【読書日記】 「ルリユールおじさん」を読む
最寄りの図書館の、3月号の「としょかんだより」に、この本がちらっと紹介されていました。
書籍修繕師の丁寧な仕事ぶりが描かれているとのことで、初めて聞いた書籍修繕師についても知りたいと思いました。
第一刷:2006年9月
発行元:株式会社 理論社
著者:いせ ひでこ
内容:パリの路地裏に、ひっそりと息づいていた手の記憶。本造りの職人から少女へ、かけがえのないおくりもの。講談社出版文化賞絵本賞受賞。(amazonより)
まず、パリの風景にうっとり
著者のいせひでこさんは、この絵本を描くために、「パリにアパートを借り、何度も路地裏の工房に通った。」とのことです。
パリのルリユール(書籍修繕師)を描いたこの本は、最初から最後までパリの風景の中で話が進みます。
このパリの風景が非常に素敵なのです。
水彩画で、美しい色と透明感、本当にうっとりです。
ルリユールおじさんのあたたかい心と仕事ぶり
ルリユールおじさんの作業場の様子、特殊な機械、たくさんの紙、床にちらばった小物たち・・・それらが細かく描かれています。
そして、ルリユールおじさんがいろいろな姿勢で、いろいろな道具を持ち、作業をしています。
ゆったりとしたおだやかな雰囲気が伝わってきて、とても心地よいです。
本を修繕する工程もきちんと描かれ、専門用語もちょっと出てきて、それはそれで「さすが職人の技」と思わせるものもありました。
ルリユールおじさんは、ソフィーの本を修繕し、全く予想していないような素晴らしい「プレゼント」をしました。
ルリユールおじさんは、あったかい人だな。
ルリユールおじさんは、ソフィーのことが大切なんだな。
ルリユールおじさんは、本のことが大好きなんだな。
ルリユールおじさんは、自分の仕事が誇りなんだな。
そう思いながら読みました。
パリと本が大好きな私には「たまらない」絵本です。
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