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エジプトの首都機能移転と共に進む貧富二極化の現実

TOP写真 エジプト新都市構想ニューキャピタルにできた巨大国立モスク


カイロが首都と思えない理由に納得

いろいろあったエジプト弾丸ツアー。
3泊4日の旅。
と、言っても、
最終日は朝から空港へ移動。
ドーハへ戻る予定だったので、
実際は3日もありませんでした。

そんな中、初日はギザのピラミッド。
二日目は日帰りルクソール。
残った最終日はビジネス視察。

日本人の多くが知らないと思うのですが、
エジプトの首都機能。
現在はカイロにあります。
これが近い将来、
丸ごと新しい町に移転する計画。
着々と進行中なのです。

その新しい都市の名前。
そのまんまですが、ニューキャピタル。
新しい首都という意味ですね。

経済成長著しいアフリカ。
その中でリーダー的存在エジプト。

その割に、首都カイロは貧しい雰囲気。
不思議に感じていたのですが、
首都移転前の現在でも、
富裕層はカイロではなく、
ニューカイロという町に住んでいるそうです。

比較的、貧しい人たちがカイロに住んでいる。

カイロを案内してくれたガイドさん曰く、カイロで一番お洒落なカフェらしい ウソやろ!イスラムの国なので女性は居ません



カイロ中心部 建物は古く老朽化 車も古いので空は汚れている 緑が少ないです

現地の方にお聞きして、
なるほど、どうりで自動車が古すぎる理由。
納得。

首都機能が移転するということは?

最後の市場といわれるアフリカ。
その雄であるエジプト。
その国の首都機能が丸ごと新しい町へ移転。

どういうことか想像できますか。

東京が首都でなくなり、
新しく首都の都市ができるということ。

そうなると、どうなりますか。
もちろん、国家機関で働く人たち。
移動するしかありません。

利便性を考え、
大手企業も移転するでしょう。
そうすると、企業で働く人も共に動く。

結果、
その人たちを相手に商売していた人達。
動かざるを得ない。
そうなります。

当然、新しく作られる首都になる都市。
貧しい人たちは経済的理由で引っ越せない。

すると、現在の首都カイロ。
益々、スラム化が進んでいく。

豊かな層が、新しい首都近隣に移住。

極端な二極化が進むのではないか。
そうすると、
エジプト政府の警備のおかげで
今は落ち着いている
イスラム原理主義勢力。
カイロに再び入り込む。

なんて未来も予想できます。

砂漠の中に巨大都市建設中

またまた脱線してしまいました。

最終日、
私たちが向かったのはニューキャピタル。
東京23区以上の広大な土地。
といっても元々砂漠地帯。

なにもなかった場所に、
新たな首都が作られているのです。

首都移転だけでなく、
まっさらな都市ができる。

イメージできないので、
この目で見ておきたい。
そんな理由からのニューキャピタル訪問。

案内してくださったのは、
エジプトにて
不動産管理業をされてる会社の社長さん。
専用車をチャーターしてくださってました。
とても快適な大型バンにて移動。

このバンで移動させてもらいました

カイロ中心部から車で90分から120分。
それくらいだったと思います。

広大な首都の四方には、
とても立派なゲートが出来上がっていました。

ダウンタウンエリアには既に高層ビルが建ち。
新たな国立スタジアムもできています。

向こうに見える高層ビルがある辺りがダウンタウン 高層ビル群ができる予定 

カイロ空港に変わる空港なのか。
わかりませんが、空港も作られています。

首都で働く人たち。
住む家であったりレジデンス。
こちらも続々と建設ラッシュ。

続々建設中のレジデンス
今は砂漠でなにもないが 緑と水が豊かな街が作られる予定

国立のモスク。
本当に巨大なモスクは既に完成してました。

国家機関エリアの向かいに創られた国立モスク でかさが分かりますか

東京23区を越える面積ですよ。
砂漠だった場所に、
分かりやすくいうと、
ドバイみたいな町を作ろうとしているのです。

砂漠の中に創られたドバイ エジプトのお手本モデル

しょぼいながらも、私。
いちお、経営者のはしくれなもので。
なんらかのビジネスチャンスはないか。
なんて視点で観察してまいりました。

老獪でしたたかなエジプトの戦略

これだけのスケール。
あちこちで、
道路他インフラが整えられ、
商業施設に住居が建設中。

エジプトの財力はスゴイな~。
と、感心してると、

案内してくださった社長さん曰く。

エジプト政府は、ほぼお金使ってませんよ。

首都を移転するプランをかかげ、
なにもなかった土地の中、
都市計画を決めて、

進出する企業に振り分けているだけ。

そこに進出してくる世界の大企業。
莫大な建設費用を負担する。

でも勝手に建設は出来ないので、
政府の意向に沿わないものは却下される。
というわけです。

エジプト政府は、
国土の中、荒れ果てた広大な土地を提供。
提供と販売は同義ですから、
ただ同然の土地を売っているわけです。
計画された区画の中、
開発費を出すのは主に進出する企業。

2022年11月 まだこんな感じです ここがドバイみたいになるのか?

