pao (詩と諸々)

にゃんこ2人が何より愛しい文章書き。守備範囲は精神世界から猫ごはんまで。肉球でパシパシ…

 pao (詩と諸々)

にゃんこ2人が何より愛しい文章書き。守備範囲は精神世界から猫ごはんまで。肉球でパシパシ叩かれながら、ポツポツとキーを打つ毎日です。

最近の記事

信じる 誰かをではなく 起きる現象でもなく 自分の内なる、何かを 感情や思考を超える何かを 今この時 未来永劫 ただ、盲目的に そう、徹底的に 信じ倒すのだ 心は常に理想へと向けて ありたい姿は変わらない 引いた弓矢は止まらないから あとは的に当たるのみ 信の一念が突き通る

    • 降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》13

      「僕、明日から学校に行くよ」 「え、でも、2週間も眠っていたのよ?今日起きたばかりで、大丈夫なの?電車で倒れたりしない?」 「だいじょうぶだって、それに僕がいつまでも臥せっていたら、それを口実にねえさんたち会社さぼりまくるよ」 笑いながら言うと、それもそうねと母がいい、姉たちは口々に、ひどい、人の心配を無碍にしてとわめいている。そして父はそんな僕たちを嬉しそうに見ている。ああ、普通の家族だ。ね、あいす、君もここにいたらいいのに。 結局、いつものように、明日の朝たけるに迎えに来

      • 降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》12

        広い体育館の区切られたひと隅に、幼いあきらが、眠そうに目を擦っている。 「おにーさん、僕、のどかわいた、なにか、くれませんか?それに、ねむいや」 おにーさんと呼ばれた、誘拐犯の1人は 「こまったな、ジュースはないし、かといって、」 「そのお茶でいいです」 「ガキ、これは」 「お茶が、い、い、で、す」 凄まじい圧が、あきらから発せられていた。 連れ攫ってきた時から、2人の誘拐犯は、そこはかとなく後悔している。なにか、何かわからないけど、猛獣の檻の前にいるようなそんな感じを受けて

        • 降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》11

          「さ、出しなさいよ」 「撮っていたのですよね?あきらを」 姉二人が犯人たちに迫る。周囲に霧と雪が舞う 「し、しらない」 「じゃあ、質問を変えるわ。あきらにお酒を飲ませたでしょう?」 「酒?ち、ちがう。あれはガキが勝手に」 「飲ませましたね?」 「はい、がぶがぶ飲んでいらっしゃいました」 「で、スマホで撮ったことは覚えていないと?」 「いや、あのとき、あのときは、あの」 「思い出さなくていい、私たちは、そのスマホとデータが欲しいだけなの」 「スマホはあれは黒焦げになって、、」

        信じる 誰かをではなく 起きる現象でもなく 自分の内なる、何かを 感情や思考を超える何かを 今この時 未来永劫 ただ、盲目的に そう、徹底的に 信じ倒すのだ 心は常に理想へと向けて ありたい姿は変わらない 引いた弓矢は止まらないから あとは的に当たるのみ 信の一念が突き通る

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》10

          頭がくらくらする。そうか、壁に頭ぶつけたんだ。急に来た大きな揺れと地響き。遠くから何かのいななきとたくさんの足音が聞こえる。部屋中に収穫して部屋の隅に積み上げていた野菜や果物が転がっていた。 そっと、外へ出ると足音はどんどん大きくなりこちらへ近づいてくる。どうしたらいいんだろう、足元を見ると地面が大きくひび割れている。 (逃げるしか、ないよね) 決心すると社の中に戻り、水を入れた容器と、ちび君からもらったごはん(保存食として残していた)をもって外へ出た。 「僕を助けてくれてあ

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》10

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》9

          「倉石遅くない?」 冨田がいう。あきらがトイレに立って15分ほどが経っていた。 「そう、ね、ちょっと遅いかな。ね、富田」 「ああ、ちょっと探してくる」 冨田が靴を履いて、トイレの方向へ小走りに歩いていくのと同時に、門脇が戻ってきた。 「門脇、どこ行ってたの」 「なに?トイレだよ」 「じゃ、倉石に合わなかった?トイレに行くといって席離れてから、まだ戻ってこないのよ」 「いや見かけなかったけど、、何分前のこと?」 「そうね15分くらいでしょうか」 「俺も探してくる」 門脇もどこか

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》9

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》8

          午後5:00ジャスト 丸い掘りごたつのテーブルに僕たちは着席していた。教授を真ん中、といっても丸いからどこが真ん中とかはないんだけど気分的に、右隣に吉川さん、左に小林さん。 「教授、両手に花ですね」 花本人である吉川さんが言うと、 「私は花より、、」 「それ以上は禁句です、教授」 やんわり、しかしぴしりと小林さんが止める。柔らかい雰囲気の人なのに結構辛辣なのな、ここに来るまでの道中での会話なども思い出して僕は思う。 だけど、親しい、阿吽の呼吸というのも感じられて 「楽しいゼミ

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》8

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》7

          なあ、運命は、お前は一体何を望んでいる? 答えはない。また深い眠りについたのか。 「飲み会?何それ?」 朝、いつものように迎えに来たたけるに思いもよらないことを聞かされた。 「僕が約束?ないない。からかわないでよ。」 「いや、ほんとだ。話を作ってはいない。」 「ほんとに?なんでそんなこと受けたんだろう、、僕、、」 考えたところで記憶が浮かぶわけがない、空白の景色が見えるだけだ。それでも意識を集中してみる。 びりっ 「いたっ」 「どうした」 「静電気が、」 いたた、今のは結構

