょう。

例を挙げると

部活動の部長として、部員一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり個に合わせた伝え方や指示の出し方に気を付けながら全体をまとめることができた。このことから、コミュニケーション力や他者に物事を伝える力があると思う。

このように、実例+長所という書き方にしましょう

骨組みの構成

「①将来の夢」を最初に決めてから「②大学を選んだ理由」~「⑤自分の長所」を書き出していきます。そしてそのすべてが「①将来の夢」と結びつくようにして、全体の骨組みを考えましょう。

志望理由書を書くための全体骨組み

志望理由書の書き方

前述した①~⑤までを書き出すことができれば、志望理由書は容易に書くことができます。

以下のような構成で文章を書いていきます。

志望理由書の構成

パターン①

志望理由書に求められている文字数が少なく全てが書ききれないときは、「④将来のきっかけ」は外してもよいと思います。

志望理由書は受験したい大学に対する文章になりますので、まず優先すべきなのは、その大学のことです。「②大学を選んだ理由」「③大学生活」を優先して書きましょう。

パターン②

求められている文字数が多いときは「④将来のきっかけ」も入れてください。これは入れてあげたほうがクオリティの高い志望理由書になりますので、余裕があればぜひ入れてください。

志望理由書例文

では実際に志望理由書の例を書いてみます。

 私は将来、国語の教科指導に優れた教師になり、多くの生徒の国語力を向上させたいと考えています。
 文部科学省の文化審議会答申によって「人々の生活を取り巻く環境がこれまで以上に急速に変化していくことが予想される「これからの時代」を考えると国語力はより一層重要になる」とまとめられているように、変化の激しいこれからの社会に対応するためには高い国語力を持った人材を育成する必要があり、高いレベルの教科指導を行うことのできる国語教師が必要だと感じたからです。
 そこで、貴学では2年次から4年次までの授業の中で模擬授業がカリキュラムとして組まれており、十分に模擬授業をする機会を持つことができます。そこで周囲の友人たちと共に意見を出し合いながら、より良い授業について考えることで、将来生徒たちの国語力につながるような授業だけでなく、教授の際に必須となるコミュニケーション力を身に付けていきたいと思います。
 さらに豊富な蔵書数を誇る図書館も非常に魅力的です。普段授業のときだけでなく、教育実習や模擬授業さらに国語の知識についても不明な点があった際には図書館を活用し、自らの国語や教育に関する知識や視野を広めていきたいと考えています。
 3年次で行う教育実習では、貴学の授業や模擬授業、豊富な蔵書の図書館などで教育に関する理論を実践していきたいと考えています。もちろんそれだけでなく、理論だけではわからない実際の教育現場でしか得ることのできない知識を実習先の先生方から学ばせていただき、自らの将来につなげていきたいと考えています。
 このように貴学で様々な知識や経験を通して、将来生徒たちの国語力をはぐぐむために教科指導力の優れた国語教師になりたいと考えています。

716文字

これまで、例に挙げてきた内容を一つの文章になるように繋げました。「①将来の夢」を基準としてそれぞれの構成を書くことで文章の流れがスムーズになり伝えたいことが明確なブレの無い文章になります。

面接対策

この志望理由書を書くための骨組みは、志望理由書のみならず面接対策にもつながります。

大学入試の面接でよく聞かれる質問について考えていきましょう。

志望理由

これは志望理由書のパターン①のようにきっかけを抜いて話した方がよいでしょう。

「①将来の夢」+「②大学を選んだ理由」+「③大学生活」

という構成にしましょう。きっかけを抜いた理由もちゃんとあります。

このように面接官に伝えると、かなり高い確率で「「①将来の夢」をもった理由を教えてください。」と聞かれると思います。そしてこの答えとして、「④将来のきっかけ」を伝えてください。

こうすることで、言葉のキャッチボールが生まれます

最初の志望理由の答えの中に、「④将来のきっかけ」を入れてしまうと答えが長くなってしまうのと、キャッチボールが生まれにくくなってしまうというデメリットが生まれてしまいます。

もしあなたが面接官だとして、

「私は将来、教科指導力の優れた国語の教師になりたいです。そこで貴学では模擬授業の機会が豊富にあり、授業研究を十分に授業力を向上させることができると感じたの志望しました。」

と受験生が答えたら、「なぜ国語教師になりたいんだろう?」って聞きたくなりませんか?

