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大企業で役職定年となった直後に年収アップの好条件で転職できた秘訣とは(4)

「①今の会社に勤めながら、労働市場における自分の価値を上げること」とは、好条件で転職できる実力を付けるということである。
「実力を付ける」というのは抽象的だが、現在の職場で置かれているポジションや与えられているミッションにおいて、課題を解決したり成果を上げたりすることで「仕事ができる人間」になること、そのために現在の仕事に真摯に取り組むということである。

上から評価されるために他人の手柄をあたかも自分の手柄であるかのようにアピールするのが上手い人もいる。
社内政治に長けている人は、往々にして部下や同僚の成果を横取りして、自分の出世に役立てる場合もある。
このようなケースで、例え自分の手柄を上司や同僚に横取りされたとしても、それを正して自分の成果として認めてもらおうとすることは、成功するかもしれないがリスクも伴う。
何故か。

「自分の手柄を横取りされた」と感じるようなケースは、複数の人がチームとして取り組んだ結果、何らかの成果を上げた場合が殆どであろう。担当顧客が明確に分かれているようなケースで、他の担当者の顧客から得られた成果を自分の成果であるかのように吹聴することは逆効果であり、社内で出世を目指している頭の良い人はそのようなことはしない。
とすると、その実績が「自分の成果だ」と思っているのは、もしかしたら貴方の主観に過ぎず、客観的に見たら「横取りした」と貴方が思っている人の方が貢献度が高いのかもしれないからである。

従って、「自分が正当に評価されていない」と思ったとしても、その点に焦点を当てるべきではなく、「この仕事を通じて自分が何を得られたか」、「このプロジェクトの成功(または失敗)によって自分がどれだけ成長できたか」という点に焦点を当てるべきなのである。

仕事を通じて自分を成長させるには、その仕事に真摯に、全力で取組むしか方法はない。「前回成功した点を更に改善するにはどうすれば良いか」、「前回失敗した点をどうしたら回避できるか」といった点を意識しながら、脳から汗が出るくらい知恵を絞ってその業務に取り組む。
こうしたことの繰り返しが、貴方の実力を高めていくのである。
(その場合、会社の中でも高く評価され、結果的に転職したくなくなってしまうかもしれない。)

転職の際に必要となる職務経歴書に、社内のチームとしての成果を、実際は他人の貢献度の方が遥かに高かったにも拘わらず自分の成果のように記載することは、容易である。このような、いわば「盛る」ことは、経歴詐称とまでは言えないケースが殆どだし、採用面接で上手く相手を騙して転職できることもあるかもしれない。

しかしながら転職は、「転職したら終わり」ではなく、「転職後の会社でのスタート」なのである。
上手く相手を騙して首尾よく転職できたとしても、実力を伴っていなければ、転職後の会社で化けの皮が剥がれて再び低い評価に甘んじることになり、場合によっては、(解雇はされなくても)左遷や降格されることもあり得るだろう。(続く)




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