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心という臓器

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長編小説「心という臓器」
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長編小説「心という臓器」一章

長編小説「心という臓器」一章

一 

 神様の涙から僕は生まれたらしい。

 僕は家の窓から外を見ていた。目に入るのは高層ビル、そして地面を歩く人々。

 彼らは雨の中、色とりどりの傘を花のように咲かせながら歩いていく。僕は彼らを見ながら考えた。僕がこの先関わることのない人が大多数を占めるだろう。僕は頬杖をつき、体重を机に預けた。

 この中で僕が『祈り』を捧げる対象となる人は、どれくらいいるのだろう。

 僕は窓から目の前の

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長編小説「心という臓器」前書き

長編小説「心という臓器」前書き

あらすじ

2×××年。人々は心という臓器を発見した。
人々はその発見に戸惑うと同時に喜び、心と体を分離させ心を容器に入れて持ち歩くことになる。
そしてこの発見とほぼ同時に祈りによって心を浄化し、心の臓器移植を可能にする『祈り人』が生まれた。死が近い人や心を手放したい人により心は提供され、心を無くしてしまった人、心が損傷し機能しなくなった人に移植される。
少年、新井信吾も数少ない『祈り人』だった。

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