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独身貴族にささげる、結婚と自由について

私は43歳の春に初めて結婚した。
おかげさまで今も続いている。

若い時からずっと結婚に興味がなかった。
恋愛はそれなりに、ぼちぼちしていた。
30歳を過ぎた頃に夫と出会い、穏やかに12年付き合った後に結婚した。
性格や思考はけっこう違うはずなのに、不思議と波長が合う。理解するのにあまり苦労しない。
私に合わせてくれているのかな。

まだ恋人同士だった頃、いい歳してなぜ結婚しないのかと散々聞かれた。
私が30代後半になると周りも聞きづらくなったのか、私の両親に遠回しに聞いたり、なぜ結婚させないのかと両親に詰め寄る人もいたようだ。
他人のことはほっとけよ。
理由なんていらないでしょ。
田舎ってそういうところなのよね。

東京で暮らす私はそんな両親の気苦労をよそに、気ままで趣味にあふれた生活を楽しんでいた。
先のことを考えていなかったわけではない。むしろ考えるほど一人の方が私らしいと思っていた。

病気になったら一人は寂しくない?
とよく聞かれたけど、むしろそんなときこそ一人でいたい。具合が悪いときくらい、誰に気遣いすることなく気ままに休んでいたい。
本当に大変なら電話かけるから放っといてーって思う。変かしら。

そんな一人を楽しむ私に、もしかして不倫してるの?とか、
後腐れなく手軽に遊べそうな女と勘違いして近づいてくるけしからん男もいた。

世の中の想像力なんてそんな程度なのか。
そういうの、ダサい。

なぜ世の女がみんな結婚したがっていると思うのか。
なぜ結婚しない=遊べる女、なのか。
一人自由に生きる女を、どうして寂しいと決めつけるのか。

独身の頃はその偏見と静かに闘っていた。
自由気ままでいる代わりに、独身でいる正当な理由が必要だった。

それも板についてきた頃、ちょっとしたきっかけで結婚することになった。
ほんとに急な話で、周りはもちろん自分ですらビックリした。
結婚はタイミングと勢いって言うけど、本当なのね。

結婚してみてわかったのは、
結婚しない理由が要らなくなったってこと。当たり前だけど。
寂しい女と決めつけられることもなくなり、都合のいい関係を求めてくる男ももちろんいなくなった。
今まで闘っていたものから解放されて、もっと自由になった気がした。

独身は自由だと思っていたのだけれど、
結婚したら更に自由になったのだ。

もっとも、家事をしたり生活のペースを合わせることに時間を費やすことは増えた。
けれど、闘いから解放され、余計なことを考えすぎずに暮らせていると思えば悪くないし、
何より世間の風当たりから護られていると感じる。
偏見はボディブローのように効いてくるからね。

そう考えると、結婚は悪くない。

相手さえ間違えなければきっとね。

かつての私のように結婚願望が全然ない人も、あったけど諦めちゃった人も、
ちょっと考えてみてもいいかも。

自由を求めると思えば世間体から解放されて、自分らしく前向きに結婚と向き合える気がするし、
ポジティブでいれば、同じようにポジティブな人が自然と寄ってくるものでしょ?
グッドなスパイラルはバイブス感じるわ。

それはまさにそうなんだけど、
うちでは私がある日突然藤井風さんにどハマリしてから、夫は少し不機嫌。
四六時中藤井風さんばかりだから無理もないのかもだけど、
これでも一応両立してるっつーの。
なめんなよ。

そんな日常のささいなモヤリを今日も藤井風さんの音楽に癒やしてもらうのだ。

結婚はきっと悪くない、はずだから。

https://youtu.be/y4FYCJRjHBg

      もうええわ/藤井風

自由がテーマ。
大好きな曲。
自分らしくいられる勇気をもらえます。

もうええわ 何が大切なん?よう選んで

という歌詞が特に好きです。


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