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》7

          覚えちゃいないが、愉快な仲間ー降水確率0.1%

          「そうか、誘うのに成功したか、やるじゃないか冨田」 「ふ、ふ、ふ、誠意が通じたんだ、人徳だね。」 「私近くで見てたけど、めちゃ嫌がってたみたいだけどね、しぶしぶ受けてくれたんでしょ、強引な男は嫌われるぞ」 「そんなことはない、笑ってありがとうっていってくれた。」 「まあ、行くって言ったんなら来てくれるでしょ、あの子律儀だから。」 「そうですよね、毎日記憶が消えるっていうのは、この三年間で納得したけど、でも、普通に人付き合いいいし、性格も明るいし、不思議な人ですよね。」 「そう

          覚えちゃいないが、愉快な仲間ー降水確率0.1%

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》6

          まず、川を探さなきゃ。この山って人が良く通るのかな、細いけど道ができている。昼間の熱波も少し収まって、風が気持ちいい。僕の住んでいたところとは離れているのか、それとも山だからなのか、大分過ごしやすい。 さ、どこか寝床をさがさなきゃ、洞穴でもいいから、なんて思いながら歩いていると、急に視界が開けて、円のように刈り込んだ地面の上に、小さな社が建っていた。人一人が十分休めるくらいの大きさだ。 あたりに人気はなく、その社にも誰かが参っている様子は見られない。 「ついてる!」 もちろん

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》6

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》5

          やめてくれー、こんな公衆の面前で、恥ずかしさの頂点だ。 目の前で土下座している初対面の彼、冨田といったか、はでかい声で訴えてくる。 「お願いします、最後までとは言いません。途中まででいいんです。付き合って下さい。」 、、誤解を招きかねないセリフだ。 「だから、あのね、」 「そこまでして誘う理由はなんだ」 不機嫌さを残したまま、たけるが問う。 「なんで、、、なんでだろう、ただ、どうしても倉石と一緒に行きたくて、あれ、どうしてこんなに一緒にいたいんだろう?」 悩み出した冨田は放っ

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》5

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》4

          僕とたけるは大学4年生、同い年の幼馴染だ。 同じ幼稚園、同じ小学校、同じ中学校、同じ高校、同じ大学、多くはないかもしれないけど、ありがちな腐れ縁。 ちょっと違うといえば、小・中・高、クラスも同じだったことかな。幼稚園もだけど。これも少子化の現代では珍しくはない、かも? まあ、そんなこんなで僕の横にはたけるが、たけるの横には僕がいつもセットでくっついていた。家も隣同士で、ってことはない。さすがにね。それに、小学校に上がった時から僕は通学以外ほとんど家から出なくなった。一人ではど

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》4

          とんでも因数分解

          「家を作るなら〜」 「どうした急に」 「さっき、住宅メーカーのCMやっててさ、僕ならどんな家にするかなって考えてたんだ」 「だが、お前は一人っ子だから、将来もこの家に住むんじゃないのか」 「そのつもりだけど、リフォームはするだろ? どんな感じにしようかな、あれは絶対必要だよね」 「そうだな、あった方がいいな」 「やっぱりさ使い勝手って大切だよね」 「気持ちいい方がいいからな」 「自分の好みにしたいよね」 「DIYというてもある」 「でも、統一感は素人では難しいかも」 「そうだ

          とんでも因数分解

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》3

          「あきら、起きなさい、遅れるわよ」 「ん、」 ここは、と意識が1回転する。柔らかい布団、明るい部屋、僕の好きなーって時間!? 「おはよう」 見知らぬ彼女に挨拶する。 「おはよう、珍しいこともあるものね。いつもは目覚まし時計が鳴る前に起きる子が、これは大災害の予兆ね」 「大げさだよ、ちょっとね、調べものしてて」 普通の会話が続く。こうなるまでに何年かかったことか。見知らぬ人ではあるが、1分もすれば”お母さん”になる。そう認識する。 「最近また何か作っているようね。教えてくれない

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》3

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》2

          僕はこの時代の人間じゃない。じゃいつの時代と聞かれても困る。今みたいに平成とか令和とか、年号で呼ぶことなんかないからね。多分平安?牛車が居たって記憶があるだけなんだけど。単純だな。あとは着物姿、烏帽子。 僕の母親は至って平凡。平凡な平民。どこかの屋敷の下働きしてたそうで生きていくには困ってきなかった。父親は陰陽師。そう聞かされている、僕はまあ俗にいう私生児ってとこ。父は特に優秀でもなくやはり平凡だったそうだ。そこそこいいとこの役職付き。 認知はされていたけど、屋敷にも住まわせ

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 僕の静電気体質》2

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 ボクの静電気体質》1

          あらすじ 一見どこにでもいる大学生、倉石あきら。でも彼には人の顔と名前どころか一緒に過ごした全ての記憶が消えてしまうという障がいがある。唯一記憶が消えない幼稚園からの幼馴染、三徒たけるとともに大学に通っている。ヒト関係以外の記憶には欠落がなく、天才発明家といわれるくらい超優秀。周りのフォローもあり普通の?日常生活を送っているが、ある日、ゼミの飲み会に行ったことがきっかけで、幼いころの事件の真実と、あきらが記憶が消える理由が明らかになる。 第1話 「おーい」 誰かが呼んでい

          降水確率0%の通り雨《君の落雷 ボクの静電気体質》1