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山賊になった1週間

今回は小娘が小学校高学年の時に参加した、お泊まりキャンプについて綴りたい。

お泊まりキャンプというと、なんだか響きはいいが、そんなに甘っちょろいキャンプではない。結構なサバイバルキャンプに近い、本格的なものに参加していた。

小娘が参加した『山賊キャンプ』と呼ばれるものは、小学生〜中学生を対象として、約1週間一緒に過ごすというものだ。今はどうかわからないが、当時は各グループ、信州大学生の実習生がつき、私たちの安全を守ってくれていた。

7:00

起床。寝床はテント。使った寝袋を綺麗にたたみ、テントの隅にある自分の荷物場所に置く。身支度を済ませて、外に出る。どこからともなく聞こえる鳥のさえずりを聴きながら、空気の美味しい自然の中で、大きく伸びをして、鳥たちの挨拶のお返しをする。 1日の始まりだ。

8:00

班員と朝の挨拶をして、朝ご飯の支度に取り掛かる。班員は約10人。火おこし組、材料の下準備組の二手にわかれる。大体は男児は火おこし組、女児は材料準備組に自然とわかれる。
包丁を使うのが苦手だった小娘は、火おこし組に混ざり込むことが多かった。

12:00

慣れない小学生が、ああでもない。こうでもない。と言いながら準備をするわけである。火おこし組に至っては、一から道具を使って原始的な方法で火おこしをする。最終的に朝ごはんができるまでに、遊に4時間が経過することがほとんどであった。遅れすぎたブランチを頂く。

12:30

朝ご飯を終え、みんなで片付けをする。文化祭と同じで、あんなに時間をかけたものの片付けは一瞬にして終わってしまう。そんな儚さを感じながらも、午後の自由時間へのはやる思いが、片付けを一層早くさせる。

13:00

自由時間開始。自然の中に放された子どもたちは思い思いの遊びをする。木登り。昆虫採集。バードウォッチング。植物を使った工作。自然の中でのかくれんぼや鬼ごっこ。楽しい時間はあっという間に過ぎた。

15:00

小腹が空く頃。この時間になると班に1人いるスチューデントティーチャーがお菓子を持ってきてくれる。束の間のおやつタイムである。このスチューデントティーチャーたちは班に1人配置され、私たちの面倒を見てくれた。

15:30

後半の自由時間。この時間に川へ遊びに行くことが日課となっていた。なぜなら、私たちにはお風呂の時間がないからだ。川で日々の汗や汚れを落とした。なんてワイルドなのだろう。川の水はとても澄み渡っており、触ると身震いするぐらい冷たい。暑い夏にはもってこいの時間だった。

16:30

朝起こした火を使って、夕ご飯の支度に取り掛かる。朝よりは短い時間で取り組むことができ、辺りが暗くなり、自分のベッドライトを頼りにしながら、作業を行う。

19:00

夕ご飯。時間をかけて作った料理ほど美味しいものはない。みんなで話し合いながら作ったご飯を、みんなで囲みながら食べるご飯は格段に美味しい。真っ暗で表情は見えないが、声でみんなが笑っているのはよくわかる。

19:30

片付け。みんなで力を合わせてもう一踏ん張り。明日はどんなメニューになりそうかなとか、食べ終わったばかりなのに、もうご飯の話をしていた。

20:00

集いの時間。夜はゆっくりキャンプファイヤーを囲みながら、みんなでお話をしたり、スチューデントティーチャーに甘えたりする時間となった。大好きなスチューデントティーチャーのアキラと仲良くなり、ずっとベタベタしていた。

21:00

もう子どもたちはこの時間になると眠くなり始める。一日中頭を働かせ、身体を動かしまくり、もうクタクタなのである。トイレや歯磨きを済まし、自分のテントへ向かうのである。

21:30

班員と頭をくっつけながら、寝袋を敷く。ゴツゴツとした、フラットではない地面の中でも、一番よさそうなポジションを決め、みんなで寝るのだ。天気が良い日はテントから出て、外にみんなで並んで、星空を見ながら眠りについた。寝袋とは本当に素晴らしい。寝ている間に動き回る小学生が、綺麗に寝られるのだから。

こんな日々を1週間繰り返した。
初日にはみんなで協力して、寝床のテントを1から立てる。怪我をしないように気をつけながら、みんなで丁寧に作った。

最終日はもうみんなクタクタだった。
テントの片付けをする少し前に、大降りの雨が… 土砂降りの中泥だらけになりながら、片付けを終えると、雨に打たれた寒さで、みんなで唇を震わせた。

見かねたオーガナイザーが特別に温泉施設でのお風呂の時間を作ってくれた。といってもタイトなスケジュールだったため、みんなで協力してシャワーを浴びてすぐに帰りの支度へ。

任天堂のゲームも大好きだったが、こんなワイルドな生活も大好きだった子ども時代。両親と離れて、自然の中でぶっ放される時間というのは、寂しさよりも学びがとても多かった。

将来自分に子どもができたら、こんな経験をさせてあげたい。


写真は屋久島の縄文杉コースでの一枚📷

小娘が参加した山賊キャンプはこちら💁🏻‍♀️

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