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マスク氏も使った"fuck"が日常語に—悪い言葉がまろやかな意味に(イギリス, 2024/2/4)

イギリスでの研究によると、fuckやshitなど、以前は強い罵り言葉として使われていたものが、最近ではそんなにとげとげしくない意味で多用されるようになってきたそうです。

バーミンガムのアストン大学で英語を教えているロビー・ラブ博士は言います。「罵り言葉の意味は、それが発せられた文脈によって変化します。本当に罵る意味で使うこともあれば、ただ何かを強調するためだけに使うこともあります」

こうした罵り言葉は、最近では会話の中で多く用いられ、驚きを表現したり、ユーモアを表したり、仲間どうしの連帯感を作ったりしています。(もちろん、本当に罵る意味でも使われます!)

例として、最近は罵り言葉の代表であるfuckが多く使われているものを挙げています。

“oh, for fuck sake” (ああ、クッソ)
“what the fuck?” (何なんだ?!)

「たとえば、私が「誰がやったの?(who did that?)」の代わりに「どのクソがやった!?(who the fuck did that?)」と言えば、そのクソ(the fuck)の意味は何だと思いますか。それは罵り言葉ではなく、ただの強調の意味だと捉えられるでしょう」とラブ博士は語ります。

ここ十年か二十年ほどで起こっているこうした変化について、ラブ博士は「人々の連帯を表す変化になっている」と語ります。友人どうしや同僚どうしの中で、垣根のない親しさやチームとしての結束を示す言葉として使われているということです。

ビジネスの分野でもそうであるようで、サザンプトン・ビジネススクールのバルチ博士によると、弁護士、医者、上級管理職といった専門的職種の人々が、チームの結束を作ったり、緊張感を緩和したり、また要点を強調するためにこうした罵り言葉を使うのだそうです。
バルチ博士は、こうした言葉は人々の注意を引くためにテクニックとして使われることもあると述べます。博士は、イーロン・マスク氏がDealBook summitでインタビューに答えるときに"fuck"を使ったのはこの目的だったと見ています。


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