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自己満足で良かったのか!

この間、息子にサラッと言われて
驚いた事がある。
45歳になって初めての気づきだった。


最近、Instagramで気になって見てしまうのは
小さなメモ帳のようなノートに色々なシールを
はって1枚の紙に世界観を作る動画。
スクラップブックみたいなもの??
デコレーションみたいな。
その紙の音やシールをはがす音なども
心地良くてずっと見てしまう。

「この紙の音とかシールの音とかも何か
 耳障りが良くてさ。しかもほらこんな
 何か可愛い世界観を作るみたい。
 何か こうゆうのも良いよねぇ。
 ママもやってみようかなぁ。
 昔からシールは好きだし」

ゲームをしながら良いね!良いね!
適当な返事をくれた息子。

「でもさーこんなの自己満だよね。
 この人達はインスタに上手にあげたり
 出来るから良いけどねぇ。
 ママがやってもねただの自己満だしね。
 これが何かになるわけじゃないしねぇ」

私は特に熱中する趣味もなく生きてきた。
履歴書や自己紹介などの時に困るタイプ
無趣味です。

強いて言うなら今は読書でしょうか‥




むかーし20代の頃エクササイズと
ダイエットの意味でポールダンスの
スクールに通った事がある。
セクシーなイメージのポールダンスだが
私にはどうしたって中国雑技団のスクール
に来た様な感じだった。
何でそんなに逆さまになれんの?
そんな感じだ。

黙々とジムで走ったりとかが苦手なので
ポールダンスはそれなり楽しかったし
長年付き合ってきた自分のお腹に初めて
縦線をうっすら出す事も出来た。
スネはポールに押し当てたりするので
足は引くぐらいアザだらけだった。
お腹に縦線が見え隠れする頃
スクール代もいいお値段してたのも
あったけどふと思ったのだ。
「ポールダンサーになるワケでもないし
 これやってても仕方ないよね。
 お金が入るわけじゃないし、
 別にやってても意味ないしね」
そんな事が頭に浮かんでやめた。


10代の頃は写真集みたいのを集めてた。
主に外国の風景など白黒とかでカッコいい
雰囲気の写真集とか見つけると買ったりしてた。
外国というモノに果てしなく憧れていたのだ。
10代の頃はお金もないし写真集とかになると
値段も子供にとっては高い。
それでもお金をコツコツと貯めたりして
写真集を買い集めていた。
でも何度目かの引越しの荷造りの時
「こんなのあっても仕方ないよね。
 カメラマンになるわけでもないし
 こんな集めても結局意味ないよね」
と荷造りのタイミングでBOOK•OFFに
出してしまった。



息子と話していたら
そんな過去の記憶がパタパタと
音を立てて頭を走り抜けた。

そんな小さなノートにシールをはって
デコレーションして完成させて
「かわいい!」なんて1人で思っておしまいだ。
やってても意味ないよね。

何より何かこんな45歳にもなって
何だか恥ずかしい気がした。
他の人がやってても特に思わないけど
自分がやるとなると何か恥ずかしい。
誰に見せるわけでもく
評価されるわけでもなく
お金が支払われるわけでもないのに
1人この作業をして1人で喜んだりする。

何それ。自己満じゃん。
そんなやっても意味ないじゃん。

それが通常運転だと思ってる私に
息子が言ったのだ。

え?ママ?
 だって自己満足するためにやるんじゃん?」

と言って来て45歳の私はポカンとした。

「え?自己満足でやるの?こうゆうの」
と驚きながら息子に聞くと息子は
何言ってんだこの人はみたいな
雰囲気をバシバシながら

だってそうでしょ?それ以外に
 逆に何があるの?
 自己満足でやるもんだし
 それが良いでしょ。普通でしょ
」と
淡々と言われた。


えー!!
そうゆう事?!
確かに私が好きなポッドキャストの
「となりの雑談」でもこんな風な
話があったよね。

目から鱗。
衝撃過ぎてポカンともう言い終えて
ゲームに夢中になってる息子を眺めた。

私は何でも意味を持たせてたがる節がある。
そうじゃないとダメな気がするのだ。
意味のない事、評価されない事、対価が
発生しない事が全部無駄。
しかも自分限定だ。
他人がやってる事には何も思わない。

私は意味ない事をやってはいけない。
それは違う人がやって良いことで
私はそんな事してる場合ではない。
そう思ってしまう。

そう生きてきてかれこれ何十年。
どうやらそちらの世界では
他の世界では違うようだ。


うん。
私もそちら側の世界で生きたい。

評価や対価や人に説明する意味なんか
なくても1人で
コソコソ、ニヤニヤ、コツコツする何か。

自己満万歳の世界。

私もその自己満足を恥ずかしがらず
楽しめる人間になりたい。
いや。
なろう。なってみよう。

最近、昔のように本屋に行くと写真集の
コーナーに立ち止まる事があったけど
結局BOOK•OFF行きだと思い
足早に通り過ぎていた。

次は本屋で心が動いた写真集を
手に取ってページを開いてみようと
ゲームに夢中になってる息子を
眺めながら思った。


#子どもに教えられたこと
#エッセイ

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