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【超短編小説】 雪だるまさんが連れて来た

「こんなところで何をしてるの?」

「待ってるの」

「もう遅いから、家に入りなさい」

「嫌だ!もうすぐだもん。昨日、雪だるま坊主、作ったもん」

「天気は変えられないのよ」とママは呆れていた。

すると、急に風が冷たくなった。

「あっ、降ってきた。やったー!雪だ雪だ」

「この季節に雪が降るなんて」

街は季節外れの雪に見舞われた。

四月の寒さに人々は困惑していた。

しかし、この少女だけは違った。

「雪だるまさんが連れて来たんだ」

目を輝かせ、空を見つめながら、

嬉しそうに両手を広げていた(完)