面接ではあえて完璧な回答はせず、面接官の質問が予想されやすい答え方をして、その質問の準備をしたほうが面接で言葉のキャッチボールが盛り上がり、コミュニケーション力をアピールすることができます。

自己PR

自己PRの構成は

「⑤自分の長所」+「①将来の夢」

となります。

ここで「⑤自分の長所」では上記に示したように自らの経験をしっかりと入れてください。以下に解答例を示します。

私はコミュニケーション力や他者に物事を伝える力があります。部活動の部長として、部員一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり個に合わせた伝え方や指示の出し方に気を付けながら全体をまとめることができました。この力を活かすことで生徒と信頼関係を築き、国語学力向上のために学習の方法などを伝えられるのではないかと思います。

高校生活について

「高校生活で頑張ったことはなんですか?」「高校生活でつらかったことはなんですか?」「高校生活で最も嬉しかったことはなんですか?」「高校生活で最も印象に残っていることはなんですか?」

などの質問の回答は全て同じで大丈夫です。

正確にいうとすべて同じ内容で、「⑤自分の長所」を上手く言い換えて伝えてください

伝え方ひとつで内容は大きく変わります。

伝え方は「自分の経験」+「自分が身に付けることができた力」です。

では各質問に対する回答例を挙げていきます。

Q1.高校生活で頑張ったことはなんですか?

私の最も頑張ったことは部活動です。私は部長として、チームの勝利のために部員一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり個に合わせた伝え方や指示の出し方に気を付けながら全体をまとめることを頑張りました。その結果、地域の大会で勝利することができました。私はこのことから、コミュニケーション力や他者に物事を伝える力を身に付けることができたと思います。

Q2.高校生活でつらかったことはなんですか?

私の最もつらかったことは部活動です。私は部長として、チームの勝利のために部員一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり個に合わせた伝え方や指示の出し方に気を付けながら全体をまとめました。はじめはなかなか部員たちと上手にコミュニケーションが取れずうまくいかなかったことがつらかったです。ですが、あきらめず続けた結果、地域の大会で勝利することができました。私はこのことから、コミュニケーション力や他者に物事を伝える力を身に付けることができたと思います。

Q3.高校生活で最も嬉しかったことはなんですか?

私の最も嬉しかったことは部活動です。私は部長として、チームの勝利のために部員一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり個に合わせた伝え方や指示の出し方に気を付けながら全体をまとめました。はじめはなかなか部員たちと上手にコミュニケーションが取れずうまくいかなかったのですが、あきらめず続けた結果、地域の大会で勝利することは非常に嬉しかったです。私はこのことから、コミュニケーション力や他者に物事を伝える力を身に付けることができたと思います。

Q4.高校生活で最も印象に残っていることはなんですか?

私の最も印象に残っていることは部活動です。私は部長として、チームの勝利のために部員一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり個に合わせた伝え方や指示の出し方に気を付けながら全体をまとめることに努めました。その結果、地域の大会で勝利することができたことが最も印象に残っています。私はこのことから、コミュニケーション力や他者に物事を伝える力を身に付けることができたと思います。

このようにほとんど同じ内容で伝え方を少し変えれば問題ありません。時折、すべての質問に対して回答を作る人がいますが、覚える量が増えてしまいますのでやめましょう。

大学生活の送り方

大学入学後どういった生活をしたいか聞かれることが多いです。

ここの回答としては、「②大学を選んだ理由」+「③大学生活」のパターンか、そのまま「③大学生活」のみのパターン使ってください。

例:「②大学を選んだ理由」+「③大学生活」

貴学入学後、貴学の魅力の一つである豊富な蔵書数を誇る図書館を積極的に活用したいと考えています。普段授業のときだけでなく、教育実習や模擬授業さらに国語の知識についても不明な点があった際には図書館を活用し、自らの国語や教育に関する知識や視野を広めていきたいです。

