『転生したら美女の部屋のテーブルだった』 第1話 俺氏、人間になれず

 クソショボい人生だったけど、死にざまだけは少し派手だったかもしれない。

 金欠のくせに、ロクに働きもせず、ボロアパートの部屋でシコシコしてばかりで。

 だから、ロクにメシも食えず、フラフラと道を歩いていたら……トラックに轢かれた。

 ていうか、弾き飛ばされた。

 俺のモヤシどころか、紙みたいにペラッペラな体はふわりと宙を舞い。

 けど、ちゃんとしたたかに頭部を打ち付けて、無事にお亡くなりになった……らしい。

 死ぬ瞬間のことなんて、自分じゃ分からない。

 だから、これは神様に教えてもらったことだ。

「君ぃ~、来世はどうしたい~?」

 じいさん神様が、寝そべってポ◯チを食いながら言う。

 こいつ、ふざけ過ぎだろ……

「……俺、前世は童貞だったんで……来世はモテまくりたいです」

「ほう、モテまくり」

「いや、モテまくらなくても良いな……最高の女、1人とひたすらイチャラブちゅっちゅしたいです。あ、もちろんパンパンも」

「君ぃ、気持ち悪いなぁ~」

 ムシャムシャ。

 うるせえよ、クソジジイ。

「……おっ、何かちょうどよさげな転生先が見つかったわ」

「えっ、マジっすか?」

「じゃあ、早速飛ばすから、君の魂」

「あの、ていうか、どんな形で転生するんすか? もしかして、異世界転生?」

「いや、現代だねぇ~」

「そっすか……まあ、良いや。で、イケメンになれるんすか?」

「それは君しだいかな~」

「えっ、もしかして、整形とかしないといけない感じ? ねえ、転生チートくださいよ、神様ぁ!」

「あっ、もう時間だから。わっちゃん、これから見たい番組あるし」

「わっちゃん?」

「わしちゃん」

 うぜぇ……

「じゃっ、いってらっしゃい」

「あの、マジでたのんま……」

 すぅ~……

      ◇

 目が覚めると、ちゃんと明るい場所にいて、安心した。

 どうやら、ここはどこかの一室らしい。

 ていうか、けっこう広い……マンションかな?

 ちょっと、間取りを拝見……ってあれ?

 何か、動けない?

「ふむ」

 と、声がして、目を向ける(?)

 そこには、ハッと息を呑むような、美女がいた。

 凛々しい顔立ちで、結い上げた髪が揺れる。

 さらに、しっかりくびれつつも、そこだけ大きく実った果実が……

「……よし、決めた。私、あなたのこと『ブルくん』って呼ぶわ」

 えっ、何それ?

 ていうか、俺ってば、もしかして人間じゃないの?

 ペット的な何か?

 その赤子?

 だから、まだ自由に動けない、みたいな。

 おいおい、神様、あのクソジジイ。

 ちゃんと説明しとけよ、ボケが。

 人間じゃないとか……まあ、前世のあの怠惰っぷりで、今世もまた人間さまになろうってのが、虫が良すぎたな。

 まあ、ラノベでも、美女のペットに転生して、何だかんだ美味しい思いをする作品とかあったと思うし。

 これはこれで、ニューライフとして楽しめるな。

 何よりも、こんな美女に可愛がってもらえる。

 前世のキモ童貞の頃じゃ、考えられない話だ。

「ふぅ……」

 美女が俺に抱き付いて来た。

 ていうか、頭、上半身を預けて来る。

 ゆえに、その巨大な2つの果実が……むぎゅううぅ。

 うっほほ、マジでデッケェ!

 神様、ありがとうございます!

「ああ、どうしよう、私もう好きかも」

 俺もとっくに愛しているぜ、ハニー。

 ていうか、名前は何て言うんだよ?

 ああ、ペットじゃ口も利けないか。

 まあ、その内、知る機会もあるだろう。

 とりあえず、君は俺の愛しの巨乳美女さまだ。

「ほんと、不思議だなぁ……このテーブル、最高かも」

 …………はい?

 イマ、ナントオッシャイマシタカ?

「ずっと売れ残りで、現品限りでだいぶ値下がりしていたけど……すごく私にフィットするかも」

 そう言って、巨乳美女はおもむろに体を起こす。

 俺は呆けたまま、その光景を見つめる。

 いや、そもそも、目なんて……

「……ダメよ、いきなり、こんな」

 えっ……?

 目はないはずだけど、ちゃんと視界が移動できる。

 だから、巨乳美女さまが、俺の正面から、角に回ったのを確認した。

 そして、彼女は膝立ちの姿勢になり……

「……こ、こんな感じかな?」

 はっ? ちょっ……

「は、初めてするけど……えいっ」

 むにょっ

 先ほど押し付けられた、巨大な果実。

 おぱーいとはまた違う、柔らかさ。

 すごくエグい柔らかさ。

 童貞の俺じゃ、決して触れることが出来なかった。

 女の一番、大事なところ……

「……んあっ」

 そのいっちゃん大事なところを、俺の角に押し付けて……

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