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運命に導かれるように貴重な発見をする能力『セレンディピティ』


今、世の中を見て
”おかしいと思わない人は
少なくないのではないでしょうか。
すでに従来の人間のシステムは
効力を失い、その影響が
あらゆる方面で噴出しているのが
現状です。


また一方で、近年、
”人工知能”の技術が飛躍的に進化し、
ある分野では驚異的な結果を
出しています。
しかし、人間をアシストするために
作られたものによって
人類が主役の場を奪われてしまう
危惧も語られています。


そんな中で、私たちに最後に
残されているものは、
人間が本質的に持っている
”まだ見ぬ能力”だと思っています。
この世界の仕組みを知り、
自分を失ったままで生きていた
人類が、自分の中に潜む様々な
葛藤を終わらせ、
本当の自分を取り戻していくことで
すべてが変わっていきます。


運命は問題を終わらせるための
方法論ではなく、
人間の奥底に眠っている
”超人間力”を引き出す実践法、
そして、”自分が生まれてきた
本当の目的を体現する”ことこそ、
世界を変えていく原動力そのものに
なるのではないかと思います。


同時に自分の人生の悩みや迷いは、
自分に聞いて自分で答えを
出していく時代になると想定すると
人のことはわからなくても、
”自分のことは自分でわかる”
そんなサイキック(人体に潜む
未知なる超常能力、超感覚)の
時代が到来しようとしています。


人生経験が増してくるほど、
自分の”長所”や”短所”は
”自分が一番よくわかっている”、
と思うようになるでしょう。
そうであっても、
認めたくない自分の嫌な面や、
「これは本当の自分ではない」と
否定したくなる側面があるのも
また現実です。


今までの人生を振り返ったとき、
自分で決定したいと思っても、
状況が許さないこともあったでしょう。
また自分で決めることに困難さを感じて、
最初の一歩を踏み出すことができず、
成り行きに任せてしまった経験も
あったことと思います。


このようなことは、
今後もあるかもしれませんが、
自分の人生を誰も自分に
代わって生きてはくれない、
という厳しい現実を考えてみると、
人生の節目において、
「自分のあり方を自分自身で選択し、
決断することによって人生を
つくりあげていく」という態度が、
私たちに今、求められているのでは
ないでしょうか。
なぜなら、自分の人生は、
自分が主役なのですから。


皆様も「セレンディピティ」
(serendipity)という言葉を
ご存知かと思いますが、
この言葉は18世紀の
イギリスの作家
「ホレス・ウォルポール」氏が
自作の物語で最初に用いたもので、
「求めずして思いがけないものを
発見する能力」、
「偶然の幸運を手に入れる力」
「本質的なことを学びとること、
あるいはその能力」
という意味を表す言葉で、
“偶然を洞察する能力”であることから、
『偶察力』と訳されることもあります。


運命の人にめぐり会いたい
と願う人は多いと思いますが、
恋愛だけでなく、仕事など
日常生活のすべてにいえること、


「serendipity」とは、
3人の王子の知恵と機転で
人生が好転した話が書かれた
「セレンディップの三人の王子たち」
を読んだホレス・ウォルポール氏が
1754年に生み出した造語と
されています。


物語のあらすじは、
現在でいうスリランカの
3人の王子さまが父王の命令で、
「教育の最終段階」として、
他国を旅する様子が描かれています。


旅は「教育の最終段階」です。
王子たちは何の準備もなく
旅に出されたわけではなく、
日々努力し「知識」を身に付けた上で、
それらを実践して経験を積むために、
外の世界に送り出されました。


そこで、王子たちは
様々な「偶然」に出会います。
その「偶然」は、決して楽なこと、
愉快なことではないのですが、
それまでに学んできたことを生かし、
観察力、知恵、勇気といったもので、
王子たちは苦難を乗り越えていきます。


旅の最後まで、
出会った人々に限りなく感謝し、
頂いた好意に報いようという
心持ちをずっと抱き続けていました。
その結果、
3人の王子たちは、それぞれ別の国で、
違った形の「幸せな結婚」をします。
3人の王子たちは、それぞれが思う
「幸せな生活」を手にいれたのです。


セレンディピティが起こるのは、
その人が何かをずっと探し求めて
いるからであって、
元々そこにあったものが
意識することによって
特別の意味をもって見えてくる
現象であるとも言えると思います。


たとえば、
ノーベル賞受賞者のフレミングは、
化膿菌の研究をしている最中に
たまたま空中の青かびがシャーレに
混入してしまいましたが、
青かびが混じったコロニーには、
化膿菌が繁殖しなかったのを見て
ペニシリンを発見しました。


