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キタダmusic room

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2022年11月の記事一覧

キタダmusic room 3 理想の大人 “Happy Man”佐野元春

高校生になって間もなくのこと。
この曲と出逢って、「イチコロ」(今風にいえば「瞬殺」)で佐野元春ファンになりました。

「能天気」な歌詞とそれまで体験したことのなかったビート感が渾然一体となって、いつ耳にしても自然とテンションが上昇するのがわかる。そわそわしてくる。「みんなが待ってる店」へ早くいきたくなる。こんな感じの“Happy Man”でいたいと心底あこがれて、部活の打ち上げなんかではいつもこ
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キタダmusic room 2  詩人は路上を歩く 「雨」「湖畔」長岡亮介

神出鬼没のギタリスト・長岡亮介の2010年の演奏。
原宿キャットストリートでの弾き語りですが、このクオリティの演奏なのに、(今ほど知られていなかったとはいえ)長岡亮介なのに、立ち止まって聴き入っている人が誰もいないというのが逆におしゃれすぎます。最後にピックを落としてしまった後の表情がいいですねー。人柄を感じさせます。

さあ、歩き出した長岡氏。今度は「湖畔」を歌いだす。


「湖畔」長岡亮介
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キタダmusic room 1 たった1音で落ちる夢 “Darn That Dream” Bill Evans and Jim Hall

最初の1音が、すべてを語っている。
あ…。
あの人に逢えた。
その、ときめきとざわめき。
そして、ここは夢。
夢と知っていれば覚めずにいたのに。
切なすぎる。でも、しあわせな夢だった。
ぜったいにあんなふうに逢うことのない人。
タイトルの「いやな夢」は、覚めたくないのに覚めてしまう夢、という意味にとりたい。
くどいかもしれないけれど、
最初の1音がこの世界観にわたしを投げ込んでくれる。
他のミュー
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