例:「③大学生活」のみ

貴学の授業や模擬授業、豊富な蔵書の図書館などで教育に関する理論をしっかり学び、教育実習でその理論や知識を実践していきたいです。もちろんそれだけでなく、理論だけではわからない実際の教育現場でしか得ることのできない知識を実習先の先生方から学ばせていただき、自らの将来につなげていきたいです。

といったような形でよいと思います。

その他質問

面接官が効いてくる主な質問は上記にある「志望理由」「自己PR」「高校生活」「大学生活」の4つになるかと思います。それ以外の質問は面接官の手元にあるあなたの提出した志望理由書や担任の先生が作成した調査書から質問がきます。

面接練習をする際に、必ず自分の志望理由書を読み、どんな質問が来るか予想してください。自分にはわからないときは、友人や学校の先生などに読んでもらい、想定される質問を考えてもらうとよいでしょう。

少し高等テクニックになりますが、あえて完璧な志望理由書を作らず、少し隙のある志望理由書を作ります。面接官にあえてその隙をつかせ、それに対して質問させるという方法があります。

上述の面接対策の志望理由であえてきっかけを言わないのがそれです。

志望理由書をしっかりと読み、されそうな質問を考えましょう。

志望理由書は上述のものを使い実践してみます。

 私は将来、国語の教科指導に優れた教師になり、多くの生徒の国語力を向上させたいと考えています。
 文部科学省の文化審議会答申によって「人々の生活を取り巻く環境がこれまで以上に急速に変化していくことが予想される「これからの時代」①を考えると国語力はより一層重要②になる」とまとめられているように、変化の激しいこれからの社会に対応するためには高い国語力を持った人材を育成する必要があり、高いレベルの教科指導を行うことのできる国語教師が必要だと感じたからです。
 そこで、貴学では2年次から4年次までの授業の中で模擬授業がカリキュラムとして組まれており、十分に模擬授業をする機会を持つことができます。そこで周囲の友人たちと共に意見を出し合いながら、より良い授業③について考えることで、将来生徒たちの国語力につながるような授業だけでなく、教授の際に必須となるコミュニケーション力を身に付けていきたいと思います。
 さらに豊富な蔵書数を誇る図書館④も非常に魅力的です。普段授業のときだけでなく、教育実習や模擬授業さらに国語の知識についても不明な点があった際には図書館を活用し、自らの国語や教育に関する知識や視野を広めていきたいと考えています。
 3年次で行う教育実習では、貴学の授業や模擬授業、豊富な蔵書の図書館などで教育に関する理論を実践していきたいと考えています。もちろんそれだけでなく、理論だけではわからない実際の教育現場でしか得ることのできない知識を実習先の先生方から学ばせていただき、自らの将来につなげていきたいと考えています。
 このように貴学で様々な知識や経験を通して、将来生徒たちの国語力をはぐぐむために教科指導力の優れた国語教師になりたいと考えています。

予想質問①:「これからの時代」とはどういったものだと思いますか?

予想質問②:「これからの時代」になぜ国語力が必要になるのだと思いますか?

予想質問③:より良い授業とはどういったものだと思いますか?

予想質問④:なぜ、本学の図書館が豊富な蔵書数だと思ったのですか?

ほんの一例ですが、このあたりが質問されるのではないかと思います。志望理由書からの質問に備えてしっかりと文章を読み、その対策をするようにしてください。

まとめ

近年増加している推薦入試や総合選抜、時には一般入試ですら志望理由書が求められます。

しかしながら高校の現場では指導力に差があり、先生によっては十分な指導ができない状況があるうえに、推薦入試や総合選抜に否定的な考えを持った先生ですらいます。

そこで、簡易的に一定レベルの志望理由書を書く方法を伝授しました。

「①将来の夢」「②大学を選んだ理由」「③大学生活」「④将来のきっかけ」「⑤自分の長所」

この5点をしっかりと挙げることで、志望理由書だけでなく面接対策にもなります。

ぜひこの記事を参考に志望理由書の作成に挑戦してみてください



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