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臭豆腐の呪い

これは小娘が中国で単身赴任をする父親を訪れた時の話である。

今回の訪問は父親が単身赴任してから初となり、母親と祖母と女3人で訪ねた時のことだった。

1日目

以前紹介した素晴らしいガイドさんに勧められて、西塘(シータン)で中国の伝統的な『臭豆腐』を食すことになった。

見た目は普通の豆腐だったが、その上に何やら妙な色のソースがかかっていた。そのソースの色がなぜか緑。うん、食欲はそそられません。

そして漢字の通りとても臭いがキツい。何事も経験だと、一口頂いた。

感想【口の中が動物園】

もうそれ以外の表現が当てはまらない。

家畜小屋の近くを通るときに嗅ぐあの匂いが、口の中いっぱいに充満し、柔らかい豆腐を食べているはずなのに草を食べている感覚に襲われた。

もちろん、美味しくはありません。なんだかんだでみんな食べていた気がする。せっかくガイドさんが食べましょうって誘ってくれたのだから…

臭豆腐以外のご飯を堪能して、街の夜景を楽しみ、上海に戻った。

2日目

この日もまた1日観光した。豫園や留園を散策した(余り記憶が定かではありませんが…)。

夜は父親チョイスの地元のレストランへ行ったのだが、そこで臭豆腐の呪いが、小娘一家を襲う。

ご飯を楽しむ中、母親がお手洗いに行くと言って席を立った。その後お手洗いから帰ってくると、どうも母親の様子がおかしい。大丈夫かな?と気にしていると、体調が悪いと言って、父親にもたれかかるようにして、横になってしまった。もう自分で身体を支えられない状態だ。

突然のことに、小娘は動揺を隠せず、しかし、とにかく家まで母親を運ばなくては!という強い意志が働いた。

レストランの派手なメイクをしたオーナー(小娘はマダムと呼んでいる)も驚き、食事どころではなくなってしまったので、とにかくタクシーを捕まえてくれることになった。

父親が母親を支えながらタクシーに乗り込み、4人で家へと戻った。あの時のマダムの活躍ぶりは今でも忘れられない。

当時まだ赴任して間もない父親も、こんな緊急事態に中国語が咄嗟に出てこず、状況を説明するのにとても苦労していた。そしてそんな訳の分からないジャパニーズ集団の状況を、マダムは読み取り、タクシーを手配してくれたり、ミネラルウォーターを用意してくれたりと、あちこちを駆け回りながら、私たちの側にいてくれた。

そしてなんとか家に着き、4人とも眠りにつくのだった。

3日目

朝起きると母親は元気になっていた。
父親と祖母も胸を撫で下ろし、良かったと一息ついていた。

とりあえず朝食にしよう。

4人で朝ご飯を食べようと食卓に並んだ和風の朝ご飯を前に、「いただきます」と挨拶をする。

しかし、お腹が減らない。食欲もない。
全くご飯に手をつけられない人物がいた。
小娘だ。

母親が元気になったと思ったら、今度は小娘のターンである。単なる食中毒なのか、昨日の緊張の糸が切れたのか、多分後者であると思うが、倦怠感が襲い、一日中家で眠る羽目になった。

父親と祖母だけが、この臭豆腐の呪いに掛からなかった。そしてもともとの予定をキャンセルして、上海の父親宅で寝て過ごす休暇となった😂

その後完全なる回復とまでいくことなく、日本へ帰国しました😂

臭豆腐はもういいかな〜🤭


写真は有名な万里の長城を訪れたときのもの📷

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