国家公務員を辞め、法曹を目指す理由

 今日は、国家公務員を辞めて法曹を目指した理由について、自分の頭の整理として書いてみたいと思います。似たような選択をしようと考えている方の参考となれば、幸いです。

 前提として、幼い頃から、理不尽なことが嫌いで、自分自身もいじめられた経験もあったので、困っている人の力になりたい、社会の役になりたいという理由から公のために仕事をできる国家公務員になりました。

 ネガティブな面とポジティブな面をまとめると以下のとおりです。
○ネガティブな理由
・自分の仕事の結果が見えにくい(例えば、国際会議の企画・運営業務等を担当していたことがあるが、何をもって成功と言えるのか、自分の仕事がどのように還元されているのか目に見えづらい。)。
・部署異動も頻繁で、業務自体何か特別なスキルが必要な訳ではないので、専門的な技術が身につかない(段取り力や根回し力などのサラリーマンとして必要な一般的スキルは身につくが。)。そのため、時折、自分には何ができるのだろうかと思うことがある。人生の大半の時間を費やす仕事で身に付けたスキルが、サラリーマン力だけではかなり寂しい。
・意思決定が遅く、せっかちな自分にとってはストレスがかかる場面も少なくなかった。テキパキと自分のペースで仕事が進められたら、よりストレスが少なそう。
・裁量が小さく、何をやるにしても上司の承認がないと意思決定できない(案件が大きくなれば、仕方ない気もするが)。かなりの裁量が認められる課長級の職員になるには、20年以上の歳月がかかる。
・結果に比例して、給料が上がるシステムとなっておらず、また、仕事の結果も見えにくいことから、モチベーションの維持が難しい。
・不特定多数者がお客となるので、特定の誰かのために仕事をしていることを実感しにくい。誰かのためになっていることを実感しにくい。特に、本省(霞が関)の仕事は、制度の対象となっている人に会うこともないので、なさおらである。
・上に不祥事があると、組織を守るための仕事が発生する。自分は組織を守りたくて、省庁で働いているわけではない。

○ポジティブな理由
・より専門性があり、自分の努力次第で、無限にスキルアップしていけるような仕事をしたい。実際に社会人になってみて、目標などが数値化しにくいとどこを目指して良いのか分からない。
・自分で自分の仕事をグリップできるようになりたい。その方が、ゲーム感覚があり、楽しそう。
・結果に比例して、報酬が増えるといったモチベーションがアップする仕事がしたい(頑張りが金銭に還元されるとなると、やはりモチベーションが上がる。)。
・誰のために仕事をしているのか、明確であり、誰かに感謝されるような仕事がしたい。働きかける対象との距離が近い仕事をしたい。
・学生のときに憧れはあったが、「自分には、無理だ。合格できっこない。」と自分で限界を決めてしまい、結果的に勉強をしなかった。でも、憧れたにもかかわらず、挑戦しないで、諦めるのはもったいない。やってみないと自分の限界は分からない。一度きりの人生、死ぬ間際で後悔したくない。

と多々上げましたが、「挑戦しないで終わりたくない。」という理由が一番強いと思います。

 一度、社会に出ている以上、予備試験ルートで合格する方が、収入も途絶えず、理想的ではありますが、
・予備試験の合格率が3~4%であることを考えると、司法試験の受験資格を得るまでに、5~6年掛かってしまう懸念があったこと
・2回目の予備試験の受験で、短答式に余裕を持って合格できたこと、論文式も不合格となるも後一歩で合格できたことで、受験資格を得ることができれば、司法試験に合格できる可能性がかなりあると自信を持てたこと
・勉強を始めて2年経過し、隙間時間を活用しての勉強だが、計画的に勉強を継続することができたこと
・幸い家庭も持っておらず、新しいことにチャレンジするには、若い方がよいと思ったこと
・在学中受験で一発合格できれば、20代のうちに司法修習にいけること
などから、合格できなかった際のリスクもありますが、一度仕事を辞めて、自分の可能性にかけるという判断をしました。
 せっかく国家公務員という安定した職業に就いているのにもったいない、仕事を辞めてロースクールに行くなんてアホすぎるという声もあるかもしれませんが、自分で決めた道です。他人に何と言われようと、目標に向かって走り続けるだけです。

今日は、このあたりで!

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