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『動物園にて』 『いのちをうつす』 東京都美術館

チラシにある『動物園にて』のキリンと『いのちをうつす』のお馬さんが気になり訪問。美術館に着いた所、“ローマ展のチケットで無料でご覧になれます”の案内がありせっかくなのでローマ展を観てからこちらに。

結果、動物園での思い出が無数に思い出され、そのありがたい存在にて改めて気付かされた次第です。
(おそらく企画者の人が意図していたであろう鑑賞結果に。。)

『いのちをうつす』

こちらの展示ではある生き物(ゴリラや牛などの動物だけでなく植物、さらに菌!)だけを追い求めて作品を制作している作家の作品群が展示。

なかでも内山春雄氏のバードカービング(木から彫刻で本物そっくりに作られた鳥)の作品はどれも素晴らしく今にも飛び立ちそう。
さらに、目の不自由な方たち向けに彫刻の鳥を触れてもらうことで鑑賞してもらうタッチカービングも提供されてるとのこと。
実際に触れる鳥たちが複数展示されてまして、自分も触ってみたのですが、頭はすべすべして羽のあたりは彫りで少しザラザラ、生きてる鳥を触ってるみたいで可愛いさを感じるんです。観るだけでなく触る事で人の感情が変わるのを実感して不思議な感じでした。
その流れで『動物園にて』

『動物園にて』

 チラシにはこうありました。

「動物園」とは私たち人間にとってどのような場所でしょうか。人は何を求めてそこに向かい何を得てそこから帰って行くのでしょうか?
動物園に眠るさまざまな記憶の断片を訪ねて歩く中で、近代以降の動物園という空間における人間と動物との関わり合いの様相を改めて捉え直す機会となれば幸いです。

現代美術館、写真美術館が連携しているだけあり要所要所ににniceな作品があり観ごたえあります。

日本で初めての動物園でもある上野動物園の成立から、東京芸大との関係(動物園での写生はここから始まってるよう)、画家・田井正忠氏による昭和初期の入場券のコレクション(クオリティが高い!)、そして戦争時の猛獣処分によるゾウの花子の悲劇などが当時の資料やコミックなども交えながら丁寧に紹介されてました。

そして最後は、「動物園」を描く・写す、という事で、林忠彦や東松照明、長野重一などが撮影した動物園での微笑ましい光景が多数展示。
中でも富山治夫のサファリパークでの、ライオンサイドから撮ったサファリバスの写真は秀逸でした。

https://collection.topmuseum.jp/Publish/detailPage/10918/

写真を見ながら「あー、家にも動物園で撮った写真たくさんあるなー」と思うわけです。子供たちが小さい頃に行った時のものは当然ながら、自分が子供の頃に親に抱っこされてる写真、小学校の遠足でピースしてる写真、高校時代に友達と行った時の写真、実家に帰省して地元の動物園で撮った親、子供、自分の三世代写真。なんか思い出の写真といえば動物園の写真なのでは?と気づくわけです。誰もが必ず行ったことがあって、ライフステージ毎に訪れる場所って動物園以外にないのでは?とも。(大げさ?)

当たり前にある場所ですが、とてもありがたい場所。ということで久しぶりに家族を無理矢理誘って上野動物園に行こうかなーと思ってます。

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