素晴らしいビジネスモデルです。

そう教えてくださいました。

また、
エジプトはドバイに憧れを持っており、
ドバイを超えるものを創る。
ということで、
超高層ビルの構想。
ドバイモールを超える広さの
ショッピングセンター建設。

等も進んでいるようです。

既に完成している国会議事堂

都市はまだまだ完成には至ってませんが、
既に世界の5ツ星ホテルが開業しています。

ニューキャピタルに創られた5星ホテル セントレジスに居た見覚えあるサル

何度も議題に上がる東京のリスク分散

日本は国土が狭いので、
新しく首都をゼロから創る。
現実的ではありませんが、

大地震のリスク等、
東京の抱える問題は多々あります。

もし、首都移転なんてことが起きたら。
不動産価格は一気に暴落してしまいそうです。
よって、これは現実的ではないでしょう。

ですが今まさに、
カイロではそんな現象が起きている。
恐ろしいことです。

貧富の差を実感

ニューキャピタルからの帰り道。
富裕層が住むといわれるニューカイロも視察。
本家カイロとは全く違うきれいな街並み。
整備されたショッピングセンター。

走っている車も新しい車が多く、
排気ガスによる空の汚れもありませんでした。

こちらはニューカイロ入口ゲート 砂漠の中だったとは思えない緑です

最後、カイロに戻り、
夕食へ。

エジプトのソウルフードであるコシャリの店。
連れて行っていただきました。

カイロに入り、昔ながらの繁華街に入ると、
車は渋滞で動きません。
途中で降りて店へ向かいました。
とにかく人が多すぎて歩くのも大変。

雑踏の中というのがピッタリ。
あちこちで鳴り続ける車のクラクション。
ずっと。鳴りやまないのでうるさいです。

スリに注意しながら歩いていると、
「ギブミーマネー」
と、お金を求める子供が寄って来る。

その子の後ろを見ると、
少し離れたところで母親らしき女性。
赤ちゃんを抱っこして、こちらを見てる。

日本の戦後は知らないけど、
こんな感じだったのかな~。
と、思うと同時に、
この格差というかギャップ。
ショックが大きかったです。

エジプトのソウルフード

エジプトでも有名というコシャリの店に到着。

コシャリとは、パスタみたいなものや、
豆、にトマトソースをかけた料理です。

店員さんがスペシャルソースを作ってくれた
見た目はパスタのトマトソースみたいな感じ コーラと合わせて200円くらい 物価は安い

相場は一杯50円くらい。
ドリンク入れても100円。
連れてきてもらった店は有名店。
なので、倍くらいはするとして、
それでも200円くらいです。

100円、200円の単価で、
自社ビル店舗を建てた。
地元ではそちらも
有名なサクセスストーリーだとか。

カイロにあるコシャリ御殿 写真は創業者

味は、酸っぱく辛いですが、
美味しかったです。

アフリカの発展を願うと同時に心配事

エジプトを総括すると、
とにかく二極化。
貧富の差がすごい。

観光地、どこへ行っても、
管理で雇われてる人が、
写真撮影でお金を要求する。

空港のトイレ前では、
清掃員が立っていて、
トイレ使う人にチップを要求。
空港ですよ。
小銭用意してないとトイレも行きづらい。

みんな、過酷な生活環境から、
なんとか抜け出そうとしているエネルギー。
感じることができました。

日本の高度成長前もこんな感じだった筈。
そう思うと、
エジプトの未来。
明るくなることに期待ています。

ニューキャピタル国家機関入居予定地前の道路 なんとなく高層ビルが建つ前の新宿をイメージできませんか

幼い子供のギブミーマネー。
これはほんと辛かったです。

成長を妨げるリスク。
宗教戦争はアフリカ各地で起きてます。
あとは西側、東側諸国による派遣争い。
それによる軍事衝突。

日本では報道されてないですが、
アフリカで人気ある国。
アメリカや日本欧米ではなく、
ロシアと中国なのです。

利権を奪い合う戦争。
それだけは勘弁してほしいものです。

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