ノーベル賞を創設した
「ノーベル」氏自身も、
セレンディピティのおかげで
ダイナマイトを発明しています。
ダイナマイトの元である
ニトログリセリンは安定した
薬品ではなく、爆薬として
実用的なものではありませんでしたが、
ある日ノーベル氏がニトログリセリンを
珪藻土の上にこぼしたところ、
安定して使えることを発見したのです。


日本人として初めて
ノーベル化学賞を受賞した
「白川英樹」博士は、
東京工業大の助手時代に
大学院生が触媒の濃度を
1000倍、間違えたためにできた
“失敗作”の薄膜を見て
ノーベル賞受賞につながる
大発見のヒントを得ました。
こうしたセレンディピティによる
科学的発見は、時として
企業に莫大な利益をもたらします。
ノーベル氏はダイナマイトの発明により、
巨万の富を得、そのお陰で
ノーベル基金を創設しました。


長い人生の途上では、
運や偶然に左右されることも
あるでしょう。
しかし、この”セレンディピティ”
という力を発揮すれば、
「運や偶然の中から貴重な発見をして、
それを人生に活かしていくことができる」


科学者が研究中に
「偶然生まれた発明や発見」
を指す言葉でもあり、
固定観念や既存の価値観に囚われず
物事をフラットに判断する
「ラテラルシンキング」を
強化するためにも必要な要素で、
VUCAと呼ばれる変化が
めまぐるしく訪れる昨今においては、
習得必須のスキルとなっています。


 

この考えをもっと展開すれば、
”困難や不運な状況になっても、
そこから意味を見いだし、
次につながる何かをつかみとっていく”
ことに通じると思います。
この力を身につけるのは
難しいと思われるでしょうが、
日頃から、
「物事を柔軟に考え、好奇心を持ち続け、
可能性があればやってみる」
といった姿勢を心がけていけば
この力は磨かれていくといえ、


「意味のある偶然の一致」
「共時性原理」などは、
シンクロニシティを意味します。
心理学者の
「カール・グスタフ・ユング」氏に
よって唱えられた考え方で、
あくまでシンクロニシティは、
”現象”そのものを指すのに対し、


セレンディピティは、
偶然の幸運を手に入れる
”主体的な力”を指します。
このセレンディピティを
ロジカルに管理して
上手くビジネスに活用することを
「セレンディピティ・マネジメント」
と呼び、


バイアス(思考の偏り)を克服したり、
物事の捉え方を転換(リフレーミング)
したりといった”積極的な判断”によって、
自分を幸福に導くきっかけを
能動的に見つけ、
それらをつないでいくプロセスから、
他の人には見えない自分だけの橋
(幸運な結果)が見えてくる、
つまり、セレンディピティが
身の回りで次々と起こるようになる
というわけです。


ITが発達し日々新たな情報が
インターネットの海に生み出され、
2018年に行った調査によれば、
世界のWebサイトの数は12億4000万、
インターネットのユーザ数は約41億で、
2018年当時の世界人口74億の
約半数以上がインターネットを
使っている計算となります。


新型コロナの感染拡大で
生活様式が一変し、
オンラインが主になったことで、
物理的距離のある人や組織同士が
ビジネスを遂行できたり、
交流ができたりと、
今までにはないネットワーク構築、
事業活動の広がり方がなされていますが、


オンライン上ではオフラインのように
偶然性(セレンディピティ)は
生まれにくく、予想外のつながりや、
予想外の発見、イノベーションを、
どのようにオフラインと同レベルで
構築するかが今後の課題となって
いるのが現状です。


セレンディピティにおいて
重要なのは
まずは、「知識を得る」
そして、「行動をおこす行動量」
さまざまな価値観や物事に
触れることで、
思いもよらない結果や
組み合わせが閃き、
セレンディピティが
起こりやすくなりますし、


普通の人では
気づかないようなことを、
よく観察して、諦めずに
それを乗り越えようとした時に
発見できる、
素晴らしい『ひらめき』です。


信念をもってやっていること、
やり続けていることの延長線に
偶然起きた失敗や間違いさえ
見過ごさずにいることが、
成功するための大事な要素になる、
やり続けていれば、
そういった偶然さえも、
強力な見方になり、
日頃からしっかり足を大地につけ、
情熱のある心構えをしていなければ、
発見できないもの。
やり遂げる、やり遂げられる人は、
そういった幸せなセレンディピティ
を自ら捕まえに行っているようです。


「セレンディピティとは、
選ばれた人に起こる稀な幸運ではなく、
たしかな準備と、日頃の心の持ちようで、
誰もが人生で体験でき得ること、
掴めるものだと
言えるのではないでしょうか。


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